ポーリン中学校に新校舎寄贈を決定
シェムリアップから現地に慣れている通訳さんでさえ車酔いするほどのデコボコ道を走って 3時間。やっとたどりついたポーリン小学校の敷地内にポーリン中学校がありました。
今回、この中学校に3教室を備える新校舎寄贈を決定しましたのでご報告致します。
この中学校は、去年開校したばかりの学校です。それまでの進学先だった中学校はあまりにも遠く、途中退学者が大勢(昨年 37 名中 14 名中退)出ていました。「中学開校」は村の念願であり、やっと果たすことができたとのこと。しかし、訪れてみると小学校の一部屋を間借りして授業をおこなっている状況。このまま「間借り」状態が続くと来年進学する教室がないという状況でした。
カンボジアが直面している課題の一つは「高等教育を受けた人材の育成」です。それでなくても都心部の経済発展から取り残されている最貧困地域において、中学や高校への進学を「学校がない」という事で諦めさせてはいけない…。そのような思いから、ポーリン中学校への校舎寄贈を決定しました。新学期スタートの 11 月に間に合わせたいと、工事は急ピッチで進んでいます。
※2019年11月に無事寄贈致しました
難しかった「寄贈先決定」
寄贈先を決定したポーリン中学校以外にも小学校3校を視察しました。訪れたどの学校も教室数が足りずにボロボロの校舎で授業を行っていました。そのうち一校は職員室さえなく、校舎の必要性が一番高いと感じ、話を細かく聞いていくうちに、学校の敷地が狭く新校舎を建ててしまうと校庭が無くなってしまう事に気づきました
私たちの活動は校舎を建てることだけが目的ではありません。校舎(ハード)を優先するばかりで、友達と走り回れる環境(ソフト)を子どもたちから取り上げることはできませんでした。
これで諦めることはなく『建築場所が確保できればASAPは応援するので、市内のお金持ちが所有している「隣地」を少しでも譲ってもらう交渉をした方が良い』と学校に伝えました。隣地の地主がカンボジアの未来を考え、協力してくれることを期待しています。
校舎寄贈はこのようにいくつも視察を重ねた上で決定しています。どの学校も厳しい環境下にあり、その決定を下すことは大変難しく感じています。
当団体会報「カンボジア通信vol.24」より