感想:「REVENGER」3話 ”Fortune is Fickle and Blind”

 雷蔵くんが利便事屋で生きる決意を固めた2話から、かいまき与力こと漁澤陣九郎(CV子安武人)が動き始める3話はじまりはじまり。

 今回のサブタイは機械翻訳に突っ込むと「運命は気まぐれで盲目」。慣用句としては「運は気まぐれ、分からぬもの」とのことです。

詳細

 長崎の港とへ船でやってきた鳰と雷蔵。
 礼拝堂に顔合わせに来たのかと思ったけど、それならシーンを入れるはずなので案内に来たって事のようです。
 港で合衆国らしき旗とアンゲリアらしき旗があり、聖職者と役人と商人が商売をして絨毯や坪などを運び込む場面を眺める二人。

 鳰くんちゃん、凧を見かけて駆け出す時のお顔カワイイ。びいどろのカット、撮影が美しいな……。

 鳰の案内は長崎中華街へ。豚足乗っけたラーメン、ほぼ沖縄そばでは……?薩摩も長崎も九州、だからそばよりはうどん文化だとだと思うのですが、獣肉を「薬食い」と呼ぶ時代、早々食べたことなさそうな豚足を箸で摘まむ雷蔵ちょっとシュールで笑ってしまった。握力に感心もしてしまった。(自分の筋力と一緒にすな)
 次のカットで豚足の骨だけが残った丼、きれいに食べる雷蔵の育ちのよさ……。雷蔵、育った家が現状ノータッチなんだよなあ……後々絡んでくるのかなあ……。

 食後にいっそ厳かな顔つきで手を合わせる、そんな雷蔵を麺をすすりつつ眺める鳰。
 鳰くんちゃんも雷蔵と同じの頼んだの……?もしそうならそんな細い体で健啖家だねえ……。花街にやって来た二人、ガラス越しの見世に異国の服を着たおねーちゃんが並んでいるのを眺める鳰。そこへ声をかけてきたのは恐らくお店の番頭。
 禿になれば清国のきれいなおべべ着られるよとか言ってるんだろうな……そもそも冷やかしなので番頭をはぐらかして手玉に取る鳰、そんな空気の中番頭の肩に手を置いて無言で首を横に振る雷蔵である。これはコワイ!

 まあ実際問題、侍をつれて歩いている子供っていいトコの子だと思われるだろうしねぇ。手を出したらまずそうなのを直感してそそくさと去る番頭、軽い冷やかしをマジトーンで終わらせる雷蔵にあきれ顔の鳰くんちゃん。

 ここまでBGMのみで声なしのダイジェストだったのですが、見せ方が上手いなぁと感心してしまいました。
 このアニメ、江戸時代がベースですが長崎の出島という土地が持つ、お金や物、人や価値観、そして人の欲や悪意といったものを引き寄せる引力、その引力が引き寄せたものに対してしっかり向き合っているなぁと感じます。

 さて、あらかた出島を巡って高台から街を見下ろす二人。狭い土地にこれだけよくも詰め込んだものだ、と雷蔵。
 ふと上を見れば、さらに上のキツい斜面にたくさんの掘っ立て小屋のようなものが並んでいる。
「あれは?」と聞く雷蔵に、「近づくとロクな事ないよ」と鳰。
「人が住んでいるのか?」と問う雷蔵、そういう所こう……育ちのよさゆえに欠けた想像力というか……。純粋さって時に残酷というか……。(ろくろ)

 あそこは街に住めない人間の吹きだまり、だと鳰。ここでOPへ。

 OP明け、大通りに戻ろうと路地を進んでいると必死に弁明をする男の声が。

「何かの間違いでございます坂田様!」

 こんな往来で……人だかりができてる……。
 騒がしい雰囲気に「ケンカかな!?」と雷蔵の制止も聞かず走り出す鳰くんちゃん、あっこういうの好きなタイプか……。まあ裏稼業のことを考えると騒ぎに耳聡くないといけなさそうではあるけど、ここは性格っぽいねえ。

 華生屋という大店から役人が出てくる、路上で弁明していたのは店主。
 まーーーーた阿片がらみかい……疑惑のあった店にガサ入れが入った、という事らしい。
 「動かぬ証拠だ」と言って部下に木彫りの仏像をたたき割らせる坂井、あっ何かの包み……仏像の空洞の中に阿片を仕込んだってことか……。
 「お前の女房が洗いざらい白状した」と坂井。四代目は「何かの間違いでございます!」とあくまで何も知らない態度。うーむ判断できかねる。
 あえなく連行されていく華生屋四代目、居合わせた町人たちのひそひそ声。

「真面目一辺倒の華生屋がそんなこと」
「せめて奉行所の親分には黙って袖の下を渡してりゃねえ」
「触らぬ坂田にたたりなしだ」


 要領を得ない雷蔵に、「上納金を収めないから坂田と関係が悪くて、見せしめに連れて行かれた」と教える鳰。つまりマッチポンプじゃな!?
 「謂われなき罪だというのか!?」と憤る雷蔵に対し、鳰はいつもの調子で「だいぶ優しいと思うけど」と返します。

 「ちゃんとお金渡せば助かったんだし。命令だからって何も訊かずにお父さんまで斬っちゃう侍よっか、鳰怖くないな」

 物理的に手を伸ばせば届く距離で雷蔵の急所を抉る鳰、怖い物知らずか???
 平然と笑う鳰、しばし落ちる沈黙、行こうよと促す鳰なのだった……。
 まあ「物事の裏を考えないとやってけないよ、新入り」って言う鳰なりの洗礼ではあるのか……あるのか……?

 町家に居を構える惣二君、部屋が絵に描いたような(実際絵である)ダメ人間の部屋で笑う。それにしても、戸をせわしなく叩く女の子の高い声に起こされるとかエロゲ主人公か???(脚本の仕事歴に引っ張られる連想)

 二日酔いの惣二くん、回らない頭で懐の花札を一枚引いて「カス(札)かよ」と悪態。お前……タロットに傾倒してる女子みたいな事してんな……。

 こういう一日の験担ぎや、「運勢の暗示と運命の暗示がシンクロする」って演出は特にトランプでよくあると思うのですが、自分に花札でそれをやるって発想がなかったので妙な感覚である。時代劇や時代小説ではわりとあるあるなのかもしれない。

 「何の厄介事だ」と応える惣二、部屋の戸を開けたのはワーッ素朴で愛らしい少女ォ!!!!こんなダメンズと関わってちゃあいけないよォ!!!!

 お酒臭い部屋に文句を言う少女に、昨日は(博打で)大勝ちしたからいいんだよと惣二。お前負けても同じ事言うだろと思ったら少女も同じ事を言ったので苦笑いである。

 勝っても負けても飲んでばっかの惣二にお客さん、と案内されて「お邪魔するよ」と鴨居をくぐって入ってきたのは徹破先生であった。なんかえらい色々荷物を抱えてますねぇ……。
 惣二くんの頭が働いてないうちに事が進んでいっている、やっぱアセドアルデヒドはロクなことをしませんね……(飲み過ぎがよくないのであってアセドアルデヒドは悪くないよ)

 少女の名前ははなちゃん。カワイイねえ……しっかり物で……お母ちゃんがいなくて男親と弟二人は……しっかりもするねえ……(泣)

 2話のまなさんもそうだったけど、片親で父親が残りやすいのは出産での死亡率や出産後の産褥率の高さって事だったりするのかな……。(メタな話は野暮なので「メタ」と前置きしてから言いたいタイプである)

 めちゃくちゃ反対するも、徹破先生が家賃を立て替えていることを盾にされ、あえなく雷蔵と同室になった惣二くんの明日はどっちだ。

 一方こちらは雷蔵と徹破先生を見送って町を連れ立って歩く幽烟と鳰。
 あーやっぱ幽烟が案内を鳰に頼んだのかな……。
 雷蔵について訊かれた鳰は「つまんない奴。どこ行ってもくそ真面目でさ」そうだね……いっそ湊斗景明さんを思い出すくそ真面目さだったね……。

 鳰くんちゃんも侍が嫌い……あっ、じゃあアバンやOP後のあれこれって「幽烟に案内しろと言われちゃったし、珍しいとこ連れて行って反応見たろ」って事ォ!?だから許嫁に自害された男を花街へ!?その上で反応なかったから急所を刺して、そこで初めて雷蔵が反応したから沈黙のカット(セガール)で笑ってたのォ!?!?!コイツ~~~~~~!!!

 いやでも、こういうはっきりと倫理観や善悪の感覚がズレたキャラを描くの、ぶっちー巧いんだよなぁ……。

 なんであんな奴仲間にしたの、という鳰の言葉に幽烟は返します。

「繰馬さんは、もう侍ではいられなくなりました。別の生き方を探すためには、鳰や惣二の助けが必要なんですよ」
「へえ……侍が侍じゃない生き物になんてなれるの?

 ウッ……無限の住人かな……?

「それは繰馬さん次第でしょうね」と返す幽烟に、鳰は「はぐらかさないでよ、幽烟」と真剣なトーンで立ちはだかります。

「侍が侍をやめられるの?人殺しが人殺しをやめられるの?」
「そんな風に生き方を変えられるもんなの?」

 幽烟はゆっくり目を伏せ、「……それが叶うなら、鳰も私も、今ここでこんな話をしてはいないでしょうね」
 その言葉に微笑む鳰。
 破顔して「あーよかった」ってヒイッ!!凧糸後ろ手に構えてたァ!!!即死の選択肢を置くとか殺戮のジャンゴか???(脚本の仕事歴に引きずられる発想)

 いやでも、ここで「返事次第じゃ、幽烟のことを殺さなきゃいけなかったかも」という事は、もう仕事の斡旋とか生活の保証とか、そういう利害関係じゃなくて「鳰自身が人殺しの生き方についてスタンスの違いを許容できない」から「殺さなきゃいけない」って事だよね……。 呪術廻戦の「一度殺したら、ずっと選択肢の中に「殺す」が入る気がする」という趣旨の言葉は実際真実なんだよね……。

 人殺しの生き方について見解が一致した幽烟と鳰ですが、
「でもさあ、だったらあいつのために骨折っても仕方なくない?」との言葉に幽烟、
「結局は諦める事になったとしても」と前置きした上でこう返します。

「他の生き方に一度は憧れ夢見ることと、一つの生き方しか知らずに終わるのでは、大違いなんですよ」

 やれるだけやってダメだったなら諦めもつこう、一つしか知らずに「もしも違う生き方を選んでいたら」という憧れを半端に引きずるよりはマシである……という事でしょうね。
 そこらへん、若いのもあってよくわかってない鳰なのであった。

 一方の町屋。く、空気が死んでる……!!!!
 布団一枚分の場所しか貸してやらねぇとなかなかの横暴をかます惣二だが、そんな扱いでも真面目くさった礼を返す雷蔵に調子が狂うのであった。

 で、出たーッ!!!色町のCV:子安武人こと漁澤さんだーッ!!!!!
 両手に花の言葉通り、女の子はべらしてニヤニヤしている。おでこにキスとか海外式ですねぇ~~~あっここでアイキャッチなんだ。

 しかし長崎だからってインド系の芸妓まで抱えてるのすごいな……アンゲリアの植民地から連れてきたんだろうなぁ。ハチャメチャ高級クラブじゃん……。
 客(幽烟)を平然と待たせて女の子に口移しでお酒飲ますとかまったくもう……お熱いことですのねえ。あと遊女が中肉中背の子とふっくらした子の二人って所にガチ感を感じる……。女二人侍らすなら抱き心地に違いがあったほうが楽しいもんな!あと布団の中でわちゃわちゃしてる時に間違えなくてよさそうっていうか……。

 ここのカットの幽烟、「無」って感じで正直笑う。背景に金剛杵(煩悩を打ち砕くとされる仏の持ち物)っぽいものを図案化したピンクのタペストリかかってることも含めておもろい。いや別に金剛杵じゃなくてもいいんだけど、金剛杵のタピストリがこんな欲まみれの場所にかかってるって事がもう面白いから……。

 女郎二人が漁澤に羽織を羽織らせるシーン、「スイッチの切り替え」感あっていいな……。

 さて人払いが済んで遊郭で二人きりになった漁澤と幽烟、どうやら漁澤が幽烟を呼びつけた模様。

 あ゛ッ……はい……
 一月前の……薩摩藩主の……
 殺し
……

 はい……ウッス……。

 雷蔵の存在もうバレてんじゃ~~~~~んそらバレるか~~~~~~~~(頭抱え)
 いや~~~~マジで雷蔵の存在を抱え込む意味がなくなってきた……役人に追われる身なんだからリスクを考えたら手放すべきなんだよ間違いなく……。
 幽烟に何か知らないかと訊く漁澤さんの伸びた前髪から覗く弓なりの目、これは……チェシャ猫概念じゃな……???この食えない感じ……。

 オタクのたわ言はおいといて、
「橋の下にいるのを目撃されてからつるりと消えた」
「地元民がかくまってるんじゃねえの」と漁澤、しらを切り続ける幽烟。

 いやしかし、幽烟結構わかりやすいというか……声音から根っこの信仰心も含めた善良さが隠しきれていない感じありますね。

 ああ、ここで冒頭の役人坂田と繋がってくるのか。
 あのマッチポンプも手柄ほしさにやったことなのかな、アレじゃ足りないと……。「四代続いた大店」というビッグネームの不正を引っ張っておいて……まあ周りの反応からお察しではあったな……。

「橋の下の武蔵坊を退治したのが蒔絵師の碓氷屋だと耳に届けば、坂田は何をするか」
「しがない蒔絵師をそんなに脅かして、漁澤様もお人が悪い」

 役人も腹の探り合いっていうか漁澤の首がヤベーんか……坂田は漁澤も始末して自分の天下を作るために他の役人とも懇ろだと……。
 どこで聞き耳を立てられているかわからない、そのために番所でなく郭勤めをしており、ついたあだ名が「かいまき与力」だと。

 「かいまき」は羽織れる布団、半纏を長くしたようなもので、「与力」は警察権力的な役人なので、えーつまりいつでも遊女とイチャコラしてる警察野郎だと……。まあ事実だな。 まあ流石にそのあだ名を面と向かって呼ぶのは幽烟ぐらいなものと。なるほどねえ。

 ちゃんと番所に顔は出してるよと漁澤。坂田がしょっぴいてきた華生屋の四代目を直々に詮議(取り調べ)したんだとか。

「そいつがこんなもん寄越してきやがった」

 と幽烟に投げられたのは……恨噛み小判……。

「困るんだよねぇ~俺が受け取ったら賄賂になっちまう」
「お前さんなら、収めるべき所に収めてくれるんじゃないかねえ……?」

 コ、コイツ……!!!!!
 幽烟の「心得ました」という回答満足気な漁澤……。

 町人の間で腫れ物扱いされている坂田、
 漁澤の首を狙っている坂田、
 雷蔵を自身の手柄目的で追っている坂田、
 四代続いた大店を言いがかりのマッチポンプでおしまいにされた華生屋四代目の深い恨みを買っている坂田……。

 坂田を殺せば全てが丸く収まる、収まってしまう……つ、都合が良すぎる……あまりにも……。

 所変わって、アバンで示された「町に住めない人間の吹きだまり」を訪れた徹破と鳰。
 聞き込みをしつつたどり着いたのは……何……??悪臭に鼻を押さえる鳰、裸の人間がたくさん……死体を投げ込む穴……??
 と思っていたら、一人の女性に声をかける徹破先生。華生屋の妻ァ!?

 確かに坂田に証言したあとどこに居るかもわからなかったけど、こんな場所に……。第一声が薬を持ってきたのか、だもんな……。

「あんたらが言ったんじゃないか、仏像の中に阿片を隠せって……そしたら薬をくれるって……」

 そもそも徹破先生が坂田の使いなのか、という判断もクソもない状態にまで……薬物中毒は本当におぞましいな……。

 「薬」という言葉に反応して起き上がり寄ってくる人たち、ここは重度中毒者の吹きだまりか……。みんな服を着てなかったり女性は肌着だけだったりなんですけど、自分から着物さえ売ったか、薬代を払えなくて身ぐるみ剥がされてここに放り込まれたか……坂田の野郎……。

 という、裏取りの報告とリベンジの計画を練るため診療所地下に集まった五人。

 自分でバラまいた阿片を自分でしょっぴく坂田、それを放置した挙げ句こっちに丸投げしてくる漁澤「自分のケツも拭けねえ奴に務まるってのは、奉行所の与力様もたいそうなお役目だな」と愚痴る惣二である。まあね~~~苦労するのは下請けばかりかってね~~~~。

 「鳰もあいつ嫌い。目つきがやらしんだもん」そうだね……君は両方あるからね……。潜水服の頭かぶってるのカワイイね……。幽烟も気をつけなよ、は性的なターゲットのそれなのか策謀方面なのかどっちだろ……まあどっちでも気をつけるべきか……。
 
 しかし何にせよ、恨噛み小判はここにある。誰かがリベンジを果たさなければならないとする幽烟に「ならば(拙者が)……!」と前のめりになった雷蔵の横で「今回は俺に仕切らせてくんな」と名乗りを上げたのは惣二。
「腐っても侍相手だ、なら勝手はそっちが知ってそうだからな」と雷蔵を採用。

 いいね……仕事人だね……こういう時に私情をはさまないってのはプロだね……。
「それとも、お仲間は斬りたくねぇか?」との言葉を否定する雷蔵。
「俺もその坂田も、侍の道を誤った者なれば」
 物言いたげな幽烟と徹破、意味深な微笑みの鳰……。

 リベンジのお時間よ~~~~~!!!!!(カンカンカンカン)

 偵察役の鳰がすれ違いざまに五人と伝えてくれたのを、「薩摩のお侍様なら楽勝だよな」と楽観的な惣二。雷蔵は視線を動かすが答えない、まあせやな、これから人を斬るわけで……。
 こんな奴と同室ってのは気が滅入る、とこぼす惣二に「出て行けというなら、俺はどこへなりと」と雷蔵。
 まあ惣二は先生にお説教食らっちゃうからそれもムリな訳です。

「博打打ちはな、身ぐるみ剥がされたって施しは受けねぇんだよ」と惣二。どんな生き方にも、その生き方なりのプライドってやつがあるもんだよね。そもそも裏稼業ってお天道様の当たる道よりもよっぽどルールでガチガチだったりするもんな……。

「ならば、どうすれば」
「決まってんだろ、キッチリ白黒つけんのさ。あの部屋一間を賭けて勝負しようじゃねえか

 あ~~~己の得意分野に持ち込む口のうまさ……虚淵キャラだ~~~~~!!

 首を点数と見なしているあたりに「暴」(嘘食い概念)が日常と化した人間の業を感じる……「首狩りは得意分野だろ?」って言って相手のプライドをくすぐることも忘れてない……。

 いやでも雷蔵には若干引かれてるなコレ……「それでそなたが納得するのであれば」と答える声が固いので……。

 「ツキは俺にあるようだぜ」と験担ぎの花札引くのも忘れてませんね……無言で塀を越えていく雷蔵を見送りつつ「とまあここまで焚きつけりゃあ、こっちのもんだ」と惣二。

 さては……お前……雷蔵のことを猿叫を上げて人を真っ二つにする妖怪か何かだと思ってるな……???さっきプロ根性に感心した私の気持ち返してくれるか????

 一人目はそれ(猿叫からの一太刀)で良くても、残りに囲まれておしまいな所を自分が総ざらいしてやろうと踏んでいたんですね~~~~~その皮算用っぷり、お前博徒向いてないよ……ニコニコ動画でプリンセス・プリンシパルのドロシーが「ドロシースパイやめろ♡」ってコメント流されるみたいに、「惣二くん博徒やめろ♡」ってコメント流れてもおかしくないレベルだよ……。
 またここで調子こいた惣二の節回しが小気味よくて、それが余計におかしみを誘うというか……。

 まあ雷蔵は猪でも鴨でもないので、背後へ回ってサイレントキルもできる訳なのです。伊達に二本差ししてるわけじゃあなかった。
 しかしこう……やっぱ死体引きずる光景ってシュールだよな……ヒットマン(ゲーム)でも散々見る光景なわけですけど……。

 雷蔵に器用な手管があると知った惣二、こうしちゃおれんと明後日の方向に注意を払っていた見張りを二名サクッと始末。まっすぐ延髄狙ってるのがこえーよ……。「これでふったりっ♪」じゃねーんだわ……。
 雷蔵も二人目を始末、これで同点となりました。

 屋敷に残ったのは本命の坂田、先に遭遇したのは雷蔵でした。 油断なくすぐに剣を抜いて、雷蔵と対峙して「ただの賊ではないな」と気づくあたり、坂田も剣の腕自体は立つんでしょうね……阿片ばらまきマッチポンプ野郎に堕した時点で同情の余地はないのですが。
 すり足で近づいてくる坂田と、雷蔵がいつ抜くかの張り詰めた空気がとてもよいシーンでした。

 しかし暗がりで動いた瞬間にアキレス腱刺して、振り向いた相手の眼球と眉間狙いを正確にやってのける惣二は間違いなく博徒以外でも食っていけると思うんだけどな……本人がやりたがらないんだから仕方がないな……(「博徒やめろ♡」うちわを振りながら)。

 結局坂田を殺ったのは惣二で、賭けに勝ったのも惣二。しょぼくれた顔(に見える)雷蔵にちょっとフォローを入れつつ賭けは賭けなんだから荷物まとめて出て行け、と言いかけた所で雷蔵が刀をブッ刺したーッ!!惣二が寄りかかっていた障子戸に!!!!
 
このカットの雷蔵の目、人を殺す目をしていてよかったです。ちゃんと険のある目つきになっていたから……。

 鳰の報告では五人だったけど一人見落としの計六人、殺した数は三対三で引き分け。
 惣二と雷蔵で相部屋続行となったのでした。
 勝負で決まったことに二言はない、とする惣二に微笑む雷蔵。
 雷蔵の「そなたの方が、よほど武士らしいと思ってな」との言葉に、盛大に顔をしかめる惣二なのでした。

 自分の庵で、明かりもつけずに恨噛み小判を見つめる幽烟
 そこへやって来たのは徹破さん。惣二と雷蔵のリベンジ成功を一応報告しにきたとのこと。 穏やかに「あの二人、仲良くやってくれるといいのですが」と返す幽烟に、徹破さんの重く厳しい声。

「――本当に、そう思っているのかな?」
「と、申しますと?」

「繰馬雷蔵。これ以上深入りさせると、益々厄介なことになる。……覚悟の上かね?」

 うん……せやろね……せやな……。

「ええ……わかっています」

 そう答えながら、恨噛み小判を月にかざす幽烟。
 恨みの深さによって開いた穴を透かして見るそれは、月か光か。
 

今後の展開

 ここでEDへ入るのですが、EDのラストで雷蔵の刀に降り注ぐ花ってツツジなんですよね。漁澤さんの羽織の柄もツツジ……。
 ツツジの花言葉は全般で「節度」「慎み」、赤いツツジは「恋の喜び」。また長崎の話なのでオランダから入ってきたアザレアは「節制、禁酒」「もろさ、はかなさ」。
 現状重なるかって言われたら「もろさ、はかなさ」ぐらいなんですけど、絶対なにか意味持たせてるよな……。EDのラストカットなんだから……。

 個人的には新撰組がちょっとよぎる(五稜郭で土方さん率いる軍が壊滅したのがツツジが咲く旧暦五月頃)んですけど、まさか京都の弱小人斬りサークル(CV悠木碧)と長崎のあれこれが重なったりはせんやろ……せんよね……????


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