【小説】牛島 零(15)

回想

 あれ?僕は何をしていたんだっけ。あれここは?

「?」

 なんで小さい僕が目の前にいるんだ。

「君はだれ?」

「?」

ああそうか、そうだったのか。根尾は僕だったのか。

「俺は根尾よろしくな」

「!」

さて、根尾は俺にどうしたんだっけか。ことばの教室だ。防がなくては俺が。俺は小さい俺を乗っ取り職員室へ向かった。

「すみませーん」

職員室の扉を元気よくあいさつしながら入ると先生たちが驚いた。

「ネオ君しゃべれるの?」

「はいもちろん」

「あらーそうなのね」

やはりびっくりしている。そりゃそうである。無言で生活していた子供がいきなり饒舌に話したら。

「どうして今まで話してくれなかったのかしら?」

「すみません。今まではしゃべるのが恥ずかしくて話していませんでした。クラスの友達にも謝りました。それから、しゃべるのが怖くなくなりました。僕は人として成長することができました」

先生は驚いていた。まるで子供の口調じゃないからだ。

「そうね、でも先生たち今から会議だからまた今度一緒にしゃべりましょう」

「承知しました」

よし、任務完了。


~二年後~

 そういえば俺、あの時銃の弾よけれたよな。よし。

「なあ下村」

「え?なに?」

「学童って暇だよなぁ」

「根尾と一緒に入れるから別に」

「暇だよなぁ?」

「あ、」

「暇だよなぁ!」

「う、うん」

ここで俺らはサッカーをしなくてはならない。反射神経を鍛える練習だ。サッカーコートへ向かう。

「あれ?」

「どうしたの?」

「ここコートじゃなかったっけ?」

「林だよ」

「そうか」

ポケットに手を突っ込むとガムテープがあった。これでやるのかぁ~だるぅ~


終わったら終わったで達成感があるな。レゲエの髪型みたいだしおもしれーや。

「なんで笑ってるの?」

「いや、思い出し笑い」

「そっか」

それから数日してすべての草が刈られた。

「サッカーやるぞー。お前キーパーな」

「わかった」

俺が小さい俺に向かってシュートすると案外上手く避けた。

「よしその調子」


「ニトログリセリン」


「川で犬を拾う」


「犯人の倒し方」


「部室を放火」


「なあ、あとは何をすればよかったんだっけ」


あ、


「別に信じなくてもいい。でも君も二周目だよね、たぶん。まだ理解していないだけで」

「いや、理解した」

そうだ俺は。

「ならいい。人生二周目っていうのは、同じ人生を二周目っていうことなんだよ。前世が~とかじゃなくてね。だから、以前勉強しかしてなかった人生だったから散々遊ぶようにしたの。自分の体を売ってまでも遊ぶ金が欲しくてね」

そうだよ俺は。

「うん」

「君が言っていた根尾君っていうのがまさにそれなんだよ。そして根尾君は君の中にいる」

「うん」

「ねえ、根尾君のクラスは何組?根尾君の連絡先は?根尾君の家は?根尾君の」

「根尾は俺だ」

「そうだよ。アンダーソン君」

「うん」


「さっきのお願い使うよ。だから帰ってきて。ネオ」

ありがとう。牛島零。そうだった。初めて零を見たときから、俺はお前が好きだった。

でも、今は、、、


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