断捨離ってひとりでやるの、大変だよね。
うちの中に一部屋、完全なる物置部屋が存在していたことがあった。
引っ越してきて以来、一度も開けたことのない段ボールたちがたくさん。
大きな棚がふたつと、クローゼット、そして床の上にも。
あるとき「こんまり流ときめき残し」に感化を受けた私は、重い腰を上げた。
片っ端から段ボールを開封する。
モノをひとつ手にとっては、「ときめく」か「ときめかない」かを判断し、ダンナに手渡す。
「これはAの袋に入れて」
「これはBの袋にね」
「これとこれはCの袋に」
AとBとCの袋は、すべて同じものである。
なんの変哲もない透明の45Lゴミ袋。
初めは「ときめき判断」に時間がかかっていたが、脳が慣れてくるとそのスピードは格段に上がる。
Aの袋が大活躍し、やがて3袋にまで増えた頃、ダンナが言った。
「えー。ホントにこれ、Aなの?BかCじゃないの?」
・・・バレた。
私の脳内でAは「ときめかない」ものを入れると決めていた。
いわゆる断捨離対象。
ダンナは捨てられない人間だ。
私も人のことは言えないけど。
だからこそこのような作業が必要になっている。
しかし、それにしてもダンナはひどい。
彼は明らかなゴミすらも捨てられない。
さすがに生ごみは捨てるけれど、商品のパッケージをそのまま放置したり、郵便物をそのまま積み重ねていったりする。
本人が捨てられないだけでなく、私が捨てたものにケチをつける習性もある。
「これ捨てるの?まだ使えるよ?これは?もったいないよ?」
分かってるよ!
断腸の思いで断捨離することに決めたんだよ!!
使えるモノを捨てることにはものすごい精神力が必要なんだから、わざわざ蒸し返さないでくれよ!!!
過去にそういうやりとりを何度も繰り返したので、私も工夫したのだ。
自分ひとりで「ときめき判断」と自治体の捨て方に合わせた処分を同時にこなしていくことは、(エネルギーが足りないから)不可能だ。
自分は「ときめき判断」を担当して、袋分けだけでもダンナに頼もう。
かくして私はたくさんの袋を用意した。
「断捨離」袋。(自治体の捨て方に合わせて3袋ほど用意)
「ときめき」袋。
「迷い中」袋。
続けているうちに、ダンナは自然と何が行われているか理解したようだ。
それで「ホントにAなの?」という発言に至ったのだ。
「いいの、いいの」と私は強引に作業を進めた。
開封する段ボールは私個人のものだったから、ダンナも「いいのかなあ。もったいないなぁ」と言いつつも協力してくれた。
この時、実に段ボール20箱くらいを開封し、ゴミに出した45L袋は15になった。
独身時代からの段ボール20箱。
残ったのは実に段ボール3箱分だけ。
しかもその後の数年おきの断捨離で、今でも残っているのは段ボール1箱にもならない量。
ただし、その後に増えたモノがたくさんあって、私個人のモノは相変わらずたくさんある。
そろそろ「第二回・大ときめき残し大会」をやりたい。