ニューヨーク州司法試験 (NY Bar Exam) ― UBEのApplication
ロースクールの卒業が近づく4月、ニューヨーク州司法試験 (NY Bar Exam) のApplicationが(正確には、UBE: Uniform Bar ExaminationのApplicationが)スタートします。やってみると全然難しくないのですが、僕はやってみるまで何をすればよいのか結構不安だったので、やったことを書き記しておきます。
なお、NY Bar(そういえば、司法試験はBar examっていうハズですけど、なんか慣例的にbarって言うと司法試験のことを指すことが多いですね)の中身の勉強については、とある弁護士先生の記事があるので僕はあんまり屋上屋を架すこともないかなと思ってます。あと、この記事ではUBEについてだけ書いてます。MPREとか、NYLEとか、他のBar admission要件についてはまた別の機会に。
僕も(一人称が私になったり僕になったり安定しませんが)受験体験記を書きました。
渡米前に終わらせておくこと
1.BOLEとNCBEのアカウントを作成しておく
すでに僕の記事で触れていますが、渡米前にNY BOLEとNCBEでアカウントを作成しておきます。
BOLEアカウントというのは、NY州司法試験委員会 (NY BOLE: New York State Board Of Law Examiners) のアカウントのことで、UBE (司法試験本丸みたいなもの) のapplicationもこのアカウントから行うことになります。NCBEアカウント (NCBE: National Conference of Bar Examiners) は、MPRE (弁護士倫理の選択式試験) の際に使うことになるアカウントです。
このアカウントを2つ作る過程で、"NCBE ID" (Nから始まる番号) と、"BOLE ID" (Bから始まる番号) の2つのIDを手に入れることになると思いますので、大切に保管しておきましょう。特にBOLE IDは、NY BOLEへの問い合わせの際に、個人を識別する番号として使うことになります。
これらのアカウントでは、Account Profile情報を記入することが求められますが (Photo IDのアップロードなども求められます) 、基本的にはいつでも変更可能なので、アメリカ住所等ない人は、ひとまず日本の情報でよいと思います。ただし、メールアドレスは非常に重要なのでそれだけはつながるものをしっかり使いましょう。
2.Foreign Legal EducationのEvaluation Requestと、各書類の郵送を済ませておく
こちらも僕の記事で触れたことですが、渡米前に、NY BOLEにEvaluation Requestを行った上で、日本の大学学部・(ロースクール・)司法研修所のtranscriptと、弁護士会の弁護士登録証明書を郵送しておく必要があります。
まず、NY BOLEの"Foreign Legal Education"というタブの"Online Foreign Evaluation"から、evaluation requestを行います。ちゃんとできれば、administration@nybarexam.orgというアドレスから、"Request for Evaluation of Foreign Academic Credentials Form"というメールが届くはずです (PDFの説明書が添付されています) 。内容は、"This will confirm the Board's receipt of your Request for Evaluation of Foreign Academic Credentials Form…"というもの。その後、必要書類を各所から取り寄せて郵送することになります。その際は、BOLE ID (を書いた紙) を同封することを忘れずに。
そして、ちゃんと書類が到着し、審査が行われた場合、同じアドレスから、"LLM PROGRAM & PRELIMINARY EVALUATION DETERMINATION"と言うメールが届くはずです。内容は、レビューが完了したというお知らせに続き、"Your foreign credentials including your foreign law school transcript has been approved by the Board. However, …"というものです。Howeverにビビりますが、これは、「米国外での法教育の要件としてはOKだけど、米国内のABA認可ロースクールでLL.M.を取得するまでは受験資格の最終決定はできない」という内容であり、特に心配する必要はありません (当然と言えば当然) 。ちなみに、僕は5月に郵送し、8月にapprovalのメールが来ました。
渡米後ロー卒業前にやること
3.UBEのApplication
UBEとは、短答試験 (MBE)+通常の論文試験 (MEE)+アドリブ論文試験 (MPT)で構成される、要は司法試験のことです。ニューヨーク州はUBEを採用している州なので、司法試験としてこれを受けることになります。なお、カリフォルニア州はUBEを採用していません。
7月の司法試験と言った場合、普通はこのUBEを指すことになります。7月と2月の年2回開催されており、通常のLLM生は、7月の受験を目指して勉強することになると思います。
このUBEへの申込みが、2022年は4月1日~4月30日とされており、その間に申し込む必要があります。方法ですが、簡単で、BOLEアカウントのホームから"UBE Application"をクリックするだけです。クリックすると、LLMの"Certificate of Attendance" (LLM COA) の情報を入力する画面が出ますので、まずはこれを入力してから、applicationを行うことになります。
Certificate of Attendance (COA) とは、ロースクールで、NY Bar受験要件である授業を取っていたかどうかを確認するためのものです。自分が秋学期と春学期に取った授業を見比べつつ、授業の名前とか単位数とかを入力することになります。この時に入力した情報が、BOLEから直接ロースクールに行き、ロースクールがCOAをBOLEに提出する、という流れみたいですね。このCOAがちゃんとできたかどうかは6月15日以降にならないとわからないみたいです。
COAが終わったらapplicationです。この入力情報で迷うことはないと思いますが、laptop programに関する質問はYesと答えないと、手書きで試験を受けることになります。(一応、万が一Noと答えてしまっても、application後にYesへと変更可能のハズです、たぶん……)
最後に、$750の受験料を支払って終わりです。なお、支払いはクレジットカードのみ(デビットカードは不可)で、しかもVISAかMasterCardだけです。(余談ですが、僕はここで円建てクレジットカードを使ったので、円安の影響をモロに受けてしまいました。。)
Applicationが終わったら、OnlineApplication@nybarexam.orgから"Confirmation for NY Bar Exam Application"というメールが来ます。
この記事はここでおわりです! 司法試験、頑張りましょう!
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