アニメ感想:「REVENGER」8話 ”Two of a Trade Never Again”
慣用句としては「商売敵は気の合わぬもの」、さて誰と誰がの第8話ですのよ~~~~。
詳細:アバンタイトル~OP
人の寝静まった夜更け。ついたて越しに惣二のいびきが響く中、紙に向き合う雷蔵。
息を吐いて目を閉じた闇に浮かび上がるのはゆい、振り向いたその顔は笑顔でも苦悶でもない無表情……。
遠ざかるゆいを追わず、筆を執る雷蔵。
夜が明ける頃、紙の上に現れたゆいの姿。その横には「碓心」の名があったのでした。
OP明け~アイキャッチ
雁木屋のおじいちゃん、もはや感服するしかなくなっている。
お口あんぐりからのウッキウキで幽烟に見せる流れ、孫の絵を見せる好々爺か???
幽烟もまた絶妙な表情してんな……。
「意外なものを描きましたね」
帰り道でなんかねっとりした幽烟の声である。雷蔵の事情を知る身からすればそうだよね~。
己が死に追いやった女を描くことが許されるのかはわからないが、目を閉じて浮かんで来るものから逃げられないなら他に術がなかった、と雷蔵。
純粋な感性と繋がった目と手がありのままを現してしまう、それはそれで業なのかもしれないね……。
「何であれ道を究めんとする者は、生涯向き合わねばならない題材を持つものです」
「あなたにもそれがあった、そういう事でしょう」と微笑む幽烟。
立ち止まる二人、おっ筆屋じゃん……画材屋さん、大好きなのでニコニコしてしまう……。先達見守りオーラを出す幽烟、微笑ましいな……。
降り出した雨に山道の木で雨宿りする二人。
ああ、幽烟が雁木屋に同行したのって筆屋の紹介も兼ねてたのか……。
「碓心」という雅号について問われる雷蔵。
「唯」を書き換えて「碓氷から一文字貰うことにした」と……。
「迷惑だろうか」
「光栄な事です」
雨雲が去り、日差しの中たどり着いたのは古い小屋。
「ならば今日からここは、碓心庵という事になりますか」
雷蔵、惣二の町屋を出ることになったんだな……。惣二大丈夫?ドラえもんが未来に帰った後ののび太みたいになってない?
幽烟が駆け出しの頃に使っていたというそこは町からは離れているが静かな場所であり、「あなたにはかえってよいでしょう」と幽烟は言います。
2話当時を思い出す世話焼きっぷりだな……。
「すぐに寝食の暇もなくなるほどの注文が、飛び込んできますよ」
「そうすれば、"繰馬雷蔵”と言う名と過去は全て棄て、絵師"碓心"として生きていくことができる」
「名と過去を……」
途方もないことを言われて持て余すようにオウム返しにする雷蔵。幽烟の表情は静かなものでした。
「……そのような身勝手許されるのか」
「許されるかどうかではなく、できるかどうかの話です」
「……私の背に、聖母まりあの御姿を刻んだ者は、もうこの世にはおりません」
あっ、幽烟の背中知ってる前提で話が進んでる……。
「だからこそ私は、彼と、そして同じ無念を抱えて死んでいった全ての人々を、文字通り背負っていかねばならないのです」
ねえ……もしかしてこれ島原の乱、幽烟も当事者だったんじゃないの……???Twitterの教えて漁澤さんコーナーでも「きれいな顔してるが年齢は不明」扱いだったし……。
リベンジャーとはそういったもの達の集まりであり、徹破も鳰も、決して表の世界では生きていけないと幽烟。そ、惣二は……!?いや、前二人は「いかんともしがたい性質」を抱えているからだっていうのは理解しているけど、ここで惣二スルーされるのちょっと笑ってしまうな……。
「ですが、あなたは違う」
「現にあなたは今、碓心という生き方を見つけようとしている」
うーーーーーんもしかしこれ、鳰や徹破から雷蔵を遠ざけようとしている……?
幽烟の言葉に、「……そのようなつもりはない」と雷蔵。
義父殺しから上役殺し、阿片の因果を突き止めるまでは立ち止まるわけにはいかないと語る雷蔵へ、幽烟はこう言います。
「……では、その後は?」
「……後?」
ここの雷蔵がさあ……考えもしなかったって声でさあ……。
「その因果の全てを精算し終えた後、あなたは何のために人を斬るのです?」
そう言いながら庵を去る幽烟。一人山を下りる中、
「(利便事屋を)やめるって言ってくれれば面倒がなかったのにね」
に、鳰ーッ……。いたんかい……。小屋の掃除を任せてたのか……。
「てっきりあいつが抜けるって言ったら、鳰が殺すんだと思ってたのに」という鳰に無言の幽烟。あれ……この顔、6話で徹破先生が「それは考えないとね」って言ってた時の顔と同じっぽいな……眼球を下に向けている、もしかして考える時のクセか……?
「えーダメだった?足抜けは御法度でしょ?」
「じゃなきゃなんであんな事訊いたのさ?」
「……彼が本当に死ぬべき人間なのかどうか、確かめたかっただけです」
そう鳰に返し歩き出す幽烟……。鳰は「じゃあやっぱり幽烟も試してたんじゃん」と言いますが、多分「死ぬべき人間」というジャッジを下したのは誰、あるいは何なのかというところがズレてそうなんだよな……。
一人庵に残された雷蔵の背中、彼に「死ぬべき」という念を抱いたのは誰か……。
夕暮れの帰り道、喪服を着た女とすれ違う……かと思えば礼拝堂のシスターじゃん!
「何?また呼び出し?」
「恐らく、先日の唐人街の件でしょう」
遅かれ早かれ礼拝堂の耳には入るだろうと思っていたが……と幽烟。
一方、雷蔵は筆箱を持って町へ降りていたのでした。
持ち金を確かめて入ったのはさ、酒場……!?繰馬雷蔵が酒を!?と思ったけど薩摩ぼっけもんが酒に強くなくてどうするって話だしな……。判断が鈍るという理由でこれまで飲んでなかっただけで人並み(薩摩基準)で飲めはするんだろう、多分……。
いかにもな庶民酒場ののれんをくぐって入ってきたのが侍で変な空気になる、それはそう。度量の広い大将のおかげですんなりと座敷に入ることができてよかったな……。
おかみさん、チャーミングな人だな……。やっぱり下戸ではなかった雷蔵、ここで酒を頼むことにしたのは「普段やらないことをしてみよう」という感覚なのかな……あるよね、そういう時……。
冷や奴とがんもどき、優勝である。
お酒を注いでるとき、雷蔵の口元がふっと緩むのいいな……お酒自体は嫌いじゃないっていうのがわかってね……。
酒を飲み干す中、リフレインする幽烟の言葉。ここで空の杯がアップになるのもいいな……空の杯は「その後」の雷蔵であり、注がれた「因果」を飲み干したあと、空の器に何を注ぐの?という問いそのものでもあるんですよね。
そこにどんな生き方を注ぐか……
「何やらお悩みのご様子でございますなぁ」
ンェーーーーーーーーッしれっとCV諏訪部順一が入ってきたァ!!!!
お悩み相談はよそでやって!!しっしっ!!!
まあでも席がないんじゃあ相席にもなるか……ここは酒場だからね……。
「僧であらせられるか」
「見ての通り、生臭ですがね」
清空様を見習って欲しい。袈裟が泣いてるぞ。
というか初対面から一発で「お悩みでも?」って言ってくるの占い師にありがちな手口だな、そりゃ誰でも悩みの一つや二つ抱えてるんだから「当たる」んだよ。外す方が難しいレベルで……。
人の心に入り込む術を心得てやがるなぁ……。
「罪科背負った衆生を率いて、巡りたるは四国八十八カ所、というわけでございます」
ここでお遍路やってるってわかるんですね……貞ちゃん……。
「一つ訊くが」と雷蔵に切り出された時の息すっごいな……「なんなりとお尋ねください」感がこの息混じりの声ひとつで表現されている……声優ってすごいんだ……。
「遍路の旅は、殺生の罪も贖えるものであろうか」
変なもの食べたような顔の後、口を押さえて吹き出す貞ちゃん、まあそれはそう。
お上の命令で人を斬って治安を保っている侍が、自分の仕事を罪と言ってるようなものだからね……。
それはそれとして雷蔵くん、頬に横線入れてる場合じゃないと思う……そいつの前では……。
「坊主の商売が葬式念仏なら、お侍様の商売は殺生でございましょう?」
「僧侶の物言いには聞こえぬが」
それはそう、葬式も念仏も本来は救いの手段であって飯の種ではないからね……。
「あっしに言わせれば、不殺の戒の方が、よっぽどおためごかしってもんで」
ここでめざし……にしては大きいな、魚を丸かじりにする貞。
構図がテーブルを真ん中に貞と雷蔵なんですけど、めちゃくちゃしっかり対比にしてきてるな……。
豆(=種)も植物の命には相違ないわけで、それをすり潰して成形している豆腐や、他の食べ物も混ぜ込んで揚げるがんもどきというのは、「殺生の本質を感情や道理、宗教、法でごまかして都合のいいように作り替えている」人間社会のメタファなのでしょう。
そういう世界、社会で生きている(豆の成形物を食らう)雷蔵の目の前で「生きていた姿のまま魚を丸ごと食らう」貞、というのは、
「なんだかんだ言っても生存の本質はこれ」という事を突きつけているという事になるのでしょうね……。
実際ここからの貞の話は
「肉食を絶っても所詮は同じ(草や豆を食っているから)」
「森を開いて田畑を耕せば、野の獣はどうなりましょう?」
「いっそ直に手を下す分、弓矢で殺す方が銭で殺すより潔いとも言えますな」(ここバラライカの「お前の正義だってずいぶん生臭いぞ」だな……)
という感じで……実際江戸時代は燃料として木をガンガンに使っておりましたから、人が発展するほど森や林は削られるわけです。
それにしたって極端なんだよなあ~~~~~~。
「命を金で買う」という、日常には遠い言葉を「寿命がある以上時間ってのは命も同じなんだから、大工や商人に銭であれこれ労苦をさせるなら、そいつの命の幾ばくかを銭で奪ったも同じ」って理屈で「日常」に急接近させてくるのやめろよ……。もしかしたらこいつ、CV諏訪部の声と僧の姿をしたモノクマなのかもしれない……。
「"身銭"とはよく言ったもので」
「金が天下を回るなら、その分だけ、命が失われていくのがこの世の仕組みというものでございます」
2尾いたお魚が貞に食われて1尾になる……演出が上手いな~~~~~~~(大の字)!!!!
「……その理屈では、自らの手で人を斬った侍も、店先で花を買っただけの女子(おなご)も等しく人殺しという事になるが」
杯を置いた時の高い音、満ちた杯(=今の雷蔵)の中で揺れる酒……。
「流石お侍様、殺生の話は理解が早い」
「仰るとおり、あなた様は剣で殺し、世間様は銭で殺す。それだけの違いでしかありゃしません。ですから」
「人を殺めた罪などというつまらぬ事でお悩みなさらぬ事ですな」
違うのだ!!!!
これは流石に雷蔵じゃなくてもキレる、それはそう。
即座に席を立って去ることができるだけえらいよ……ちゃんとお金もおいていくしさ……(金額は制御できなかったが)。
いや~~~~~~~~極端が過ぎる。その極端さを理性と理屈と建前と「なんとか今よりマシになりたい」という気持ちで法律を変えつつ、公平を目指して足掻いていくというのが人の歴史なんですけど、そこに冷や水ぶっかけるタイプの諏訪部か~~~~~そっか~~~~。
近頃ニトロプラスの諏訪部順一って度量がバカみたいに広い武侠の諏訪部とか、奇行に走りながらも垣間見える孤独の案配が絶妙な諏訪部だったから新鮮だな……。
アイキャッチ明け~ED
さて、翌日の礼拝堂。
6話の件は「唐人街での狼藉」扱いなんですね、それはそう。
いや……それにしても「この町はでうすの裁きを待たず、自ずから滅びに至るでしょう」ってあの、拠点がある町がぶっ壊れるかもって話なのに他人事みたいに話すじゃん……。
そこへさらに追い打ちをかけようとしているのが劉だって言われてもな……。「この者に阿片が渡ることは、あってはなりません」か……。
シスターが持ってきたトレイの報酬を受け取ろうと顔を上げた幽烟が驚く、お、大判だ……恨噛み小判を渡したら大判になって返ってきた……。
やたら黒ずんでるけどなんの汚れだろ……。
ジェラルド司祭に、劉がリベンジすべき相手と告げられる幽烟。
「……しかし、恨噛み小判はどこにあるのでしょう」
冷静だなぁ……ここにあるのはあくまで「黒ずんだ大判」だもんね。
「わかりませんか……?その大判に託された恨みが。それがどこで、焼かれたのか……」
「島原……?」
わ~~~~~やっぱり島原の乱が絡むのか~~~~~!!!!
いやでも待って、島原の乱って史実に倣うなら度を超えた税収からくる反乱だよね……大判なんか残ってたのか……???本当に島原で焼かれたものだとしても、権力者側のものじゃないの……???
「彼の地で信仰に殉じた信徒達は、いつの日かの大いなるリベンジを願い、我らに、その大判を託しました」
ほんとか~~~~~?????ねえほんとか~~~~~?????
「お膳立てさえ整えたらあとは何とでもできる」ってのを、僕らは5話の鳰で知ってるので……。
「その恨みでは、足らぬと?」
「彼らがリベンジを願ったとて、相手は公議のはず。なぜ劉を?」
「事は一刻を争うのです!」
幽烟の疑問はもっともなはずなのに、ジェラルド嘉納ってば珍しく声を荒げていますねえ……。
「劉が松峰の阿片を手に入れたら手遅れになる」
「島原よりの黄金を託せるリベンジャーは長崎においてあなたたちだけ」
「神の名において劉を討ちなさい!」
はあ~~~~~「時間がない」「君たちの実力を買っている」「神罰の使いとしてやれ」かぁ~~~~お手本みたいな思考停止コンボありがとうございます。幽烟にはまったく効いてないどころか不信感を煽る結果になりましたが……。いやむしろそれでもいいのかもしれないが……。
幽烟の顔がすごくしょっぱくて共感の嵐である。
そんなわけで礼拝堂直々のリベンジ依頼を大判と共に持ち帰ってきた幽烟、惣二が初めて触る大判にウッキウキである。そりゃな、惣二はな……。
雷蔵に指摘されて歯形がないことに気づいた惣二、コレがほんとの金に目がくらむってやつですかね……。
今回のリベンジは礼拝堂から直接、と述べる幽烟の声が人形みたいなんだよなぁ……。徹破先生も「尋常のリベンジとは言いがたいねぇ」と思案顔。
幽烟と徹破先生が「礼拝堂の狙いがわからない」と話す中、「無茶が判ってるから礼拝堂も大判寄越したんだろ」と惣二。そういうリスクを秤に乗せないのが「リベンジャー」だったはずなのですが……。
雷蔵も気乗りしない事に対して「どうせ劉とは白黒つけなきゃならないんだから丁度いいだろ」と返す惣二。そういう私情を秤に乗せないのが「リベンジャー」なんだぞ……。
というかここでの雷蔵の目がゴミを見る目で正直おっかねえんだけど、この視線は大判に注がれていると信じたい。
「俺は幽烟殿に言われた」
「リベンジは金ではなく、刻まれた恨みの深さによって為すものだと」
「だからそのリベンジの元締めが、歯形なしでも構わねぇって言ってんだろぉ?そしたら俺達は動くしかねえんだ。」
利便事屋が小判のえり好みなんかしてたら、手前勝手に人を斬るのと何が違うのか、と惣二は持論を締めて幽烟に同意を求めますが、落ちるのは沈黙。
サメの歯形を被った鳰が沈黙を破ります。
「だったら惣二は先に幽烟始末しないとね」
恨噛み小判なしのリベンジは絶対に許さないのが幽烟だと語る鳰。
「このままだと惣二、幽烟に殺されちゃうよ」
だから殺されたくなきゃ幽烟を始末しないとね、って話ィ~~~~????
「鳰はどうしようかな~?幽烟といっしょにやるのも楽しそうだけど」
陣営分けを始めんでもろて……そんな楽しそうに……。(そこが鳰だけども)
だからと言って礼拝堂に大判突っ返そうにも無理だろうしね~。
「だが、先に道理を破ったのは礼拝堂とやらなのだろう?」
「そうだね~。じゃあ礼拝堂の奴ら皆殺しにしちゃう?」
相変わらず無表情の幽烟、面白くなってきた、と眼鏡を直す徹破先生……。(好き)
再度落ちる沈黙と裏腹に高まる剣呑な空気、たまらず「長崎中の利便事屋とやり合う気かよォ!!!」と叫んで幽烟に本気かと詰め寄る惣二。
「少なくとも礼拝堂の意図が何なのか、それを確かめる必要があります」
「我々は復讐者であり、礼拝堂の犬ではない」
ここで重なるギターが最高。健康になる。
「あるいは、僕らが犬になるかどうかを確かめたくて、それを投げて寄越したのかもしれないけどね」
徹破先生……これ以上は惣二がパンクします……!!!
頭をかいて大判を鳰に投げつけた惣二、ここフリスビー投げを連想させるな……あえてやってるんだと思う。
「しょうがねぇ、こないだの手だ!」
「てめェ鳰公!今すぐそれ持って、唐人街へ行きやがれ!」
意図がつかめない鳰は嫌がりますが、「劉の野郎が殺されて当然の悪党なら、そいつを噛む奴が一人や二人、すぐ見つかんだろ!」と言われ、5話で自分が使った手であることに気づきます。
幽烟からも頼まれた鳰、「も~めんどくさいなぁ~」と言いますが「そりゃこっちの台詞だ!」と惣二。
その「めんどくさい建前」こそに、人が人である証が詰まってるからね……。 そんな惣二の叫びをバックに、「劉が阿片を"何故"求めるのか」について考え出した雷蔵なのだった。いいぞ……。
一方の長崎会所。ソテツの木に巣を作って雛を育てる親鳥。しかし離れた隙を狙って巣に入り込む蛇、響く悲鳴を果たして親は聴いたのか……という「自然のありさま」を望遠鏡で眺めるのは遍路の貞でした。
「お前かい!」って素で言っちまった……。
庭の席で待っていた貞の元に来たのは会所の主たる宍戸、いやそれはいい、それはいいけど礼拝所のシスターもいるのはいかんでしょ……。つまり明らかにグルだし、阿片を長崎に蔓延させることをなんとも思ってないと……。
呼ばれればどこにだって参上はするが、長崎にはリベンジャーがたくさんいるでしょう、と小判型のビスケットかサブレを犬に与える貞。それ犬に与えていいものか……?
幽烟組、奉行所の役人相手でも容赦しないとんでもない狂犬扱いされてる……つまり他は「犬」だと……。そしてその狂犬たちは近頃飼い主でも持て余していると……シスターはずっと虚空を見て「私は何にも知りません」という素振りだな……。
そして会話の背後でずーっとワンちゃん達が小判(型の菓子)を求めて荒ぶっている……。
「首輪の脱げちまった犬は、時々狼よりもタチが悪い」
などという貞ですが、その首輪って「欲」「保身」じゃん……。
「信念」を軸にする幽烟にはそもそもその首輪が合わないだけなんだよな~~~~犬だろうが猫だろうが合わない首輪は外したがるでしょ……。
鳰のチョーカーといい、なんか「首輪」ってモチーフが挟まるなこのアニメ……人と獣を分けるのは一体なんなのか……。
自分たちに話が来た理由に納得した貞、「恨噛み小判さえありゃ、親兄弟のとこにだって出張ります」と言いながら、小判に恨みをちょいと刻んで欲しいと宍戸に頼みます。
「いやはや、話が早くて助かります」
「ああ、憎い憎い」
あの……小判って含有量にもよるけど表面は金のはずだから……ちょっと噛んだだけでも多少なりとも傷はつくはずなんだけど……アイドルがサイン色紙に入れるキスマーク(古いな……)の方がよっぽどしっかりしてるが……????
「私の邪魔をする奴らが、憎い」
それ自体は本音なんだろうけどね……。その証明はどこにもない……。
そんな風にしてテーブルに積まれた5枚の小判を並べて貞の一言。
「真に深い恨みでございますなぁ」
す、すごい棒演技だ……演技のプロの棒演技だ……。
本来「儀式」とは気持ちの区切りのために存在する面があるので、「儀式」に向かい合うものには真摯さが求められるのですが、盛大に上滑りしたこの……ツルッツルやぞ……グランフロント大阪にある屋外スケート場みたいなツルッツル感……。
ここでさらにペットの猿が寄ってきたことに対して「ここにも丁度恨みを持つものがもう一人。構いませんか?」っておま……おまえ……。
獣が恨みを持つか、あるいは持たないかの証明ができないからってお前……。
その言葉を受けてしれっと「よござんすよ」と答える貞。
「誰が噛もうが、恨噛み小判は恨噛み小判。利便事屋は、利便事屋でございますから」
う~~~~~~んこの……。(倒れる)
これで小判は6枚、幽烟たち5人+劉で6枚か……。
ワンちゃんの争いにもケリがつきましたね……。視線すらも微動だにさせないシスターの内心やいかに……。
さて夕暮れ、変装して唐人街入りした鳰くんちゃん。
同じ頃港の船では劉が手紙をしたため、側近へ手渡していました。
唐人街の大通りを歩く鳰、見覚え(雷蔵が似顔絵描いたのかな……)のある男へぶつかったように見せて手紙をスリ取る事に成功!ヒューッ!
一方貞も動き始めます。唐人街を見下ろせる高台で、修験者の服を着た男が箱を開け……ゲエーッ!?!?ライフル!?!?ここに来てより大きなトンチキが来たーーーーッ!?!?!
金色だし、材質自体は真鍮っぽいのかな……真鍮で銃器って作れるのかな……?
(所でこのスナイパーの人……目が金色っぽいんですけど鳰と関連ない……?大丈夫……???)
人気のない庭園で手紙を確認する鳰、は、白紙を掴まされた……。
「あの男の仲間か」
アッ……その……。
沈黙と緊張が走る中身を翻す鳰、あっさりと劉に捕まってしまう。
「ネズミが一体なんのつもりだ」
「貴様こそ、何が望みだ」
雷蔵ーッ!!
あっ鳰が発勁で黙らされてしまった……。ほんと手慣れてるな……。
劉と雷蔵が対峙する中、着々とライフルが組みたてられてゆくゥ……。会所で貞が使ってた望遠鏡はスナイパーのスコープだったんですね……。
「なぜ」阿片を求めるのかを知りたい雷蔵、劉に問いただします。
「薩摩藩勘定奉行の阿片、どうするつもりだ」
「どこまで愚かなのだ、貴様らは……」
「罪なき人々を阿片の毒で狂わせるのが賢しさなら、俺は愚かでよい!」
「何……?」
「!」
あっこれは……劉、阿片を取り締まる側だな……?
「愚か」にかかるのは「阿片が蔓延したらどうなるかわからないのか」だな……!?
いやでもそれどころじゃないよーッ!!!弾込められてるよーッ!!!!
スナイパーのカット、画だけ見たら美しい画なのがすごい複雑……。トリガーに指がかかっていつでも撃ててしまう……。
一方の幽烟、惣二、徹破も動いており、もう一人の側近を無力化して手紙を確保。なるほど、鳰はおとりのほうに引っかかってしまったのか……。
「宛先は、清国欽差大臣。林則徐……」
「するとあの男は……」
わかってない惣二かわいいな……。「欽差大臣」とは「内乱、戦争、外交交渉など特定の事件処理のため与えられる臨時役職の中でも高い地位の者」とのことです。
この場合の「臨時事件」とは、間違いなく阿片対策でしょう。史実でもイギリスから流れてくる阿片に対応し、アヘン戦争に大きく関わったのが「林則徐」です。
つまり、林則徐とつながりのある劉は阿片を取り締まる側。
その劉を始末したがった礼拝堂は……。
スコープ越しの雷蔵、構えを解いてるな……。アンジャッシュ状態は解けたと見える。
いやそれどころではないんだよマジでーーッ!!!
とうとう音もなく放たれた銃弾、貫いたのは……劉……。
「リベンジ、仕って御座います」
さ、貞ァ~~~~~!!!!!今までで一番イイ顔と声をしやがってよおコイツ~~~~~~~~!!!!!
っていうか……この流れでEDだと劉が召されるEDみたいになっちゃってるだろ……!!!
それはそうとライフルのデザインが石渡マコトさんだったのでガッツポーズしてしまいました。流石ニトロプラスのメカある所にいる男、石渡マコトやで……。
今後の展開
次回9話、「Mutual Understanding」。
相互理解……まあ「こいつらとは何をどうしたって共存できない」という事を知ることも相互理解だもんな……。
劉、生存しててほしいな……スコープの光が一瞬でも見えたっぽいし、とっさに急所をズラして生存したが戦線離脱、とかで……どうすか!?(どうすかではない)
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