つば広&あご紐付きが最強!
負けたぁぁぁ!
朝の通勤時間帯に、サファリハットをかぶった30歳前後のサラリーマン男性を見かけた。
私の「負けた感」といったらハンパじゃない。
昨今の夏は暑い。
夏は暑いものだが、周知のごとく、とんでもなく暑い。
日中に行きかう、退職して数年くらいの若い高齢者(?)は男女を問わず帽子をかぶるようになった。
もちろん帽子率100%というわけではないが、見たところ半分くらいはかぶってる気がする。
女性は日傘の場合もあるし、近年は日傘と帽子の両刀使いも現れている。
ちなみに私は10年以上も前から日傘と帽子の両刀使いであるけれども。
数年前からは、比較的若めの30代くらいの男性の日傘も見かけるようになった。
昨年の夏は、男性の日傘を見てももはや何も思わなくなった。
さて、私は若いころから一年中帽子をかぶっている。
それには、さまざまな理由がある。
日除け。防寒。ボサボサあたまを隠す。
とにかく帽子が便利過ぎて、愛用しまくっているのだ。
もちろん色々なデザインを取り揃えている。
キャップ。ハット。キャスケット。ベレー。麦わら。
季節やファッション、時間帯にあわせて選ぶ。
ところで私が持っている帽子には、あご紐がついていない。
ついているとファッション性を著しく損ねる可能性が高いからだろう。
あご紐のついた状態でも問題ないのは麦わらくらいのものか。
しかし、このファッション性重視のおかげで、先日とんでもない目にあった。
年明けから利き腕である右側の五十肩になっているのだが、やってしまったのである。
何をか。
そう。
いつものように帽子をかぶって歩いていた時、突風が吹いたのだ。
反射的に、右腕をサッとあげて帽子を押さえた。
その瞬間、モノも言えないレベルの激痛が、二の腕を襲った。
五十肩というのは、可動範囲が前後左右に異常に狭くなる。
腕を上げるなんてことは、不可能なのだ。
不可能を可能にした突風。
激痛に、3分ほどもだえた。
一緒に歩いていた家族との会話にあいづちを打つこともままならない。
交差点をふたつ過ぎたところでようやく「今激痛と闘っていた」という報告が出来たのだ。
それで私は悟った。
今年は五十肩のおかげで日傘はさせない。
左で日傘をさしたら、買い物を持つ手がなくなるからだ。
そして帽子も今までのようにはかぶれない。
突風に対応できる腕を持ち合わせていないからだ。
ちなみに極端な右利きのため、左腕は右腕ほどの反射神経をもっていない。
それに左で帽子を押さえようと思っていても、結局反射神経は右を推奨してしまうのだ。
これは、帽子にあご紐を求めるしかない!
さっそくあご紐付きの帽子を探したら、意外と街中に売っていた。
しかも、お気に入りの雑貨屋さんでセールになっているではないか。
狩ったよ。
違う。
買ったよ。
気分のアガる、つばが広くて、しかもあご紐付きの、かわいいヤツ。
うっひょ~ぅ♪
その日から私はあご紐付きの帽子で外出している。
あぁ、早くからこれにしておけば良かった。
そして、話は冒頭に戻る。
あご紐付きの帽子で歩く私の先を、サファリハットをかぶったサラリーマンが行くのだ。
サファリハットとは、つばが広くてあご紐がついてる帽子である。
つまり私の新しい帽子と似たような形なのだ。
私のはサファリではなく、どちらかというと婦人帽って雰囲気だけど。
サラリーマンが帽子をかぶって歩くなど、以前は皆無だった。
それを昨今の暑さに対抗するためとはいえ、颯爽とこなしているだけでもかっこいいではないか。
サファリハットは、つばが広くて日除けとしてバッチリ。
しかもあご紐がついているから飛んでいかない。
つば広&あご紐の帽子、最強説キタ。
その真理に私よりずっと短時間でたどりついているサラリーマンさん。
ひとことで言うなら、すげーーー。
何十年も、一年中、帽子をかぶって生活していながら、帽子の真理になかなかたどり着けず、五十肩をさらに痛めつけてしまった私。
なにやら件のサラリーマン男性に負けたような気がしたのだった。