人生のモブキャラ
夢なのか妄想なのかよくわからない人生がたまに出てくる。
時には僕は大学生になっていて、単位が足りないとぼやき特に気の知れた友達にも巡り会わずもがく人生。
実際の僕は大学に行っていない。
時には僕は唯一働いていた会社員を辞めたあと、その会社にバイトとして戻り学業と両立しながら必死な人生。
実際の僕は会社員を辞めてから学業にも会社に戻ってバイトもしてない。
時には僕は実家に戻り、特に何もせずたまに東京から友達が来てお酒を飲んで「そろそろ働かないとなぁ」なんて思ってない事を言う人生。
実際の僕は実家に戻ろうとは思っていない。
夢で見ているにしてはあまりに何度も見ているし、しかもその僕と違う人生もどんどん物語は進んでいっている。
実際の僕はどの人生なんだろう。
なんて思っているけど、「とらんぽりん」という店を開く時にこれが僕の人生だ、なんて思えるから助かる。
自分だけでもこんなに(妄想か想像か夢の中の)人生があるのだから
色んな人にもいろんな人生があるのかななんて思ったりもする。
たとえば駅のホームで自分がぼーっとしてぶつかってしまったあの女性にとって僕はとても邪魔な奴と思われるんだろうなとか、
飲み屋で会ったけど話もしなかったあの人にとって僕は、タイプでもない人がこの店来るんだなぁとか、
誰かの人生できっと僕はモブキャラなんだろう。
そんなことに囚われてるわけではないけど、
そんなことが気になる日はきっと風邪をひいている。心の。
そして今年は、自分は誰かにとってのモブキャラと思わずに済んだ年だったような気がする。
ちゃんと自分の人生を生きれたのかも。良かった。