見出し画像

手を振ってくれてありがとう

・2024年11月28日
・日本武道館
・ ANGERME 10th ANNIVERSARY TOUR 2024 AUTUMN『ROOTS』
  川村文乃 FINAL ☆KIRAKIRA☆

川村文乃さんがアンジュルムを卒業し、アイドルと芸能活動から引退されました。まだ呆然としているような、あまりに完璧な幕引きに納得しているような、だけどやっぱりまだ心の中は散らかっています。
時間が過ぎるのを待てば徐々に片付けられるのでしょうが、今感じているあれこれが薄まってしまう前に綴ることにしました。ただのひとり言です。どうかゆるく読み流してください。


⭐川村文乃さんの印象⭐

初めての武道館は2022年 アンジュルムの「PERFECTION」だった。
九段下で降りて、人の流れにまかせて歩いて、大きな玉ねぎを見た時に「武道館だ…」と感動した。
「PERFECTION」はセンターステージで360°観客席の構成。私は北西スタンドにいて「斜め後ろから見るのか、でも近い!!」ってドキドキしてた。
しかし、いざライブが始まると、アンジュルムは曲ごとに東西南北それぞれを真正面にしてパフォーマンスをした。初めてのアンジュルム武道館だったけれど、これがいかに特別で難易度が高いのかわかる。アンジュルムのパフォーマンスをあらゆる角度から堪能できて、とにかく「見たい」私にとっては大満足なライブだった。今でも好きなライブのうちの1つに入る。

私はパフォーマンスを見たいタイプなので、ファンサはあまり期待していない。だからこの時もセンターステージから各方角へ伸びる花道へ来るメンバーに興奮しながらペンラを振りつつも、彼女達が笑顔で客席へ手を振っているのを見ていた。
何の曲だったかは忘れた。メンバーがそれぞれの花道やセンターに分かれて、客席にアピールしている時だった。川村文乃さんが明らかにこちらを向いて手を振っていた。私だけを見ていたとは言わないが、私の周辺へ向かって、長い手足をめいっぱい伸ばして、「見えてるよ!」「私のことも見える?」と聞こえそうな笑顔で手を振っていた。
お人形さんかアニメのキャラクターのようなスタイルで、さらに大きく見えるように身を乗り出して、「あなた!!」って念が飛んできそうなキラキラな笑顔。
私の川村文乃さんの視覚イメージは、この日の「大きく伸びあがって手を振る姿」になった。


⭐KIRAKIRA⭐

「PERFECTION」から2年後の2024年秋ツアーラスト「ANGERME 10th ANNIVERSARY TOUR 2024 AUTUMN『ROOTS』川村文乃 FINAL ☆KIRAKIRA☆」
座席は、メインステージはほぼ正面から、センターステージは斜め前から見られる位置で、かなり時間に余裕を持って着席した。というのもバタバタしていて、何の心づもりも整理もできずに武道館まで来てしまったので。
今日を最後にしてかむちゃんはアイドルも芸能活動も引退してしまう。「次」はないのだ。少しでも多く、1秒でも長く、見届け受け止めたかった。

ライブのセトリなど、詳しいことは今回は省略。
最初から意外性のあるセトリで、アンジュルのROOTSを感じられ、今のアンジュルムを魅せるにはこれしかないだろう!!ってセトリ。
かむちゃんの意向がかなり盛り込まれているのだとしたら、あまりにも惜しまれる。「最後になんてものを見せてくれるんだよ!!」と何度も心の中で叫んだ。これからも見たいよ!!!もっともっと見たいよ!!

かむちゃんのやりたいことを詰め込んだライブは、かむちゃんもアンジュルムもキラキラと輝き、燃えていた。いや、かむちゃんはキラキラとまばゆくて、他のメンバー達がギラギラと燃えていたようにも思う。かむちゃんのラストライブを、アイドルとしての最後を、永遠となるアイドル川村文乃を最高に輝かせよう、そのためには自分も全力でなければ!! そんな気持ちが歌声や表情、ダンスから伝わってきた。

最初のブロックでこんなに命を燃やすようなパフォーマンスをされて、心が動かないはずがない。
メンバーが変わってもアンジュルムはアンジュルム。いつだって今のアンジュルムが最高。
今まで何度も目の当たりにしてきた真実が、新たな真実として目の前にあった。

「愛のため今日まで進化してきた人間 愛のためすべて退化してきた人間」「アイノケダモノ」「次々続々」
リリース時とは違うメンバー構成であるがゆえに、オリジナルの上に新たな色を息吹を積み重ねたパフォーマンスにゾクゾクした。
特に「次々続々」の覇気。
去年のCDJで見た時も「次々続々が進化した」と感じたけれど、さらに越えていた。全員がかむちゃんを想うパワーと今のアンジュルムの最高を届けるという意識のビックバンだったのかもしれない。

とにかくすごかった。MCに入る前のわずかな合間で思わず隣のフォロワーさんと「もう泣いてます」「次々続々がすごかった…」と言い合ったほど。だからこれは私だけではなく、少なくとも二人には確実に届いていた。それが確認できて、そのことにも感動していた。


⭐歌声が好き⭐

推しの竹内朱莉さんがアンジュルムに在籍していた頃、ライブ中の視覚はほぼ全て竹内さんに捧げていた。そんな風に視界と意識を竹内さんにロックオンしている時に「あ、いい歌声!」って聴覚を奪っていくのがかむちゃんの歌声だった。

マグロ1級解体師の資格を取得してからの歌声の進化はめざましく、かわいい声なのに太く強い表現に磨きがかかっていくのは聴いていて楽しかった。
それによって、時に言動が荒ぶったり業が深そうなご本人の気質が歌声に乗って、より表現が深くなっていたとも思う。
「愛・魔性」の女の業、「泳げないMermaid」の情感、「アイノケダモノ」の本能的な荒々しさはかむちゃんならでは。とてもとても好きでした。


⭐永遠となるアイドル⭐

ソロは何を歌うのかな。
全く予想もせず、アンコールで「あ~や~の!」ってコールをしていた。そうして登場したドレス姿は夢のようにかわいくてキラキラで、どこまでも突き詰めてこだわり抜いて完璧に終わらせるんだと、美しい光景に感動する心とあと少しで永遠になってしまうという寂しさでぐちゃぐちゃになっていた。
ふわふわが重なった花のようなミニスカート、宝石や星屑を散りばめたようなキラキラなビジュ―、そして川村文乃さんのためだけに作られたのだとわかる、かむちゃんに、かむちゃんが理想とするアイドルにぴったりなドレスだった。
見てよ、これ。全身バランスが完璧なのよ…

お手振りで、手のひらを大きく開くから長い指が反っているのも好き。

この写真も好き。これ、絶対私のことを見てる。(違う)
こうやって「あなた!!」って手を振ってくれる。

上 の写真達は ↓のInstagramから。(ヘッダーにも使用しています)
どの写真も素晴らしいので絶対見るように。♡もつけてくるように。

ソロ曲は「夢見た15年」
歌い出しがとてもかわいい声で、あぁアイドルだぁ…と聞き始めたけど、とんでもなかった。歌う歌詞がことごとく胸に突き刺さる。文脈がぶわ~っと連なり築かれていく。楽曲に新たな意味が重なって、新しい物語が生まれていく瞬間を見ていた。かむちゃんの曲だった。
「もう行かなくちゃ 時間だわ」
寂しさをキラキラで覆い隠して、笑顔で手を振りながら歌う。「行かないで」とは言えなかった。だって、最後までこんなに完璧な姿を見せてくれる人に、そうして美しく閉じて終わらせようとしている人に、ただの自分のわがままで「まだいてください」って駄々をこねるような言葉を口にはできなかった。
入念に準備されてきた。かむちゃんが卒業へ向けて散りばめてきた様々な言動が、私に有無を言わせない。川村文乃のアイドルとしての物語は、川村文乃が終わらせるのだ。私は彼女が放つ輝きとアイドルとして生きる時間を受け止め見守り、さよならとありがとうを返すことしかできない。
泣いた。ひたすら泣いた。美しくて、寂しくて。

手紙のない、挨拶のことば。
武道館中が固唾を飲んで、かむちゃんに集中してかむちゃんの言葉を待つ。かむちゃんがかむちゃん推しのファン以外とも築いてきた信頼が敬愛となって、彼女が整えていく最後を見守っていた。そう、川村文乃さんはどのファンからも信頼されるアイドルだった。


⭐手を振ってくれて、ありがとう⭐

ダブルアンコールで再びステージへ登場。隅から隅まで歩いて手を振っている姿を目に焼き付けた。慈しむように愛おしそうに客席を眺め、身をかがめ、見上げて、手を振っていく。

ステージの真ん中に立つと、会場中が察して静寂を作る。
口元に手を添えて、マイクを通さず生声で「バイバイ!!!」
バイバイか…と、しんみりし始めたところでスモークが彼女を取り囲んだ。瞬間的に察する。今ここで、永遠になるのだ。
キラキラの煌めきの中にかむちゃんは消えた。無となったステージが明るくなり客電が点く。なんて容赦ない。アイドル川村文乃は Permanent Girl となった。


川村文乃さんへ
とても素敵なアイドルでした。たくさんの思い出をありがとう。
目指したものへ努力と誠意で辿り着き、創り上げることができる人だと実績が証明しています。これからもやりたいことに突き進んでください。
あなたのこれから歩く道の先がまっキラでありますように。
あなたが刻み付けていった様々なことに触れるたび、あなたを想い、あなたの幸せを祈っています。

あたたかな愛を、優しさをありがとう。手を振ってくれてありがとう。たくさんたくさん手を振ってくれてありがとう。


いいなと思ったら応援しよう!