アニメ感想:「REVENGER」9話 ”Mutual Understanding”
劉殿が撃たれて急展開な9話だよーッ!!!!!
あ、予告カットで一応生きていることは知っています。
サブタイは「相互理解」。
詳細:アバンタイトル~OP
劉が撃たれた直後から。倒れた身体からはウワーッガチ目の出血してるよーッ!!
「どこから撃たれた!」
「わかんない!」
よもやの出来事だったからな……。
身を起こそうとする劉、雷蔵に命じられた鳰は舌打ちしながらも動き出す。基本的に幽烟以外の人間から指示されたくないんだろうな。命かかってるからやるけども。
血の跡(けっこうな出血量だよ……)を残しながらも狙撃しにくそうな裏路地に劉を運びこんだ雷蔵、「しっかりしろ、すぐ医者が来る」と劉を励まします。
「なあんだ生きてんのかよ」
この場にそぐわない軽薄な声、声の主は何者か。
いやここで全員殺すつもりだったか……当たり前か~~~~~~。
OP明け~アイキャッチ
きゅ、急にソシャゲのキャラが来たが!?!?!空気感が異様だよ!!!
赤白メッシュのボサ髪で入れ墨とはね……重そうな……何?手裏剣……で……いいの?
当然雷蔵の警戒度はMAX。刀に手をかけて問いただすも、青年は軽い調子で返します。
「俺っちたちが始末つけっからさ、アンタは帰っていいよ」
ん?前回の宍戸が貞によこした小判は6枚だったけど、劉一人分の報酬なの……?
と思っていると惣二が合流。
「そいつの首には大判一枚がかかってんだ、物事には手番ってもんがあんだよ」
と惣二がTRPGプレイヤーみたいな事を言いつつ気を引く隙に劉を担いで走り去ろうとする雷蔵、こういう即断で迷いのない動き見習いたいな……と思いつつ、画で見るとちょっとシュールに見えるのなんでだろうな……。
「え、何ソレ。何してんの?お前らの敵じゃねえの?」
「うっせえな、色々あんだよ!」と札を投げる惣二。足止めだろうな……。
一方こちらは狙撃組、鷹目の一八が「仕留めず、宜しかったので?」ってあっこの声どっかで聞いたぞ……どこだっけ……どこだっけ……。
貞は平然と「どうせ長くないし、連中の出方もこれでわかった」と返します。
「何のつもりです、奴ら」
「同業……の筈なんだけどねえ」
苦笑する貞。まあ実際、「恨噛み小判」の在り方を原義のまま貫き通す変態がいるなんてわからんよな……。
「撃ちますか」
「いんや、今日はここまでにしとこ。地元に仁義も切ってないしさ」
貞は与太郎(手裏剣使い)のことをバカと言っていますが、惣二の花札きっちりいなせてるあたり腕はあるよね……一八が打ち出した閃光弾(江戸時代とは……今更か)の光もちゃんと確認してるわけで……。
腕は確かなんだけど、本人の軽いノリも相まって底知れない感じだな、与太郎が止めなかったら惣二死んでたわけで……。
「殺せ、リベンジャー……」
劉を負ぶって唐人街を駆ける雷蔵の背中で、劉が言います。
女騎士なんだよな……。立場的にもわりと女騎士だな……。
そんな劉に
「まだ誰も、小判を噛んではおらぬ」
と返す雷蔵。
「言え。なぜ阿片が欲しい」
「誰が……あのようなおぞましいものを……」
ならば狙いは同じ、劉も阿片を憎む者なのだと確信へ至る雷蔵。
それはそうと待って待って阿片焼き捨てたら風向き次第ではえらいこっちゃだよ雷蔵くん!!!
「誰の差し金だ……」
「仕える主は、もはやない」
主命のつもりで無辜の者を、義父と呼ぶべき人さえ斬ったことを劉に打ち明け、雷蔵は言います。
「俺と同じになるな、敵を見誤るな」
これは「使命に縛られて盲目になるな」って事なんだろうな……。
劉の意識は薄れ、次に見たのは利便事屋の4人。一命は取り留めたっぽいのか……。
あっ劉の過去編入った。
信頼できる部下を従え、林則徐の名のもと清国の阿片を一掃しようと意気込んでいた劉。しかしそれでも取りこぼしたものはあって、その中には妹、雪梅も……。
これねえ……少女の「どうしたのおにいちゃん……?」って字幕が出た瞬間ガチ目に脳が破壊されました。
中華武侠で壊れた妹に気づかなかった兄ってそれはもう鬼哭街なんよ……。幸せな夢を見ている声を……出すな……つらいから……。
「なぜ、おまえまで……」と愕然とし瞠目する劉、そらまあ……林則徐の政策が気に入らない側が雪梅ちゃんの世話役あたりに手を回したんだろうね……。
また雪梅ちゃんの使ってた阿片パイプが「いいもの」だったじゃん……。陶器製で装飾も入っててさあ……そんな風に「きれいだな」と思うものを進呈して、雪梅ちゃんは贈り物なんか慣れてるだろうから素直に受け取って、パイプの使い方を教えましょうって流れでもうアウトでしょ……。(顔を覆う)
悪意が入らない場所で育ったから悪意に気づけない……だからってこんな仕打ちあんまりだよお……。
「今日の診療所は休みだよ休み!!!!」感の強いお知らせの出し方、おもろいな……。
眉根を震わせながら譫言を漏らす劉につく雷蔵と幽烟、一方徹破先生は絵草子で鳰と惣二(と視聴者)に大まかな事情説明をするのでした。
・清国はアンゲリアに茶葉、絹、陶磁器を売ったが、アンゲリアには交換できるものがなかった
・そこでインドで作った阿片を売ることにした
史実の話だと、阿片以前は銀を交換していたのですが、銀が流出しまくったために銀以外で交換できる(=清国で価値がつく)ものを探した結果、阿片に価値があることがわかったという流れとなります。
痛みや悲しみを消して夢心地になれる阿片と、中国にあった煙管が合わさった結果、最悪の相乗効果を発揮して清国では爆発的なスピードで阿片が蔓延しました。
今よりもっと「わからないこと」が多く、今よりもっと「生きる苦しみ」が当たり前にあった時代に、それを消してくれる薬となれば、そりゃ流行るんですよね……。イヤな話だね……。
「汗水かいて商いした挙げ句が阿片漬けなんざ、笑い話にもなりやしねえがな」
そうぼやく惣二が引いた札は、殺風景な一面のすすき野原。
・阿片は瞬く間に清国に広がった
・取り締まるのは容易ではない。阿片で商売をしているアンゲリアだって黙っちゃいない
・それで清国の皇帝は、国内から阿片を一掃することを決めた
・清廉潔白で知られた一人の官史に、帝の代理として阿片一掃をやらせることにした
・それが「欽差大臣・林則徐」
「ならあの劉は、日本で言うなら将軍直属の旗本様ってか?」
令和の視聴者にはいまいち伝わりにくい気もしますが舞台が江戸だからちかたがないね。
現代感覚で麻薬撲滅部隊だしなぁ……そして蔓延後の厳しい取り締まりは麻薬カルテルの撲滅に敗北した近代麻薬戦争のことも思い出さざるを得なくなる……。
それを考えると足元を掬われて妹が餌食になった劉、ほんとにしんどい。役目に盲目的に邁進した結果大事なものを取りこぼし、より強固な阿片への憎しみで動くようになってしまった男……劉という男は繰馬雷蔵IFなのだということがこれではっきりしましたね。
「でもさぁ、それって海の向こうの話でしょ?鳰たちと関係があるの?」
長崎に住んでおいてその認識はどうかと思うけど、「自分が直接関わったことにしか因果を見いださない」という在り方は獣のそれだと思うので、まあ鳰はそうだろうなという感じもします。
人間の脳みそって拡大解釈が大好きなので、社会に関わろうとすればするほど「関与」の範囲を広げすぎて病んだりするのがわりとあるあるなんですよね。
そもそも「自分が斬った松峰に由来する阿片が、長崎の人たちを狂わせているのを止め」ようとしている雷蔵がまさにそうでして。
なので鳰のあり方はある種の防衛反応でもあるわけです。
でもそれはそれとして港町でその認識は危ないよ鳰ォ!一度「いる」「ある」という認識が繋がってしまったらもう逃れられない、それが「世界」というものでもあるんだ……。
でも市政に生きる人々も往々にしてこういう感覚ではあるよね、海の向こうのよくわからん人たちと自分たちがよもや繋がってるとは思うまいて……。
鳰のことどう捉えて良いか、どう表現して良いかで迷ってたんですけど、これ「キャラメイクで社会性を種族値の最低限まで削って、そのポイントを目の前の危機察知や警戒心に振ってる」やつだなという感じに固まってきましたね……。
ゆえに鳰には、徹破先生の
「風が吹けば桶屋が儲かる。世の中は思わぬ所で、繋がっているんだよ」
がいまいちピンと来てないんだよなぁ……。としみじみしてしまう。
徹破先生のお顔をアップにしつつ、遠くで「動ける怪我じゃないのに出て行こうとする劉を止める雷蔵」のやりとり流しての目元の変化で
「まったく困ったものだね」感出しててこのカット大好きですね~~~~~~~~健康になっちまうよ……。
アニメ製作の事情を考えると「ふらつきながら出て行こうとする男を止めようとする男」の作画をバカ正直に描いてたら枚数足りねえよ問題もあると思うんですけど、眉って本人が思う以上に感情が出るので、そこにクローズアップした作画ウレシイ……ウレシイ……。
なんとなくですけど、このカットの流れ、漫画っぽいな~~と思います。
唐人街には連絡済みなんだ……話が早いぜ……。
その身体では戻っても仕方がない、それもまた事実である。
警戒MAXな劉の態度自体はもっともなんだよな~治安側の人間だし。
自分たちの生業は"小判に刻まれた恨みを晴らす"ことであると徹破先生。
「清国欽差大臣直属の特使を殺す理由なんて、どこにもないんだよ」
ここの徹破先生の声音が……子供に噛んで含めるような……言い方になっており……やっぱ劉って女騎士なんじゃないかな……。
劉、損得の理屈ではわかるけど感情では納得できておらず、複雑な息が出る。法に基づかない裁きを自己判断で下している時点で、利便事屋は反社会勢力だからね……麻取の警官が反社会組織に借りを作りたくないよね~。
「そなたの役目が、俺と同じく阿片の始末ならば、ここは共に」
雷蔵くぅん!!劉にも立場ってもんがあるんだよお!
「何の寝言だ人斬り……」
ほら相手が感情面を飲み込めないまま提案するから険悪になるゥ~~~~~。
そんな中襖を開けて「そう突き放すこともないでしょう」とやってきたのは幽烟である。
雷蔵の境遇について語り、彼は今回の阿片に決して無関係ではないのだと言外に語る幽烟、劉に「なぜ」を飲み込ませるためなんだろうな……。
幽烟、(濁ってるから多分)薬湯を差し出しつつ、
「せめて、ここに至る筋道を、教えてやってはもらえませんか」
そう言われ自分を見る劉に、頭を下げる雷蔵。
「……頼む」
ここの声がすげえ切実なのは本当に知りたいからなんだけど、幽烟が「松峰の阿片による因果で義父や婚約者、仕えるべき主まで失った」と語ることで傷をつついたがゆえに思い出さざるを得ず、その痛みが声に出たような感じもあってウワ~~~~脚本が上手いのか幽烟が上手いのか笠間さんの演技が上手いのかもはやわからねえ~~~~~。
わからないから全部上手いってことにしときますね。
劉も妹を失いながらもまだ仕える主が居り、阿片撲滅という社会正義に邁進するという逃げ道があったわけですけど、今まで命のやりとりをしてきた男が、実は自分よりひどい目にあいつつも「何かに殉じる者の目」をしていた所以が己と同じ阿片撲滅と来れば、ね……。
知っちゃったからにはもう、ね……。(ちいかわ)
幽烟から薬湯を受け取り、口にする劉。
喉のつかえを流すような息の演技、いいな……。
ともあれ、劉が語った内容を要約すると以下。
・アンゲリア商人は清国の取り締まりから逃れるため近隣の港に阿片を分散させた(シンガプラ、カルカッタ含)
・長崎に運び込まれた阿片に目をつけて松峰が買い叩いた
・とても捌ききれる量ではない。アンゲリアは松峰に預けたつもりで、清国の締め付けが緩んだタイミングで買い戻せば良かった
・しかし松峰はリベンジを受け、宙に浮いた大量の阿片は何者かに奪われた
誰が奪ったのか、まではまだ不明。
単に金に目がくらんだ日本人によるものか、アンゲリアか、清国で阿片の利益を得たい者か……。
鳰と惣二は蚊帳の外だねぇ……。
「これは我が国の問題だ」
と、あくまでも態度を崩さない劉。清国の外とはいえ反社会組織の力を借りるわけにはいかないよねそうだよね……あーッ幽烟盛りやがったな!?
「今の貴方に必要なのは、眠ることです」
それは……そう!こうでもしないと飛び出していきそうっていうのもそうだし、そもそも薬湯を出されてどういう効能なのか訊かなかった、訊けなかったまま飲んじゃうレベルなんだから「寝ろ」なのは……そう!
そんなやりとりを背後で聞いていた惣二、盛大な舌打ちをして診療所を出て行くのでした。そんな惣二をしっかり把握している鳰……SUKI……。
こ、ここで「橋の下」を出してくるゥ~~~~~~~(倒れる)。
もう誰もいない橋の下、そこで義父を斬った男が無宿人をやっていたことなどどこ吹く風で人々が行き交う橋の上で考え込む惣二。
「大判に目がくらんで貧乏くじ引かされるなんざ、ただのド素人じゃねえか、俺は……」
そうだね……惣二は「生き様」を博徒にしてるから……そもそも賭けに乗るか乗らないかの判断すらできていなかったのは事実だしね……。
「どうしたのさ、惣二。醜男に磨きがかかってるよ?」
発破かけとかじゃなくてシラフで言うんだもんな~鳰は……。向こう傷程度で醜男になるような顔の造作じゃないから安心してくれ惣二……。
「おい、鳰公。俺らの生業は何だ?」
「惣二は働いてないでしょ」
火の玉ストレートか????
「違えよ。利便事屋だろ」
「(わかってる)なら聞かないでよ」
あー……惣二だけが恨噛み小判を「金」と見なしているんだなあ……。博徒だから収入が安定しないし余計だよなあ……。
「それがなんで清の役人様なんざ助けてんだ」
「しょうがないでしょ。誰もあの大判を噛んでくれなかったんだもん」
道ばたに棄てておけば言い訳はいくらでもついたのに、よりにもよって殺すべき相手を匿ってしまった……。
「それがどういう事かわかるか。ええ?」
「大判、貰えなくなっちゃったね」
もうそれだけでは済まない、礼拝堂に喧嘩を売ったも同然なわけで……。いったいこれからどうすんだと頭を抱える惣二へ、
「惣二の頭で考えても仕方ないと思うよ。きっと幽烟がなんとかしてくれるって」
「その旦那が、侍野郎と一緒になって、あの唐人に肩入れする気満々だから悩んでんだよ」
「一体俺らのリベンジ稼業は、どこからおかしくなっちまったんだ!?」
そんな惣二の苦悩をよそに、道をよちよち歩く子猫を構う鳰なのだった。
惣二はほんと安心するな……いやでもこればかりは「いつでもそうなる可能性はあった」んだよな……その時が来たというだけで……自分自身が思わぬ形で人生が一変した奴が身内におるやんけ……繰馬雷蔵っていうんですけど……。
あと、こういう状態の惣二に発破かけるためにはなちゃん一家がどうにかなる可能性が浮上してきて戦慄している。やめろ……マジで……。
地下で雷蔵のスパイクブーツを手入れする先生のシーン、トンチキに説得力を持たせようとしてくるのずるいですねほんと……。でっけえ人が眼鏡かけてちまちまとした作業やってるシチュエーション無限に好きなのでこのシーンも好きです……。
さておき、劉の狙いがわかったとはいえ、松峰の阿片を誰が奪って誰が劉を撃ったのか、考えるべきことはかえって増えてしまいました。
劉の素性(体制側)から考えれば、殺したがるものはいくらでもいるわけで……。
・礼拝堂が幽烟に劉のリベンジを命じたのは、劉の正体を知っていたからではないか
・礼拝堂が阿片を奪ったなにがしかと手を組んだ、あるいはその下についた線がある
・とすれば、今回の大判は僕たちが阿片裁きの丁稚になるかの踏み絵だったという事になる
というのが徹破先生の見解。問われた幽烟は
「……ありえる話です」
やっぱり礼拝堂の在り方を頭から信じてはいなかった幽烟、しかし問題はここからなのだ……。劉の正体に気づいたことも、劉を匿ったこともとっくに気づいているだろうに、礼拝堂から何の反応もないのが逆に怖い、と徹破先生。
普通なら制裁の流れになってもおかしくないもんね……。
「いずれ主日礼拝の日となれば、こちらから赴くことになります」
要するに安息日の礼拝の事らしいのですが、なんかそんな歌あったな……ドリカムの……アレは金曜日か……。
この頃の日本の暦は現在のものといろいろ違っていたはずなので、こういう言い方なんでしょうね。単純に幽烟が本来敬虔な信徒であることを表す言い回しなだけかもしれないけども。
「どうする?」
「ありのまま、伝えるほかないでしょう」
こ、ここに来てそんな馬鹿正直に……いやでも偽れば偽るほどボロが出るとも言うしな……。「ものは言いよう」で済ませられる事態じゃないってこった……。
「劉の素性が解った以上、金貨は礼拝堂に返すほかない」
あ~~~そっか、「阿片によって長崎を穢す悪」として劉のリベンジを託されたのだから、その認識が誤っていると解った以上は……。礼拝堂に報告するという手順を踏むのが筋になるのか……。
「もしもその時が来て、私が戻らなければ」
「後を頼みます」
や……やめろ……!!そういうのやめろ……!!!鳰がおかしくなっちまうだろうが……!!!
ここで「眼鏡」、「己に課した枷」を外して見つめる徹破先生がよお……んでもって唸るような息を吐きつつ「眼鏡をかけて」幽烟を見るじゃんよお……!先生よお……!!!
「繰馬君のことも残っているんだ。十分、気をつけて」
あ~~~~ここで幽烟自身に「では、その後は?」が返ってきてるんだな……所でやっぱり「繰馬雷蔵」に恨みを持つ人間の小判預かったままだし鳰と惣二には隠したままですね……。
アイキャッチ明け~ED
いったんはおねむしたものの、目覚めてすぐに動こうとする劉である。
治療など無用、俺を唐人街に連れて行けと言う劉に「今行けば助からんぞ!」と止める雷蔵……6話と立場が逆転してるねえ~~~~ウフフ。
「だからこそ部下に託さねばならぬ……林(則徐)閣下が命を賭して追放した阿片……我が祖国に再び持ち込ませるわけにはいかん……!」
「そなたはどうなる……死ねば悲しむ家族もあろう」
雷蔵くん!!!それ地雷や!!!誰も悪くないけどそれは劉の地雷や!!!
「主命を前にそれがどうした!!武人の本懐まで忘れたか!!」
劉の、文字通りの血を吐く叫びと視線を受け止めた雷蔵は、襷をほどきながら言うのでした。
「守り切れる保証はないぞ」
は~~~~~ん、雷蔵の「枷」は襷なんだな……。絵仕事の時も襷かけるし、雷蔵本人が意識しているかはともかく演出意図としては間違いなくそうだと思う。
一方唐人街で劉からの連絡を待つ部下達。不安がる大柄な側近に「大人が死ぬはずがない」と言い返す小柄な部下、し、慕われてる~~~~~!!厳しくもいい上司だったんだろうな……。
「長崎会所の方とも連絡を取っています」
ア゛……………………
もどかしさに苛立つ配下の皆さんの耳に届く、陶器が激しく割れる音……。
「ちーっす。裏口から失礼~。会所の方から来まーしたー」
や、やあ……与太郎くん……。しかし即座に立ち上がって臨戦態勢に入る劉の側近二人、推せるな……。
さらに家具をひっくり返す音、
「何だ貴様!」
「なあに、名乗るほどのもんじゃあございませんが……」
「今日はリベンジを一つばかりとまかり越しました」
貞……袈裟が返り血に塗れることも意に介さないのは流石に生臭の域を超えているような……いやしかし阿弥陀仏は「(自分が悪だと気づきもせず)善人(だと思い込んでいる者)さえ救われるのだから、いわんや(自分の中にある)悪(に気づいている)人をや」と述べたともいうし…………。
え~~~~ん、しっかり連携を取って相手の意表を突くように動く側近二人マジで推せるよ~~~~~!!!!
推した瞬間に絶命したよお~~~~~~!!!!!!(つらい)
それはそれとして、貞の剣が錫杖に仕込まれていたのはまあいいにしても、ヌルっとした質感で瞬時に「かなり使う奴」を二人も殺す、まるで蛇……なるほど会所で見ていた蛇……
ええ~~~~~~基督教(歪んだやつ)が出てくるアニメで蛇か~~~~そっか~~~~~~!!!!!(大の字)
見ていただけになっちゃった与太郎、「全部一人でやっちゃうんだもん、俺も港に行けばよかったかな」と言いながら見もせずに薬屋のおじいちゃんを手裏剣投げで殺害……。
えっ港ォ!?!?!?!ちょっとォ!?!?!?!
そんな事とはつゆしらず唐人街の裏道を進む雷蔵と劉。
雷蔵の境遇を徹破先生から聞いた劉は「復讐は終わったのに、なぜまだ阿片を追う」と雷蔵に問います。
「女の姿が……頭から離れん」
「女だと……?」
「俺が死なせた。事の起こりは、阿片だった」
劉の脳裏をよぎる、愛らしい妹が阿片の毒に侵された姿。
「くだらん感傷で……振り回してくれたものだ」
まあ確かに雷蔵が松峰殺さなかったら、話はもっと単純になってましたけども……。でもそこまで「くだらん」と思って居なさそうな声になったのは、劉自身にもその念に覚えがあったからで……。
無言の雷蔵に「……怒ったか?」って聞く流れ5話の冒頭でもあったな……。
「いや。そなたの言い分はもっともだ」
「ふざけるな……!」
なんで劉くんが怒ってるんですか???(含み笑い)
雷蔵の度を超えた純粋さでむしろ相手が調子を狂わされるやつ、微笑ましいんだけど今やってる場合じゃない……心が千々に乱れる……。
ほら~~~~~一八が高台で着々とライフルセッティングしてる~~~~~。
いや、でも弾頭がないように見えたけど……オ゛アッお船を狙、あっ、あっ……。
なんだよその木製のドラム缶のような何かは~~~~~~~!!!!
「なんだこれは?」
「お前が頼んだと言って、さっき和人の商人が置いていったぞ」
あ、あ、あ、もうダメだよお……!!!!
「油か、これは?」って言ってるカットの後ろからグレネード迫ってくるのものすごいB級感あるんだけど、この時代のお船は木製なのでそれはもう無残な訳です。
5話以上に派手な爆発を見ることになるとは……思ってなかったな……。
激しい音は当然雷蔵たちにも届きました。様子を見るために劉を路地に残し、雷蔵は大通りへ向かいます。
薬屋の前には人だかりができており、不安がった唐人街の住人たちが現場の検分をしている役人達に声を上げていました。
……ってことはこの流れで漁澤さんが来る!?来てくれる!?
と言いたい所ですが、直後に来るのは無理だろうなぁ……。事を把握した後はすぐに戻る雷蔵、3話で事の成り行きがつかめていなかった頃からすると成長したね……。
港では必死に消火活動が行われるも、焼け石に水。林則徐から託された船から黒煙が上がる様を、物陰から窺うことしかできない劉……。
ねえ~~~やめてよお~~~~この期に及んで止め刺しに来なくていいじゃ~~~~ん!!!
しかしずいぶん細くて頼りない足元……は!?トンファーじゃん!?!?!いつから長崎はラストブロンクスになった!?(例えが古い)
あと背中の衣装だけで鈴木次郎デザインなのが明らかでニッコリしちゃった。
相手が構えたからには、立ち向かわねば死あるのみ。壁にもたれながら立ち上がった劉が見た相手の顔は、年若い少年のものでした。鈴木次郎デザインだなぁ……(どういう感慨だよ)。
「良いだろう……道連れだ」
構える劉に、回転の遠心力で勢いをつけながら襲いかかる少年。
あえなく劉にいなされるものの、衝撃で傷が開いて血を……吐く……劉……。
少年は機会を逃さず飛びかかるも、戻った雷蔵に止められて退却となったのでした。
雷蔵の気迫に押されて退却したような流れだけど、回転の勢いつけて殴りかからないといけない体重の軽さだからな……体格で上回る侍を相手しないのは正解だよね。
国のエリート武人が大怪我の中、子供一人すら道連れにできず、部下は殺され、港の船も焼かれ、その犯人すらもわからない……。これほどの無力感があろうか……。
「敵が卑劣だっただけの事。生きて借りを返せ!」
「最早……叶うまい」
今更何を取りつくろう必要もなくなった男の、女を想い流れる涙。
ここでさ……虚を突かれた雷蔵の反応を見て笑う劉がさあ~~~~~~~(崩れ落ちる)。今そんな顔されたらさあ~~~~違う場所でそんな顔してた時を考えちゃうじゃんさあ……。
「俺も……同じなのだ。貴様と……」
「憎かった……妹……阿片……」
「嫌だ……俺は、まだ……死ねぬ……こんな所で……」
劉の譫言になってる声とか、目の焦点が合ってない描写がリアルでさあ……。
「――ならば、託せ!」
「何……?」
「その恨み、我らに託せ!」
そして長崎からまた一つの命が失われ、紛う事なき恨みの証が利便事屋に託されました。
夕暮れ、会所の庭で頭を擦りつけて詫び続ける少年を当然のように足蹴にする貞。
「瀕死の唐人一匹にこのザマたぁ、犬畜生以下だねえ、捨」
捨、て……淀君じゃねえんだぞ……。(幼名に縁起の悪い名をつけて厄除けにする風習)あるいはニトロプラス的には種崎捨かもしれない。
頭踏みつけるのマジさあ~~~~。「気の利いた鳴き方」をして欲しけりゃあまずその足をどけろよ……。
一八が宍戸が呼んでいる旨を伝えたことでそれ以上の責めを逃れた捨でしたが、環境がマジで最悪だな……。
「流石に"野良犬踏み殺して遅れました"なんて、雇い主様には言えないからねぇ」
こんな発言がガチなのかフカシなのかすら判断がつかない上司、怖すぎる。
それはそれとして捨の声、なんか聞き覚えがあるんだよな……。
「――それじゃあ繰馬雷蔵とその一味は、そちらさんと一切関わりのないモグリと。そういう事で、宜しいんですな?」
「はい。当礼拝堂はそのようなもの達に関わりありません」
し、シスターが喋った……!!!色気のあるいい声ですねとか言ってる場合じゃないんだよーッやっぱりトカゲの尻尾切りじゃねえかーッ!!!
宍戸が「もっと早く話が通っていれば劉を取り逃がすこともなかった」とか言ってるから、冒頭での「地元の仁義」ってこれの事だったんだなあ……。
「いやはや……恐るべきは繰馬雷蔵とその一派……白昼堂々、我が長崎会所の預かる唐人街で凶行に及ぶとは……」
うるせえ×を×××××ぞ、おっと失礼。
「これは放ってはおけませんよね?」
「ご尤もなお話です」
「ならば、こちらの件で、私が小判を噛んでも?」
「神は許されるでしょう」
その……今……「私は許しましょう、だがこの背中が赦すかな!」つって幽烟が背中のマリア様を見せつけながら金箔ジャンプをする幻覚が……。
「それではこの宍戸、この町のために謹んで、恨みを刻みましょう!」
「長崎に、神の祝福がありますように」
て、てめえ……そんなギラついた目で言う事じゃあないわよ……そちらさんは一神教なんだからギリシャ神話の神モルフェウス(モルヒネの語源)の祝福を希っている場合じゃないでしょ!!!!
「それにしても劉は残念でしたね」
ヒエッ……この箱全部阿片………………???嘘でしょ……????
聞いた限りじゃ劉は既に死んでいるだろうと言う貞に、宍戸は返します。
「逆ですよ、逆」
「何も解らず死なれたのが惜しいのです」
「私こそが自らの仇だと知ったら、どんな顔をしたでしょうねえ」
ああ……だからシスターに「もっと早く連携できていれば」と言ったのか……劉を捕らえた上で、最大の絶望と裏切りを浴びせかけてやろうと……。
「見たかったですね」
「そいつァ至らぬことを」
「あなたのせいじゃありませんよ。あの唐人が愚かすぎただけの事です」
ほ、ほんとに雷蔵の鏡じゃん……劉……。
しかしとてつもない量の阿片、いっそ清国に買い取らせたらどうです?と言う貞に、宍戸は返します。
「とんでもない。こんな面白いものをどうして誰かに渡さねばならないのです?」
あの……阿片の大玉なんて素手で扱うの、やめたほうがいいと思うよ……それ……。
「金なんて所詮一時人を迷わせるだけのものですが、阿片なら、壊れるまで踊ってくれる」
その一時の迷いで人生派手に狂いもするんですけど……。なっ惣二!
「するってえとこの長崎を、阿片踊りの大舞台になさるおつもりで?」
「ええ。とても楽しそうでしょう?」
あ~~~~~商談で右往左往する人間の反応を見るだけでは足りなくなって、「もっとたくさん人が狂うところが見たい」という所に転がり込んだチャンスが阿片なのか……。
いやマジでろくでもねえんだわ……。
EDのキャストでビビリ散らかしたんですけど、旋棍の捨が活撃こんのすけの長塚琢磨さんで、鷹目の一八がデップー吹き替えやFGO坂本龍馬の加瀬康之さんだったのか……。
そして雪梅ちゃんは劉セイラさんと。
今後の展開
次回10話、「Nowhere to Run」。因果に追い立てられて逃げ場なしの彼らに活路はあるのか……。
とりあえず教会で鳩が飛び交う中熱い金箔バトルが開催されてほしいですね(ヤケ気味)。あと漁澤さん。漁澤さん!!!
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