ぼくとUXデザインの出会い
僕はあさしぐれ(@asasigure_ice)といいます。
豊田高専で情報工学を学んでいます。
UXデザインのことを、情報工学の学生目線から話してみたいなーと思っていました。しかし、よくよく考えると、なぜ情報工学を学んでいる高専生の僕が、UXデザインに興味を持って学んでいるのかと思いました。UXデザインに出会ったときのことを思い出したので、ここに書き留めてしまおうと思います。(注:UXデザインについての説明は皆無です)
高専プログラミングコンテストへの参加
僕は4年生(大学1年相当)のときに、高専プログラミングコンテスト(以下高専プロコン)に出場しました。このコンテストには、「地域活性化」をテーマとして、課題を解決するものをつくる課題部門があります。僕はこの課題部門に出場しました。
当事者に話を聞きに行く
僕は「地域活性化」の中でも、とくに「町内会」に目を向けました。僕の地域の町内会では、回覧板を回すことが高齢者の負担になっており、町内会を抜けてしまうことがありました。そういった自分の身近な問題を解決しようと思ったのがスタートでした。
しかし、自分の今もっている町内会への知識だけでは、たとえ何かものを作ったとしても、実際に町内会の人に使ってもらえるかはわかりませんでした。僕が満足するようなものを作っても、僕は当事者ではありません。本当にニーズがあるのかもわかりませんし、もっと何か根本的な問題があるのかもしれません。そこで、僕は町内会の人と区役所の人へインタビューしにいったのでした。
僕が今考えている町内会における課題を伝え、意見や他に思うことがないかを聞いてみると、町内会への加入率の低下、子どもたちと地域の人とのコミュニケーションの低下、回覧板の伝達速度の遅さなど、様々な課題が見えてきました。自分で考えただけではわからなかったことをたくさん知り、当事者に聞きに行くことの大切さを実感しました。
ユーザー目線と改善の繰り返し
僕は4人のメンバーとともに、町内会向けWebアプリケーション「LocalConnect」の開発を進めました。フロントエンドを担当してくれた後輩は非常に優秀でした。すぐに形になるものをつくってくれました。ある程度形になったら、メンバー全員でUIのレビューをしました。ターゲットが高齢者であることも踏まえ、色や文字の大きさなどを中心に改善しました。
その後、町内会の方の集会にお邪魔して、実際に制作物を触ってもらいました。そこではSPAにしたときに、前のページに戻れなくなっていた問題など、自分たちでは気づかなかった問題が見えてきました。それらを修正し、コンテスト本番を迎えました。
大会では、当事者の方と協力し、改善を繰り返して開発を進めていたことが評価され、特別賞を頂きました。
UXデザインとの出会い
UXデザインとの出会いは、当事者に話を聞きに行って少ししたときのことでした。東海の学生エンジニア/デザイナーのコミュニティ、OthloTechが催した「UXデザイン講座第2回」に参加したのです。1回目は存在を知る前に終わっていました。とりあえず行ってみるかといった気分でしたが、この講座が僕に大きな衝撃を与えてくれました。
講師は千葉工業大学の安藤先生という方でした。
安藤先生が語る、UXデザインについての話では、ものづくりに対するユーザーの大切さなど、僕自身が漠然と考えていたことがしっかりと言語化され、体系化されていました。さらには、開発を進めていくことで起こりうる問題や、なぜユーザーに使ってもらえない製品ができてしまうのかということを話していました。
見事にUXデザインに興味を持った僕は、すぐに安藤先生の著書である「UXデザインの教科書」を購入しました。いきなり読むには難しい本でしたが、自分の体験と重ね合わせたりしながら、どうやったら実践できるだろうかと思慮にふけっていました。
UXデザインに出会い、僕はユーザーのことを考える以外に、チームでの共通理解をどう形成していくのかを考えたりするようになり、結果として、チームで上手く開発をすすめるための方法や考え方を学ぶようになりました。
UXデザインをきっかけに得た知識や体験は、僕にとっての大きな武器になり、会社の面接では話すことに困りませんでした。面接を受けた会社には内定をいただき、無事に進路が決まりました。
UXデザインと出会い、僕の進路は大きく変わったのだと思います。
ありがとうUXデザイン、これからもよろしくお願いします。