アニメ「REVENGER」4話時点の雑感いろいろ
話が大きく動きそうな5話前に、4話までの雑感や考察……?など置いておこうと思います。
基本劇中の描写をもとに考えていますが一個人の解釈だから鵜呑みにしないでくれよな!
3話で鳰が「返事次第じゃ幽烟のこと殺さなきゃいけなかった」理由は?
単純に考えると、「人殺しの生き方に対してスタンスの違いを受け入れられないから」。
これまでの過去に基づいた自己同一性が保てなくなり、「じゃあ今までの人殺しはなんだったの?」「あいつが人殺しから抜けられて、鳰が抜けられないのはどうして?」という答えのない問いにはまり込んでしまうから、そうならないために殺す。だって鳰にとって「人殺しが人殺しじゃない生き方を見つける」ということは、ありえないことであり、あってはならない事だから。
という風に考えると、鳰が散々「お侍が日の当たる道で生きられるわけないじゃん」という趣旨の発言を繰り返しているのも、そう口にすることで自分が望む世界のありかたを補強しようとしているようにも思えます。
ここら辺は若干穿った見方かもしれません。
ともあれ、自分にとって受け入れがたいことを語る者に対して取る行動というものはいろいろあると思いますが、鳰の中には「殺す」という選択肢が入っているのでしょう。おっかねー子だよ。
ですが、そもそも鳰が利便事屋入りした要因は何で、他のメンバーは鳰を何故受け入れたのかによっても変わってくると思います。
OPのアウトロで背中を見せる順は「幽烟→徹破→鳰→惣二→雷蔵」。これが利便事屋入りした順番だと考えると、幽烟は信仰から来る信念に基づいてリベンジを行っているので「子供だから」という扱い方はせず、また徹破も暴力衝動という、「いかんともしがたい性質」というものを抱えているが故に、倫理観がズレており残虐なことも楽しみさえする鳰を受け入れた、と考えるとスッと入ってくる気がします。
そう考えると、鳰にとって幽烟は「自分を人殺しの道に引き込んだ男」と考えられます。そんな男が、「人殺しにだって人殺し以外の生き方を見つけられるよ」などと言い出したらそりゃまあ……「お前が鳰を引き込んだクセにそういう事言う????」というキレから幽烟を殺そうとしても……おかしくないな……!! そのあたり、5話以降で明らかになって欲しいものですね。
徹破先生の「雷蔵をこれ以上深入りさせるとやっかいな事になる」の意味は?
真っ先に考えたのは、「雷蔵の性質そのものが利便事屋に向いていない」と徹破が考えたのでは、という点です。剣の腕は申し分なくても、心根が向いていないという事ですね。
ただ、幽烟に「覚悟の上かね?」と訊いて、その幽烟が「わかっています」と答えたため、以下の可能性を考えています。
繰馬雷蔵に視聴者が知らない秘密がある、あるいは雷蔵に恨みを抱えている相手からの恨噛み小判を既に受け取っており、その内容を幽烟と徹破の間で共有しているため
こうなると鳰と惣二が蚊帳の外なのズルくない?って思うんですけど、礼拝所に対しても色々抱え込んでそうな男だからね……。
あと4話時点で「繰馬雷蔵に恨みを抱えている」人間って、それ義父もしくは許嫁のゆいになる……そもそも江戸時代の結婚って「家」同士の結婚……ゆいにとっては不本意な縁談だった可能性がある……そういえばあのかんざし、義父→幽烟→ゆい→雷蔵のルートで届いてる……これ以上は脳が破壊される…………。
雷蔵の絵を見た幽烟の反応について
ここが一番わかんないよお!!!なんですけど、とりあえず3つぐらい出てきました。
まず3話での鳰との会話から、幽烟も「人殺しは人殺し以外の生き方などできない」という考えを持っていること前提で考えます。
雷蔵を「日の当たる道になじめない過程を経て、これしかないのだと納得させた上で人殺しにする」過程が長引きそうな予感に表情を引き締めた
4話までの幽烟は雷蔵を「匿う」「面倒を見る」という立場であり、「上手く生きられない」人間に対して信仰に基づいて慈悲をかけたつもりが、雷蔵が才能を開花させて雷蔵自身に「上手くやれる生き方」が見つかったことで、自分のしていたことは結局上から目線の「憐憫」にすぎなかったのでは、という思いに内心ショックを受けていた
「写実絵」になんらかの危険性、あるいは幽烟の目的に迫る何かを見いだした
うーん、全部ありそう!!
そもそも幽烟は「悩むのに飽いて抜け殻になってくれればいっそ楽」と言っていたので、繰馬雷蔵に利用価値があると踏んでいるのはまず間違いないんですよね。
上記で書いた「OPの背中見せ順が利便事屋加入順」という説が正しければ、幽烟にとっては「叢上徹破を暴力装置のつもりで引き込んだが、本人の意思と考えがしっかりしているため忠実な駒にはできない」という背景があり、その後に加入した鳰と惣二も己の楽しみを優先させてしまうため無理、 そこに現れた「言われた事をそのまま受け止めて疑わず、恐ろしく剣の腕が立つ薩摩侍」こと繰馬雷蔵……。そうねえ……。そうだねえ……。
そう考えたら、余計に「雷蔵に恨みを持つ誰かの恨噛み小判を、幽烟が受け取ったまま自身の懐にしまい込んでいる」可能性がバッキバキにビルドアップされてきちゃった……コワ~~~~~……もう考えるのやめにしない????
復讐譚の類型から考える今後の展開
まあそれはさておいても、「利便事屋の誰かに対して恨みを抱く人間が、恨噛み小判を利便事屋に託す」展開はどこかであると思うんですよね。例えば坂田の下で甘い蜜を吸っていた役人は、坂田の急死と、漁澤の介入で大きく人生が変わることでしょう。
そもそもそれを言ったら阿片流してる奴らも販売ルートしっちゃかめっちゃかだな、4話時点で……。煽りをくらって医療用阿片が入らなくなって、徹破先生の患者に因果が回ってくるような事にならなければいいけど……。
誰かが殺されれば誰かが得をして、誰かが損をする。命を損得で計るべきではないとは言えど、そういった価値観を拭い去ることが出来ないからこそ、人の世は今も混沌としているわけです。
利便事屋が免除される罪もあくまで「人が人を裁いて殺す罪」なのでね……。
しかし「恨みの深さ」「黄泉路にすらたどり着けず現世を彷徨ってでも晴らしたい恨み」というのも、身も蓋もない話をすれば主観のお気持ちである、と言い切ってしまうこともできます。
「元はといえばあいつのせいだ」っていう認知で、利便事屋の誰かに対して恨みを晴らしてくれと言われたらどうするんだろ……礼拝堂において「恨みの正当性」は誰が判断するの……?
などなど、引き続き今後の展開から目が離せませんね。
引き続き感想はnoteに上げていきますので、お付き合いいただけますと嬉しいです。
装甲悪鬼村正復讐編みたいな事になったら……どうしようね……マジで……。
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