思い立ってやったはいいが、、、の話
中学生、いや小学生の頃くらいから
『思い立ったが吉日』という言葉を知っている。
まぁそのままの意味の特になんともないことわざなのだが、
このことわざの意味を一応紹介しておく。
『思い立ったが吉日』
意味:何か物事をはじめようと思ったら、日を選ばずに直ちに着手するのがいいという教え。
”直ちに着手する”という部分が重要で、
たまに、「明日やろっかな、は一生やらんやつ」などという人もいる通り、
「やろおもたら、やれ」
というストレートな意味のことわざである。
インスタのストーリーでも、真っ黒の背景に
『やらない後悔よりも、やる後悔』
と書いて(描いて)載せている人もたまに見かけるが、そんな意味も含んでいるように思う。
ということで僕も「思い立ったが吉日ダァ!」ということで
たくさんのことを思い立ってはやり、後悔しているのだが、
今回はやっぱりやらんといたらよかったという後悔を紹介する。
まずは、
大学の留年、だ。
これは本当に後悔している。というよりも、まず思い立って留年したわけではない。いきなり話の本題から逸れているが、後悔している。
まず学費も嵩むし、
周りの友達が就職し「華金」を知りインスタのストーリーが盛り上がる4月5月はかなり精神的にくる。
大学5年生の頃の僕は学費を稼ぐためのアルバイトと、単位を取得するための授業の出席とで大忙しだった。
華金なんてないし、初ボーナスもない。稼いだバイト代は授業料に消え、学生の最大の武器である時間は学業と労働に消える。
学生の特権である青春なんて物はそこには微塵もないのだ。
ちなみに、僕の場合は不足単位がかなり多い方の留年だったのでこうなった。あと一歩のところで卒業を逃した人や、就職浪人という戦略的留年組はこの通りではないだろう。
しかし、「僕(私)は留年しました!」というバッチは永遠に胸についたままだし、世間体も悪いので極力留年という道は選ばない方が良い。
大学生は青春を謳歌し過ぎず、オンオフの切替をし節度ある最後の青春を送ってください。
さて、次に思い立ち直ちに行動し後悔していることは、
陰毛のセルフ整理である。
しかも、中途半端な整理だ。
僕は、ある筋の男から
陰毛は整理した方が逆に気持ちいし、生活の質が上がる。
と聞いた。
その晩、いてもたってもいられず風呂でせっせと陰毛を整理したのだが、
これがまずかった。やらなければよかった。
そもそも、「整理」であって「除去」ではない。「処理」ともいう。
ちなみに、根絶やしにすることは「脱毛」という。
おそらく、脱毛をしていたなら後悔はしていなかっただろう。
乱れて生えているチリチリの毛をT字の剃刀で刈り取り、股間周りを整地する。
ちょうどいい具合に毛を残し、ゴルフ場のようにきれいにする。
整理し終えた直後の僕は、
「あぁ、やっぱりゴルフは紳士のスポーツなんだな。」
と陰毛の整理を終えて思ったのだが、これが数日後えらいことになる。
雪の下から顔を出し、春の到来を知らせるフキノトウのように、
陰毛は肌の下から少しずつ生え、地獄の到来をお知らせするのだ。
だいたい2日目あたりから陰毛は侵攻を開始し、パンツの中でちくちく肌を攻撃しだすのだ。
そうなると痒くてたまらなくなる。
駅で電車を待っている間、
カッコつけて片手で文庫本を読んでいる間、
気になる女性へLINEの返信を打っている間、
会社で課長に小言を言われている間、
お洒落なオープンテラスでコーヒーを啜っている間なんかも、
陰毛は攻めてくる。
こうなると一刻も早く風呂場で愛用の剃刀を武器に、
「エイヤッ」と陰毛相手に大立回りを演じたくなるのだ。
陰毛の侵攻の芽を摘んでしまえば、地獄から一転し天国となる。
「麻薬に溺れる人はこんなにも気持ちよくなるのかな」
なんて考える余裕すら生まれる。
ただ、落とし穴もある。
「今回はちょっと我慢して伸ばしてみようかな」
みたいに、髪の毛と同じ感覚でいると足元を掬われるので注意してほしい。
毛は毛でも、相手は陰毛。頭髪より硬いのだ。
しかもジョリっとした生え始めは、大戦中に大空を駆るB-29を狙う竹槍より鋭い。
伸ばす余裕すらなく、いったん陰毛を整理すると剃り続けるしか選択肢はなくなるのだ。
それに、生え始めの股間は汚い。
見栄えが悪いのだ。
大衆浴場に通えないくらい汚い。
手ぬぐいやタオルで股間を隠し続けるしかなくなる。
「あの人、よっぽど自信ないんやなぁ」
と思われ、臆病者の烙印を押されることになってしまう。
そんな僕は去年の4月に整理してから、いまだに整理のループを抜け出せないでいる。
たくましく、轟々と生えそびえた陰毛の森が懐かしい。
「ゴルフは紳士の、、、」
などと陳腐な感想を抱き、アホヅラで陰毛を整理していた1年前の自分を殴ってやりたい。
それくらい後悔している。
大学の留年の話よりも陰毛の話について書いた方がスラスラ書けて、文量も多くなったことも後悔している。
まぁ、それはええか。