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鋭く放て、この一打

【1/8】
野球に全く興味がないわけでもないが、WBCのときにテレビで見たり、大谷翔平のニュースを見たり、半年に 1回ぐらいイチローのスーパープレイまとめ動画をYouTubeであさったりと、それぐらいの感心しかなかった。

知識としても巨人と阪神がセリーグで、元近鉄のオリックスにはベルたそという可愛いマスコットキャラクターがいることぐらい。
あとは野球ファンのネット民がエセ関西弁で会話をするということ。

そんな自分だが、小学生の頃に 1度だけ家族で東京ドームに行ったことがある。
対戦相手も試合結果も覚えていない。
翌日学校があるからと途中で帰り、車の中でラジオで残りの中継を聴いた気がする。
勝った記憶はないのでおそらく負けたのであろう。

そこから月日は過ぎてーーー。

【2/8】
2024年5月6日

広い

横浜ファンの友人に誘ってもらった。
現地で野球観戦したいとずっと思っていた。
球場の広さや、野球ファンの人たちの熱量を生で感じてみたかった。
話は思いっきり逸れるのだけれども、涼宮ハルヒの憂鬱というアニメの主人公ハルヒは「小学生の頃に初めて行った野球場で、あまりの人間の多さに自分の小ささを知った」という設定がある。
小学生の頃の自分は野球場で特にそんなことを感じなかったけど、改めてハルヒを知ったあとにその感覚を追体験してみたかった。

野球場の広さを目の当たりにしても、「競馬場の方が広いなぁ」とか「ドームコンサートでもこの人数いるしなぁ」とかそんな感じで、さすがにフィクションの少女のような衝撃を受けることはなかった。

とは言えど今まで観てきた音楽ライブなどと違うのは、違うチームを応援している人が同じ場所で叫びあっている状況だ。
考えてみたら、スポーツにしろ大会にしろ、人々が直接戦う姿を見ることがほとんどない生活をしてきた。
そもそも、勝敗が明確にわかれるものを本気で応援したことがなかった(と思う)。

そんな中で選手の名前も知らず、しかもどうやら負けそうな雰囲気のある試合を「まぁ勝つか負けるかなんて1/2だしなぁ」ぐらいの感覚で観ていた。
なんせ野球のルールもわからないので。
慣れてるファンたちは審判の動きでボールかストライクかわかるみたいだけど、そんなものわからんので、球を投げるたびにボードを見て今の球がストライクだったかどうか確認していた。

【3/8】
このまま負けてその日の思い出は終わると思っていたら、筒香という選手が出てきた。
出てきたというか、それまでも何度か打席は回ってきているのだけど、
そこまで強い印象には残っていなかった。
どうやらその日は筒香選手が海外から帰ってきて、2軍から 1軍に戻った最初の試合だったらしい。

ファンの声援で期待されているのがものすごくわかった。
ランナーが塁に出ていたので、ここでホームランを打てば逆転できるんだから、そりゃもう盛り上がるだろうファンは。

でもそれまでの流れで、どんなに期待してもダメなときはダメ、流れが良くない日はそのまま負けるだろ、と思っていた。
気づいたらボールは高く飛んでいて、ホームランになりそうな軌跡を描いていた。
そのまま入ってしまうもんだから、叫ぶことしかできなかった。
厳密には叫びながら前後左右のファンの人たちとずっとハイタッチしていた。

それまで名前を言われてもピンとこなかった選手。
WBCにも出ていたとあとから知ったけど気づいていなかった選手。
(めっちゃ活躍してたのに)
確かに言われてみればいた気もするけど、筒香=ツツゴウって、文字と音のイメージが違い過ぎてピンとこなかったのだよね。

(自分から意思を持って)初めて観に行った野球で、こんな劇的な勝利をされてしまったら、もう惚れるしかない。
試合のあと 1週間は公式YouTubeでそのホームランの動画を毎日観ていた。

【4/8】
あともうひとつ球場に行ってDeNAが好きになったところがあった。
応援歌がいい。
雑に言えばどの曲もそりゃ盛り上がるような曲なのだけど、
一曲だけズバ抜けて良い曲があった。
チャンステーマ0(チャンテ0)と呼ばれる曲だ。
調べたら原曲はゲームの曲で人気曲らしく、色々な人もカバーしていた。
これについて書くとさすがに長くなりすぎるので書かない。

と見せかけて書く。
YouTubeにアップされているものは権利が微妙そうなので、
とりあえず一番好きなブラバンカバー版のSpotifyリンクを貼っておきます。

ドナルド(アヒルの方)の伯父とドナルドの甥っ子3兄弟が主役のアニメ、ダックテイルのゲーム版のBGM。
子どもの頃、小学校に行く前におはスタのあとにやってたよな。たしか(上の情報はググった)。
それとも専用チャンネルで見た記憶だったかしら。

まぁその曲が非常に良くてですね。
メロのコード感とかそういう話はこの際どうでもよくて、
チャンテという概念を知らないタイミングで聴いているにもかかわらず、
初見でも今がチャンスだとわかるようなキャッチーさ。
多分この曲が無かったらここまでハマにハマらなかっただろう。

【5/8】
その後 1ヶ月ぐらいはJsportsに登録して見ていたのだけども、
とはいえど熱しやすく冷めやすい(もはや逃れられない)宿命を背負っているので、
筒香選手の怪我とともに熱心に試合や試合結果などは追わなくなっていた。

そしてまたしばらくしてYouTubeのオススメに野球関連が表示されなくなってきた頃。
友人からの知らせで、どうやらDeNAが調子がいいと知った。
そのあとはまたチケットを一緒に取ってもらい、行くことが決まった。

【6/8】
2024年10月27日
vsソフトバンクの日。

球場より広い

その日の午前中は府中競馬場に行った。
ドウデュースが勝つとは思ってたんですけど、
調子に乗って3連複なんて買うもんだから負けました。

(3行で軌道修正)
日本一を決める戦いらしく、ここで4勝した方が勝つということだった。
前回の反省点からラジオを持って行った。競馬場でも使えるし。
片耳でラジオを聴きながらみると、すぐに今の球がどうだったのかとか、選手が誰だとかわかるのですごく楽しかった。
radikoや情報アプリと違ってラグないし。

なかなか点が取れない中、割と早い段階でボコボコにされて。雨も降ってきた。
雨ガッパを買いに友人と物販に並んだ。
片耳でラジオを聴きながら並んでいたので失点したときに「5点目だってよ」と友人に伝えた。
そうしたら前に並んでいたマダムに「それ、ラジオ?」と話かけられた。
マダムもアプリかなにかで速報は追っていたみたいだが、どうやらその更新よりもラジオの方が若干早かったらしい。
「ラジオっす。今また点取られたみたいっす。」
と伝えたところ、マダムも肩を落としていた。
自分も友人もマダムも他の人も、みんな雨に濡れながらそれでも楽しもうと、応援しようと、物販列に並んでいるのだ。

マダムとの会話はそこで一旦途切れた。
その後、友人との会話の中で「でも筒香ならなんとかしてくれっから」と口に出したところ、前のマダムが前を向いたまま、首を大きく縦に振った。
そこからは会話はいらず、マダムと自分は筒香のユニフォームを手に持って会計まで行った。
値段書いてなかったけどレジまで持って行った。
雨ガッパ600円、ユニフォーム 1万円。
値段書いとけや。
もしくはTシャツ5000円ぐらいで売っとけや。

その試合は途中で点は取れたが追いつくことはできず負けた。
負けは確かに悔しいが、チャンテ0が1、2回しか聴けなかった方が切なかった。
あのあとたくさん聴いて歌詞も覚えたのに。

そのあとの3戦はTVerで試合観戦をした。
なんだか調子が良いようで、3連勝していた。
野球って不思議だな。

【7/8】
2024年11月3日
日本一に王手。

競馬場よりも広い

その日の午前中は奥多摩に行った。
優勝祈願とかではなく観光に。
朝にホットサンドと昼に焼魚定食とおやつにクリームソーダを食べた。

渓流沿いを歩いたりして自然を満喫して。
夕方前に解散して。

ユニフォームとタオル、その他応援グッズを取りに一度帰宅した。
その後、スポーツバーで球場に行ったときのメンバーで集合した。
スポーツバーで応援することも初めてだったので、相手チームファンと気まずくないのかとか、ユニフォームを着て行っていいのかとか、色々心配だった。
行ったバーではDeNAファンが多く、8割がそうだった。
ちょっと遅れて着いたので、すでに筒香が 1発ホームランを打ったあとだった。

漢字で2文字、アルファベットで9文字

推し選手のユニフォームの意味をそこまで理解していなかったのだけど、
とにかく着ているユニフォームの選手が活躍すると話しかけられる。
「筒香ヤバいですね」と話しかけられたときに「ヤバいですね」と答えるぐらいしかできないけど。
でもDeNAファンの人はみんな気さくで、楽しそうに思い出話をしている。
そんな話を聞くだけでも楽しい。
他のファンが着ているユニの選手が活躍してそのファンが喜んでいると、よかったねぇとも思う。
なんとも不思議な感覚。

試合結果は言うまでもないが、流れを作った筒香のソロホームランも、2アウト満塁からのタイムリーツーベースも、やはりヒーローなんだよな。
テレビモニターの前でみんなで酒を飲みながら拍手して応援して歌って、こういう文化に触れる前だったら不思議な光景だったけど、すごく楽しい(勝ってるときは)。

ユニフォームのまま浮かれて飲食店に行ったらそこでもDeNAファンの人から話しかけられたので、きっとDeNAファンの人たちはいい人が多いのだろうな。

唯一残念だったのは、チャンテ0があんまり聴けなかったこと。
まだ状況による選曲の基準がよくわからないけど、また来年も球場でたくさん聴きたいなぁ。

【8/8】
書きたいことを全部書いてしまったので、野球の話の間に逸れまくってしまったな。
読みやすい文章とかを考えて書くのならば取捨選択は必要だろうが、
別にそれを目当てにやってるわけではないのでね。
関連する思い出とか感情は、まとめてアウトプットしておきたいのだよね。

熱しやすく冷めやすいから。
というか興味の対象が多過ぎるのよな。
でも後から思い返したときに「あのときは熱中していたなぁ」とできるだけ鮮明に思い出したいし、忘れてしまうのもったいない。
またハマったときに、この感覚を思い出せるよう。
また来年もハマスタに行きたい。
応援歌も覚えなきゃな。

【P.S.】
全然関係ないけど、今日郵便局でちいかわの紙袋を持ってきた人が、おもむろに中から札束10個ぐらい取り出してて2度見した。
多分袋の中にはもっとたくさん入ってた。
つまり擬態型...ってコト!?(完)

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