「インプット大全」 朝時雨読書感想記
先日用事があり、名古屋駅周辺に来ていたので、本屋さんに立ち寄って面白そうな本を探していました。そこで「インプット大全」「アウトプット大全」という本が目立つ場所に置かれていたので買ってみました。「インプットが先やろ!」と思って「インプット大全」を買った来たのですがよく見ると出版は「アウトプット大全」のほうが先のようですね。ともあれ「インプット大全」を読んで色々興味深い内容が多かったので感想を交えつつお話したいと思います。
アウトプットの話
まず最初に、インプットはアウトプットを行うことが大事です的なことが書かれていました。学生エンジニアである僕自身も、Twitterや実際に会うエンジニアの方に、ブログを書くなどのアウトプットは大事だと何回か言われていました。そう言われつつも僕自身のインプットとアウトプットの比率は9:1ぐらいであまりアウトプットできていませんでした。なかなか難しいんですよね、こうやって文字で人に伝えるのって。本著ではコロンビア大学の実験を取り上げて、インプットとアウトプットの比率は7:3が良いと書かれていました。そしてこの次の話では、インプットとアウトプットとは何なのかについて言及しています。
インプットの基本法則
今の時代は情報過多です。触れる情報はとても多い。そういった時代では、自分にとって不要な情報を捨てることが大事です。本当のインプットとは他人に説明可能なものであり、説明できないものは頭の中をただ素通りしてすり抜けてしまいます。
筆者はインプットをするときに、アウトプットを決めておくと効果的だと言っています。例えばセミナーを受けることがあった際、事前にブログに書こうと思っていたらどうでしょう。普段より集中したり、重要なところはメモをとるでしょう。アウトプットを決めておくだけでインプットの質が向上するのです。自分自身も、とある会社のインターンでその日の振り返りブログを書いてねと言われたときは、写真をとったり、印象に残ったことは欠かさずメモを取っていました。アウトプットを決めておくことで習慣を変えられそうだなと感じました。
感情を刺激するものは記憶に定着するという話では、音楽を聞きながら作業をするときの効率の話がありました。テンポの速い曲を聞くと、テンションが上がり、ドーパミンが体内に生成されます。感情を刺激され、そのときに起こった出来事はよく記憶に残りそうです。しかし、音楽を聞きながらの作業は、聴覚という大きなインプット要素を失ってしまいます。結果として、集中できている感じはするけど、客観的に見ると作業がそんなに進んでいないことが起こります。単純作業であれば音楽を聞きながらで問題ないでしょうが、勉強ではかえって効率が悪くなりそうです。筆者は、作業の前に音楽を聞くと良いと語っています。
また、どういったことをインプットするかは、ある程度絞ったほうが良いということでした。人間そんなにいっぺんにインプットしようとしてもできません。興味関心があることを3つ程度決めて、アンテナを立てておこうとこの本では書かれています。
記憶に残る本の読み方
何かを学ぶ際、本は費用対効果が非常に高いです。
インターネット上でも、質の高い情報はありますが、ほとんど多くは質の悪い情報で氾濫が起きています。ある程度名のしれた専門家の本や、読書家がすすめる本を読むことによって高い確率で質の高い情報を得られます。
最近では、「速読」なるものが注目されています。より多くの本を読むことが良いとされているのです。しかし、速読は、本の内容が頭から通り抜ける、アウトプットすることのできない無駄な読み方に陥りやすいです。最初は1ヶ月に3冊程度に絞り込み、しっかりと内容を読み解くことが大事です。
僕自身は最近本を読んでいなかったので、1週間で1冊程度に抑えています。その代わり、気になったところやわからないところはすぐにメモを取り、その場でまとめたり調べたりしています。
学びの理解が深まる話の聞き方
本を読んだ後は、セミナーなどのイベントへの参加を、筆者は勧めています。セミナーでは、言語情報以外の情報がインプットされます。非言語情報も含まれたインプットを行うとさらに記憶が定着するそうです。また、アウトプットを決めておくという点で、質問を前提に話を聞くと、集中して話の要点をつかみやすくなるそうです。
話を聞く態度も重要で(1対1のとき)、話を引き出すためのテクニックが紹介されていました。詳しくは書きませんが、共感と肯定が話を引き出すコツだそうです。
最高の学び方
1対1で学べること以上に素晴らしいことはありません。しかし、この学びの状況を作るためには、会う前に最低限は調べる・熱心であると示す・感謝を示すことが不可欠です。また、自分だけが享受するのではなく、相手に価値を提供することも非常に大事です。私自身こういった状況になったことがないので、相手にとって自分が価値ある人間だと思ってもらうことは難題だなと感じました。
読んでみて
最近は、何か本を読んだり、セミナーに行くとき、プログラミングをしているときに、目標やアウトプットを意識するようになりました。必ず、紙に書いたりまとめたりするようになりました。そうすることで、自分がこれだけのことを今日はやったんだということが具体化され、モチベーションの上昇にもつながりました。
みなさんも、何かインプットをするときは、予めアウトプットを決めてみませんか。