UXDesign概論セミナーに参加した話

 はじめまして、普段は学生で情報工学を専攻しているあさしぐれ(@asasigure_ice)です。 去年の6月からUXDesignを独学で勉強・実践に取り組んでいます。 今回、名古屋でUXDesignのセミナーがあるということで参加してきました。

当日の会場の様子

 参加者は100人程度で、会場の席はほとんど埋まっていました。 右脇では、meme(@memedsn)さんがグラフィックレコーディングしていました。 話を聞きながらこうやってきれいにまとめられるのすごい!


 今回のUXDesign概論では、千葉工業大学の安藤(@masaya21)先生がいらっしゃってお話していました。 安藤先生は「UXDesignの教科書」の著者であり、セミナー中もちょくちょく本を紹介していました。

  実は、自分はちょうど去年の6月に行われた、学生向けのUXDesignセミナーで安藤先生のお話を聞いて、初めてUXDesignという言葉を知りました。 UXDesignを勉強するきっかけになった人が名古屋にまたいらっしゃるということで今回は参加しました。ちなみに本は購入・完読済みです。

ここからは実際のお話の内容をまとめたものになります。

UXDesignとは

 UXDesignとは、理想のユーザー体験(UX)を目指してデザインしていく取り組みと方法論であると説明していました。ユーザー体験(UX)ってなによって話ですが、UXはユーザーの気持ちや反応です。他の人がある製品を使っているのをみてかっこいいだとか、実際に使ってみて使いやすいだとか、実際に買って長い期間使ってみてよかっただとか。UXは時間によって変化するものです。時間によって、予期的UX、瞬間的UX、累積UX、エピソード的UXに分けられます。

"体験"こそ商品

 現在では多くの製品が体験を売りにしています。
例えばiPodは「ポケットに1000曲を」という体験をコンセプトにしていました。ほかにも家電を販売しているバルミューダでは体験を主体に製品を売り出しています。スチームトースターのページを見てみると、製品そのものよりも、製品によって作られるおいしい食事に焦点が当てられています。

消費のとらえ方の変化

 このような体験を商品として売り出すようになったのは、消費のとらえ方の変化にあるそうです。今までは、モノがユーザーのニーズを充足させ、価値はモノを作った企業が与えるものでした。例えば洗濯機は「洗濯を楽にしたい」というニーズを充足させます。企業は自動で洗濯・脱水してくれる価値を製品を通じてユーザーに与えたのです。しかし、消費のとらえ方が変化した今では、ユーザーの欲求をモノを通じて実現し、ユーザー自身が価値を生み出すかたちに変化しました。先ほどのバルミューダのスチームトースターでは、おいしい料理を作りたいという欲求を、製品を通じてユーザーが実現します。
価値を生み出すのはユーザー自身なのです。企業はこのような、ユーザーが価値を生み出す体験を提供する製品やサービスをつくるのです。


 UXDesignは、このようなユーザーが価値を生み出すような体験を実現・量産できる製品・サービスづくりの仕組みや方法論なのです。

UXをどうやって評価するのか

 UXはユーザーの感じる気持ちや反応だといいました。つまりユーザー一人ひとりがもつものです。一人ひとり気持ちや反応なんで違うのにどうやってデザインするんだということになります。そこで評価方法のひとつでSEPIA応用法というものを紹介していました。


 SEPIA応用法は、ユーザーを自己効力感・製品関与をもとに4つに分類するものです。自己効力感とは、どれくらいモノやサービスが使いこなせるかの自信を指します。例えば、僕はパソコンについてはある程度詳しいと自分で思っています。操作も大体わかってるつもりです。こういう人は自己効力感の高い人です。製品関与とは、製品に対してどれだけ興味・関心があるかを指します。僕は今話題のHuaweiのスマホを利用しています。毎日3,4時間以上利用しています。これはまさしく製品関与が高いといえるでしょう。この自己効力感と製品関与の高低でそれぞれ4つのユーザーに分類できます。

A マニアユーザー: よく知ってるし使っている。
B 期待先行ユーザー: よくわかんないけど興味がある。
C 冷静・合理的ユーザー: 知ってるけどとくに興味がない。
D ミニマム利用ユーザー: 製品に興味がなければ操作する自信もない。

このようにユーザーを分類することで、UXの重要点を見つけやすくします。すべてのユーザーは最初はDに属していたはずです。しかし、何かのきっかけがありBかCに移動し、最終的にAとなるはずです。
この移動したきっかけを探すことで、UXの重要点が見えてくるのです。特にDからB、BからAに移動したユーザーは調査すべきです。なにか期待するきっかけや実際に使ってみるようになったまでの重要なUXをユーザーがもっているのです。
 一方でDからC、CからAになったユーザーへの調査はあまりしないそうです。なぜなら、このユーザーにインタビューをしてもあまり自分自身のことを正直に話してくれないからだそうです。「いいんじゃない、ほかの人にとっては」のような他人目線なものが多く、重要なUXが見つけにくいそうです。

新しい体験を生み出すまでの考え方

 モノを作る人は、こんなふうに使ってほしい、理解してほしいと考えてモノを作ります。ユーザーが、モノを作る人の考えたとおりに使ったり理解するとは限りません。モノを作る人は使っている人にインタビューをすることでお互いのギャップを埋めることができるます。しかし、ユーザー自身の考え方すべてを理解することはできません。あくまでこれは二次的理解までが限界であることを自覚する必要があります。

ユーザーモデリング

 UXDesignでは「ユーザーの主観的体験」をユーザーモデリングを使ってパターン化します。これがUXDesignの大きな特徴です。ユーザーモデリングは3階層に分けられています。価値層と行為層と属性層です。層に分けてそれぞれ分析を行います。

属性層
属性層はユーザーの人物像を表すような層です。ペルソナ法を使って作成するペルソナが属性層の代表的なユーザーモデリング手法です。

行為層
行為層はユーザーと製品の関わり(利用文脈)を明確にします。どのような気持ちで製品とか関わっているのか、時間軸で表すカスタムジャーニーマップなどが行為層の代表的なユーザーモデリング手法です。

価値層
価値層はユーザーが行為に対してどのような価値を感じているかを明確にします。重要なのはユーザーに直接聞いてわかる価値ではなく、そこに潜む潜在的価値です。KA法などを用いて潜在的価値を見つけ出します。

以上の3階層でユーザーを分析し、パターン化します。

UXDesign概論の大まかなお話の内容はこんな感じでした。
詳しい用語の説明や手法の説明ができなかったので、別の機会に記事にしたいと思います。

参加した感想

 去年の学生向けUXDesignセミナーと似た内容でしたが、時間が長かったのでスライド外のお話も聞けました。また、去年から忘れていたことの復習ができたので良かったです。

今後について

 学生の身分ですが、プロダクトを作る際はUXDesignを取り入れています。しかし、学生だからこそ起こる問題や障壁があります。そういった問題も含めて、今回の記事では説明していない用語をバンバン使ってしまっているので、UXDesignついて詳しく記事を書きたいと思いました。
頑張って書くぞー

最後まで読んでくださりありがとうございました。

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