前半戦を振り返ろう
皆さんこんにちは、鯏(あさり®)です。
暑い日が続きますね。冷やし中華・そうめん・ざる蕎麦が美味い季節です。
早いもので2022年も半年が過ぎ、7月も終わろうとしています。プロ野球も各球団90試合前後が消化され、オールスターブレイクを挟み、いよいよ後半戦に突入するということで、今回は前半戦を簡単に振り返っていこうと思います。
1 チーム成績
まずはチーム成績です。
94試合 46勝46敗2分 勝率.500 順位2位
[投手成績](丸数字はリーグ順位)
防御率2.57① 失点264① 与四球184①
奪三振672② 被本塁打52①
[野手成績](丸数字はリーグ順位)
打率.239⑥ 得点320④ 本塁打59④ 盗塁71① 失策53④
四球227③ 出塁率.294⑥ 長打率.337⑥ OPS.631⑥
開幕戦の大逆転負け、そこから始まる開幕9連敗、何とか1勝するも負の連鎖は止まらず、1勝15敗1分でプロ野球史上最低勝率となる勝率.063を記録し、一時は最大16の負け越しを抱えた阪神タイガース。まさに地獄ともいえる3月4月を過ごしました。どん底は脱したかと思われた5月は、投手陣が奮闘し月間防御率1点台を記録するも、野手陣の状態が上向かず得点力不足に悩まされ、月間防御率1点台で月間負け越しという屈辱も味わいました。
しかし、自慢の投手力を武器に交流戦で12勝6敗、12球団中2位の成績を残すと、徐々に調子を上げてきた野手陣とともに6月は14勝8敗1分と6つの勝ち越し、7月もここまで12勝5敗と7つの勝ち越しを記録し、なんとオールスター前に借金を完済するという見事なⅤ字回復を果たしました。
このⅤ字回復の原動力は何といっても投手陣でしょう。上記にも記した通り、チーム防御率は2.57でリーグトップ、2位ヤクルトのチーム防御率が3.34ということを考えると異次元の数字です。失点数もリーグで唯一200点台に抑えており、後半戦もこの投手陣を武器にしていきたいところです。
一方で野手成績はというとカスみたいな成績なかなか厳しいものがあります。盗塁の1位以外は軒並みリーグ下位、中でも打率・出塁率・長打率・OPSはリーグ最下位と寂しいものになっています。投手陣が頑張ってくれていますが、疲れもたまってくる時期なのに加え、夏の暑さがさらにダメージを与えてきそうなので、野手陣が打ちまくって投手をラクにさせる試合を少しでも増やしてほしいところです。
次の項からは個人成績を見ていこうと思います。
2 投手
先発
まずは先発です。エース青柳を中心に、西勇輝、伊藤将司、ガンケル、ウィルカーソンの5人が安定してローテを回しました。
まず何といっても青柳でしょう。開幕直前の新型コロナウイルス感染により3週間ほど離脱するも、合流後は大車輪の活躍。11勝1敗と1人で10の貯金を作りました。間違いなく前半戦MVPの1人です。
伊藤将司も4月に新型コロナウイルス感染による離脱がありましたが、安定した成績を残し、特に甲子園では7登板して3完投(内2完封)6勝0敗 防御率0.95と無類の安定感を誇りました。規定未達ながら防御率1点台で7勝をあげ借金完済に大きく貢献しました。
西勇輝は離脱することなくローテを回してくれました。青柳不在期間はエースとも呼べる働きをし、今シーズンのチーム初勝利を完封で飾ったのは多くの阪神ファンの印象に残っていることだと思います。なかなか援護に恵まれず勝ち数が伸びていませんが、後半戦も粘りのピッチングを期待したいところです。
ガンケルとウィルカーソンの助っ人コンビも安定してローテを回し、特にウィルカーソンは5月の月間MVPを獲得する大活躍。最近は少しお疲れ気味みたいですが、オールスターブレイクをまた良いリフレッシュ期間にしてほしいです。
安定してローテを回した5人以外では、西純矢が6枚目として5,6月に躍動しました。特に5月はプロ初完投に初ホームランも打つなど、阪神ファンに大きなインパクトを与えました。今は再調整のため抹消中ですが、近いうちにまた1軍で投打に躍動してくれることでしょう。
他にもTJ手術からの復活勝利を挙げた才木や藤浪、桐敷、2軍で好成績を残す村上に、先日復帰登板を果たした小川らが控える先発陣は12球団イチの分厚さを誇るといっても過言ではなさそうです。
リリーフ
次はリリーフ陣です。昨年は整備に苦しんだリリーフ陣。そこから絶対的クローザーであったスアレスが抜け、不安視されていた面が開幕当初は的中、開幕戦の逆転負けや広島でのサヨナラ負け、伊藤将司が完封寸前で追いつかれたのち延長の末敗れた試合など、リリーフの不安が露呈した試合がいくつかありました。しかし、試合を重ねていくうちにリリーフ防御率2.43を誇る鉄壁のリリーフ陣が整備されていました。この辺の整備力はやはり流石の阪神タイガースだと思います。(去年やれよとか言わない)
リリーフ陣を語るうえで外せないのはやはり湯浅でしょう。私自身も期待していた選手の1人でしたが、ここまで跳ねるとは正直予想外でした。7回を務める予定が、新外国人ケラーの不調もあり代役クローザーに指名(登板機会はありませんでした)され、岩崎がクローザーになってからは8回の男に定着。MAX154キロのストレートと切れ味鋭いフォークを武器に、ここまでリーグトップの27ホールドを記録、ブルペンに欠かせない存在となりました。
湯浅と同様に跳ねたのが6年目の浜地真澄。キレの良いストレートに加え、鋭いカットボールに落差のあるパームボールなどを抜群のコマンドで操り、30試合に登板し防御率1.27を記録。湯浅同様、ここまでの活躍を予想できた阪神ファンは少ないのではないでしょうか。アルカンタラの不調から勝ちパターンを任せられることも増えた””鮮度の良い男””に、後半戦も期待がかかります。 前述の若手リリーバー以外にも、リリーフ陣のまとめ役も務めるクローザー岩崎や昨年の不調から復活しつつある岩貞、加治屋と渡邉のソフトバンク出向組ソフトバンク出身コンビに、開幕直後とは別人のような姿になったケラーと圧倒的な質と量を誇る阪神タイガースのリリーフ陣。このメンバー以外にもアルカンタラや石井大智が控え、2軍でも馬場や新人の岡留、TJ手術から復帰した島本に先日支配下登録された岩田将貴らが虎視眈々と昇格を狙っています。後半戦もリリーフ陣が阪神タイガースのストロングポイントとなるはずです。
3 野手
捕手
ここからは野手です。まずは捕手陣です。
やはり何といっても梅野でしょう。昨年は不調でしたが、今年はやってくれるはずと多くの阪神ファンが思っていたと思います。しかし打率は.200を切り、出塁率・長打率ともにセリーグの捕手平均に及ばないという、なんとも受け入れ難い現状となっています。キャンプ中に右肩の違和感を抱え、開幕後も右脇腹の筋挫傷を発症するなど、決して万全な状態ではないのかもしれませんが、どうにか状態をあげてほしいところです。
梅野の状態が万全でないことから起用が増えているのが、キャプテンも務める坂本誠志郎。今シーズンのチーム初勝利を完封であげた西勇輝をはじめ投手陣を好リードで引っ張りますが、やはりこちらも打撃成績が寂しいものになっています。
原口が野手専念ということで空席となった第3捕手には長坂拳弥が入りました。梅野の離脱中などに存在感を見せ、一時は外国人専属捕手のような起用もされましたが、ベンチの野手との兼ね合いなどで2軍降格することもあり、完全定着とは至っていません。
育成出身の片山雄哉は、梅野の離脱もあり4年目にして初の1軍昇格を掴みましたが、わずか2試合の出場に留まり、梅野の復帰と同時に再び2軍降格となってしまいました。
2軍では榮枝、藤田、中川が鎬を削りあっており、「経験」という面を抜きにすれば1軍メンバーもうかうかしていられない状況にあると思います。
内野手
続いて内野手です。内野手での1番の誤算はやはりマルテでしょう。昨年チームを引っ張り、ベストナインも獲得した助っ人野手が故障で4月早々に離脱。打順に守備に大幅な変更を余儀なくされました。それからも復帰と離脱を繰り返してしまい、7/27現在は2軍での復帰すらメドが立っていないようです。
そしてもう1人の誤算が糸原健斗。開幕戦の5番抜擢に始まり、起用法で色々と物議を醸した糸原ですが、本人の調子も中々上がらず、5,6月は少し盛り返すも、打率.249 出塁率.302 OPS.605と、これまでの糸原からするとかなり寂しい成績となっています。ここ数年は何かしらの故障を抱えてきた糸原なので、オールスターブレイクを良いリフレッシュにあてて、どうにか復調してほしいところです。
苦しむ内野手陣の中で気を吐いたのが、大山悠輔と佐藤輝明です。特に大山は4月の終わりに左膝を痛めた影響からか、5月は月間打率1割台と苦しみましたが、6月は10本塁打29打点の大暴れ。交流戦では本塁打と打点の2冠に輝いた虎の主砲が調子のあがらない打線を牽引し、前半戦で20本のアーチをかけました。今年こそ30本の大台をクリアしてほしいですね。佐藤輝明は開幕から良くも悪くも安定した成績を残しています。昨年の同時期と比べると三振の数を121個→87個と大幅に減らし、一方で四球は16個→31個と増やしており、明らかな成長が見えます。本塁打が減っていることを気に掛けるファンも見受けられますが、個人的にはそんなに心配することでもないかなと思います。ライトとサードの2つのポジションをこなしつつ、阪神の4番という外野のうるさいクソめんどくさい役目を重圧のかかる役目をよく果たしていると思います。
そして、もう1人忘れてはならないのが中野拓夢です。秋季キャンプで痛めた足の状態が良くなく、オープン戦終盤まで1軍復帰が遅れましたが開幕してから打ちまくり、打率は2割後半をキープ。出塁率などもセリーグの遊撃手平均は大きく上回っており、守備貢献も含めると替えが効かない選手といえるでしょう。
大山佐藤中野のコア3人に加え、このところ良い働きを見せている山本や新加入のアデルリン・ロドリゲス、北條に木浪に2軍で好成績を残す小幡など控えメンバーのさらなる奮起にも期待したいところです。
外野手
最後は外野手です。何といっても近本でしょう。今年も安定のレジギガスタイムがありましたが、5月に入ってから打ち始め、6月には月間打率.366を記録。5/28~7/6にかけてはプロ野球歴代5位タイとなる30試合連続安打を記録し、大山佐藤中野とともにチームを牽引しました。長打が少し減っている部分が心配されていますが、出来る男近本光司ならやってくれるはずです。
この近本に続く外野手がいないのが厳しい外野手事情を表しているといえます。開幕当初の3,4月はベテランの糸井が奮闘してくれましたが、出続けるのはしんどかったのか5月に入って息切れ、7月は出場わずか2打席のみということで、リフレッシュもかねて1軍登録を抹消をされました。後半戦はまた万全の状態にして帰ってきてほしいです。
糸井に代わり出場機会を増やしたのが島田です。オープン戦好調だったものの、開幕直前に新型コロナウイルスに感染してしまい無念の離脱。4/9に昇格するとそれからは1軍に定着し、スタメン出場の機会も増えていますが、出塁率・長打率ともに.300を切っているのはレギュラーというには少々厳しいものがあります。昨年の2軍では出塁率・長打率ともに.400を超え、OPSも.900超えを記録した実績があるので、いまの単打狙いのフォルムには収まらないでほしいです。
上記の2人以外だと、髙山とロハスが多く起用されましたが、2人ともスタメン定着に至るほどの成績を残せず、髙山は2軍再調整中に膝のお皿を骨折してしまい長期離脱、ロハスはベンチを温める日々が続いています。2軍からの起爆剤になり得そうなのも、1軍対応に苦しむ小野寺と高卒3年目の井上広大くらいというのが非常に寂しいです。
4 終わりに
もっと簡潔にまとめるつもりが意外と長くなってしまいました。いざ成績をまとめてみると、やはり投手陣の異様さが際立ちました。反対に野手陣はもうちょっと頑張ってほしいなあという成績が並んでおり、矢野監督のいう””ドラマ””を起こすためには野手陣の奮起が欠かせないと思うので、大山佐藤中野近本のコア4人以外の野手陣にはぜひ頑張ってほしいです。
オールスターも終わり、やいのやいの言いながら阪神を応援するのも残り49試合となりました。CSに進出し、阪神を応援できる試合数が少しでも増えるよう願って、残りのシーズンを楽しみましょう!
5 参考webサイト
・スポーツナビ https://baseball.yahoo.co.jp/npb/
・1.02 Essence of Baseball DELTA Inc https://1point02.jp/op/index.aspx
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