製薬会社から3.5億もの献金を受けている政治家たち【政治と政府と日本の悪事 5月号】
今月号の目次はこちら。
今回は、『元キャリア官僚が告発する ヤバい! 厚生労働省』をもとに政治家が製薬会社から献金を受けている手口を取り上げます。
製薬会社から政治家への金の流れ
同書によると、製薬会社から過去3年間で約3.5億円を政治家が受け取っていたそうです。
金の流れるルートは2種類が解説されています。
・1つ目は、各製薬会社が自民党の政治資金団体である国民政治協会に寄付するものです。国民政治協会の政治資金収支報告書によると、主なものだけで過去3年間で合計2億円ほどのことです。
・2つ目は、製薬業界の政治団体である製薬産業政治連盟が、政治家のパーティー券を購入する形で資金提供するものです。
製薬産業政治連盟は、毎年セミナーを開催し、製薬会社から資金を集めています。製薬産業政治連盟政治資金収支報告書によると、過去3年間で計20会セミナーが開催され、計2億円ほど集めています。そして、そのうちの計1.5億円ほどを政治家のパーティー券購入にあてていたそうです。
政治家は、製薬会社から過去3年間で少なくとも3.5億円を受けといってたことになります。
政治家が製薬会社のために働いている可能性があるので、騙されないように気をつける必要があります。ワクチンや治療薬などを不自然なほどにPRする政治家には要注意です。
また、金で政治家を動かし、自らの業界の利益を得ようとする製薬会社にも注意が必要です。
国民政治協会に寄付された例
参考に、次の図は、国民政治協会に寄付された例です。
ここでは、製薬会社の一つであり、天下りの一社でもある武田薬品工業を探してきました。81万9千円が寄付されています。
この情報へのたどり着き方は下記のページから
「令和3年11月26日公表(令和2年分 定期公表)」をクリックし、「一般財団法人国民政治協会」をクリックし、「一般財団法人国民政治協会(19/20)〔収入(19)〕」をクリックしてください。
製薬産業政治連盟が購入したパーティー券
製薬産業政治連盟が購入したパーティー券の例です(一部分です)。政治家の名前が出ていることが分かります。
この情報へのたどり着き方は下記のページから
「令和3年11月26日公表(令和2年分 定期公表)」
↓
「セ」
↓
「製薬産業政治連盟」
製薬会社から医師への金の流れ
製薬会社からの金の流れは政治家だけでありません。製薬会社は、医師などの専門家にも資金提供をしているとして、資金提供を受けている医師が紹介されていました。
製薬会社と官僚の関係
また、製薬会社は、厚生労働省の官僚の典型的な天下り先でもあるとのことです。同書によれば、天下りとは「役所とつながりのある組織に再就職すること」です。天下り先として紹介されているのは以下です(一部のみ)。
・武田薬品工業
・アステラス製薬
・ファイザー
・第一三共
・田辺三菱製薬
厚生労働省の官僚は、大切な天下り先である製薬会社を守るために働いていることが疑われます。
構図
業界、政治家、官僚の関係を一般化して図にして表しました。
実際は、他の利害関係者がいたり、関係があることもあると思われます。
・マスコミ
・専門家とマスコミとの関係
・政治家から官僚への働きかけ
また、具体的に業界のためにどのような行為を行うのかも特定する必要があります。
・業界にとって利益となる法律を作る
対策
金の流れは判明しました。次は、具体的な対策が必要です。
その前に、この金の流れは良くないことなのでしょうか。特定の業界の利益のために、国民の安全が脅かされる場合には問題となります。たとえば、製薬会社であれば、安全でないものを、政治家や官僚、専門家とぐるになって容易に販売できてしまうなどです。
では、対策の方向性について整理します。
1.天下りを禁止する
2.専門家への資金提供を禁止する
3.政治家への献金を禁止する
天下り以外は、禁止は難しいかもしれません。
禁止が難しいなら、さらにお金の流れの透明性を上げて、国民に気づかせることが第一歩となるかもしれません。具体的には、お金の流れのデータベースのさらなる構築です。
政治家への献金に関しては、何らかの規制はできるかもしれません。たとえば金額の規制です。他には、特定業界からの献金に依存してない政治家を育てる方法も考えられます。
専門家への資金提供に関しては、課題となります。何ができるか自体を考える必要がありそうです。
業界や企業に関しても何らかの規制を行えると良さそうです。
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