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ストリートピアノで武者修行する。

ストリートピアノを弾きに行った。

その場所が一番空いている時間を選んだから、ピアノの順番待ちもほとんどなく、通りすぎる人も少ない。

人通り少ない時間を選んだのは、まだ練習中の曲を弾きたかったからだ。


今、私は来春の発表会に向けて2曲を練習している。

1曲はクラシックだが、もう1曲は趣向を変えて「ルパン三世のテーマ」にしてみた。

一般的に「ピアノを習う」というのは「クラシックを弾く」ということだ。

6歳で習い始めて以降、レッスンを受けていない時期はあったものの、基本的にクラシックを弾くためのレッスンを受けている。

するとどうなるか。

弾き方が「クラシック」になるのである。

クラシックにもジャズにもJ-POP にも、それぞれの良さがある。
しかしそれらは別物だ。

もちろん、聴くときはジャンルを気にすることはない。
なんでも好きなだけ聴いたらいい。

しかし演奏するとなったらそうはいかない。
まして発表会だ。

音楽に出会ったばかりの大事な時期を過ごしている子どもたち。
(一生音楽を楽しめるか、嫌いになるか、この時期の「出会い」は大事なのだ!)

基本的に我が子の発表を楽しみにして会場に集まる保護者たち。
(我が子の友だちの演奏ならともかく、大人の生徒の演奏なんかどうでもいいに違いない!)

発表会という場所である限り、お行儀よく聴かねばならない。

興味がなければ立ち去れるストリートピアノのようなわけにはいかないのだ。

なかば強制的に、無理やり聴いていただくのに。
あるいは聴いているふりをしていただくのに。

クラシック臭の抜けきらない「ルパン三世」を弾くのは、ちょっとした罪だと私は思う。

もちろん努力した結果がそれならば仕方ない。

しょせんクラシック畑の人間だ。
普段はショパンのような、ロマン派を弾くことが多いのだ。
「ルパン三世」なんて、対極のような作品じゃないか!

でも努力は出来る。
クラシックではない、本来の「ルパン三世」を目指して。


というわけである程度、練習したところでストリートピアノを弾きに行ったのだ。

ストリートピアノで弾くことは、とてつもなく勉強になる。

まず楽器。
弾き慣れた自宅のピアノでもなく、ふだんレッスンで弾かせていただく先生のピアノでもない。

発表会も当然弾き慣れないピアノだ。
慣れないピアノで実力を出すのは本当に難しい。

…自分のを持ち運べない楽器を選んだ以上、それは当たり前なんだけれども。

そして普段と違う環境。
他人に見られるプレッシャーはもちろんだけど、もう少し物理的な意味での環境。

たとえば光の具合(まぶしかったり)とか、風の具合(楽譜がユラユラしたり)とか。

また発表会というのは基本的に、客席が弾き手の右側に限られるし距離もそれなりにある。
ストリートピアノは四方八方から見られるし、場合によっては楽譜をのぞきに来る人もいる。
(たぶん、曲名を知りたい)

いろいろ、ある。

だからこそ自分の弱いところが分かりやすい。

集中して取り組める、自宅の弾き慣れたピアノでだったら間違わなくても、ストリートでは間違う。
しかも間違うのはだいたい同じところ。

そこが、今の私の課題になっているところ。
改善すべきところだ。

どこが悪いか分かったらあとは直していけばいい。
しばらくは自宅で練習して、うまい改善策が見つかりそうもなければ先生にアドバイスを求める。

ある程度、前進したらまたストリートにチャレンジ。


本当に上手な方やYouTubeにUPしてるような方とは、少しストリートで弾かせていただく目的が違うので、人通りの少ない時間を狙っていくのだ。

クラシックにはない「ノリの良さ」を身につけて「楽しく」弾けるように、またそのうち弾かせていただきます!

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