八商工への想い
「八重山商工はもう甲子園で見れないんだな」
Twitterでこんなツイートを見て、おれは泣いた。悔しかった。辛かった。
…おれは八重山商工が好きだ。
絶対に。絶対に大好きだ。
弱くたって、勝てなくたって、それでも好きだ。
何点入れられたって、コールド負けしたって、それでも大好きだ。
全国にはいくつもの高校があり、人それぞれ応援している高校は違う。
当然、強豪校だろうと初戦敗退することもある。
だけど、初戦を突破して「順当」と言えるのが正直うらやましい。
夏が続いているファンを見るとうらやましく見えてしまう。
おれだって日本で一番長い夏を味わいたい。
だけど八重山商工を嫌いになんてなれないし、なるつもりもない。
負けて悔しくて本当にご飯が喉通らないときもあるし、虚無感に襲われることもある。落ち込んでしまい何も手につかないことだってある。
引きずるのは良くないことは知っている。
でも、好きすぎる。好きすぎるが故に、引きずってしまう。言い訳かもしれない。
だけど、そんなことでファンを辞めるほどおれの心は弱くない。そんなことで心を折るわけにはいかない。
「沖縄県立八重山商工高校野球部」を好きになった以上、一途に愛し続ける。
たまに「現実見ろよ」って言う人もいる。
八重山商工は弱体化したな…って言う人もいる。
そりゃもちろん現状は、エラーだって多いしチャンスで一本出ないし、敗北の連続だ。
それに有力選手は皆八重高や八農に流れていってしまう。本当はそんな流れを今すぐにでも止めたい。だけどおれには止められない。島の中学球児にとって「八商工」がどう映っているかは分からない。だけど有力選手が他校に流れている現状を考えたときに、商工よりも他校の方が魅力的なんだろうな…と考えてしまう。
そして何より、部員数が少ない。
単独チームで試合をすることすら危うい。
八重山商工ー八重山の試合を見て、それをまざまざと見せつけられた。
何年後、何十年後、八重山商工野球部はあるのだろうか。そんな不安に何度も襲われる。
普段、おれは八重山3校を応援している。と言っている。だけど商工が一番なのは変わらないし、八重山勢同士の対決になれば絶対に商工を応援するし、商工が島の高校で唯一甲子園出場したという事実も変わらない。
試合のときだけ八商工を見て「弱体化したな」って言う人達は、2006年の印象しか無いんだと思う。それは仕方ない。なぜなら、今の八商工を一般の人が知る機会は無いに等しい。それに、それだけあの夏が印象に残ったという事だから。
だけど、今の商工野球部はあの夏とは違う。
大嶺祐太みたいな投手がいるわけではない。
金城長靖みたいな打者がいるわけでもない。
八重山商工が甲子園に再び出場する可能性は限りなく低いのかもしれない。2006年が最初で最後の甲子園だったのかもしれない。それはおれもわかってる。
でも可能性はゼロじゃない。勝負事に絶対は無い。実際、全国では大番狂わせが起きている。
だからおれはそのわずかな可能性を信じてずっと応援する。
点が入ったときの喜び。
一勝したときの喜び。
この喜びを心の底から味わいたい。
おれが住んでいるのは岐阜県。
八重山商工があるのは石垣島。
あまりにも遠すぎる。
練習試合の情報も入ってこない。
部員の名前の情報すら入ってこない。
だけどそんな距離に負けないぐらいの熱い想いと全力の声援を送りたい。この本気の愛、石垣島に届いてほしい。
…高校野球に絶対なんてない。
八重山商工野球部の素晴らしい練習への姿勢を、野球の神様は必ず見てくれている。
いつか必ず来るチャンスを絶対に掴んでほしい。
そしてそのチャンスを離さないでほしい。
おれは、野球を教えられるわけではない。
直接手助けできるわけでもない。
石垣島に住んでいるわけでもない。
おれには、応援することしかできない。
声を出すことしかできない。
けれど、自分にできることを精一杯やりたい。
自分にできる「応援」を心の底からする。
「八商工」の名を世界中に発信する。
これが、今の自分が八重山商工野球部にできること。
沖縄県立八重山商工高等学校野球部がこの世界に存在する限り、おれは応援することを止めない。
だから、これからもずっとずっと応援していきます。
八重山商工野球部、愛してます。