夢の国でホスピタリティを得た
この前の三連休、大学受験を終えた妹が家族を引き連れてやってきた。
実家で飼っている黒色のラブラドールレトリーバーもきた。
関西から千葉まで車できたらしく、どうやら全行程運転を担当した父はかなり疲れている様子だった。
そんな家族(父、母、妹×2)と三連休は千葉県内で一泊旅行をしてきた。
1日目は妹×2と夢の国、ディズニーランドへ行った。
朝6時に起床して、8時を少し過ぎた頃僕たちは夢の国に入国した。
ちなみに入国したのはシーの方。
園内いや、国内は入国審査ゲートを通った直後から異世界。
僕たち3人の周囲360度全てに笑顔があふれていた。
なんという演出だろうか。あの瞬間、絶対にネガティブな人はいなかったと国会で発表してもいいくらい自信がある。
僕はディズニーランド入国は4年ぶりで、入国審査を待っている間はめちゃくちゃ緊張していた。
妹と3人で楽しめるだろうか。
僕は彼女達を楽しませることができるのだろうか。
でも、入国した瞬間そんな緊張は吹き飛んだ。
入国直後の景色は目の前に広がる海と火山。
火山は噴火していた。
周囲は笑顔で溢れて、気がつけば僕も自然と笑顔だった。
もちろん妹たちはすでにとても楽しそうで、
「はやく行こう!」
と今にも走り出しそうなくらい興奮していた。
入国前のあの緊張はどこへ行ったのやら、
ただ足を踏み入れただけで身体全体が楽しい気持ちに包まれた。
さすが夢の国。
僕が妹達に何かしなくとも勝手に幸せを演出してくれる。
どこかで読んだんだけど、
『付き合いたてのカップルがディズニーランドに行くと、
待ち時間の会話に苦労して険悪になってしまう』
という噂。
あれは都市伝説だな、と思った。
空気を吸うだけで幸せになる国で、どうやったら険悪になるのか。
人が多過ぎてたまたま夢の国の魔力が磨耗したスポットに落てしまったのだろうか。
いやそんなことはない。
あれだけの幸せ要素が充満した空間では、幸せ濃度が下がることはない。
考えられるとしたら「幸せ中毒」に陥ってしまったパターン。
もともと仲が良くて幸せなふたりが、幸せ濃度の濃い空間に行くことで
いわゆる酸素中毒のような状態に陥ってしまい、
逆に険悪になってしまうという悲しい中毒。
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全く関係ないけど、
「逆に〜」というセリフで思い出すのは松本人志のコント。
世界一「逆に」と言う回数の多いコントだと思う。
僕は松本人志が大好きだ。
日本一シュールな笑いをとる人で、圧倒的にピンポイントのように見えるが、
結果全員笑うみたいな恐ろしいくらい笑いのレベルが高い人だと思う。
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夢の国では僕らは思いっきり楽しんだと思う。
僕は妹達のためにポップコーンの列に3回も並んだし、
彼女達の笑顔を見るために、キャラクターのヘアバンドも買ってあげた。
普段お酒をあまり飲まないのに、一人でビールを飲んだ。
てか、ディズニーランドってお酒売ってるんですね。
普段なら絶対めんどくさくて嫌だなと思うことでも、
少しでも彼女達に楽しんでもらいたいと思ったら自然と身体が動いた。
夢の国はすごい。
人を笑顔にする仕事ってけっこう難しいことだ。
ただ笑かすだけなら誰にでもできそうだけど、
幸福感を感じさせたうえで笑顔にするのは難しいと思う。
ホスピタリティとは思いやりのことだけど、
自然と人を思いやりおもてなしができるようになれる場所が
夢の国というわけだ。
今まで、
『ホスピタリティ?病院関係のなにか?』
とか思ってた僕ですら本能的にホスピタリティに富んだ行動に出ることができた。
妹達の楽しんでいる姿が、とてつもなく愛おしく感じた。
やっぱり「幸せ中毒」なんてなかったのだ。
あれはただの都市伝説で、
別れたカップルがいたとしても帰国後の話だろう。
なんか悔しくて、別れた理由に夢の国を使っただけだろうな。
幸せな気分になりたかったり、ホスピタリティ精神を得たい時。
またあの夢の国の入国ゲートを通りに行くことにしよう。
でも、ひとりで行くのはまだ僕には早い。
なので誰か誘って行くことにする。
願わくば、池田エライザさんと行ってみたいと思う。
広瀬すずさんとでもいいなぁ。