神の思し召し
これは9月の終わり頃に絶望の浪人生活を変えようと奮起したが、結局上手くいかなかったので世界の不条理と己の怠惰を呪ってる当時の俺の愚痴です。
俺は浪人生にも関わらず自分の決めたノルマすらやり切れないことが多い。いつも明日はやってやるという気持ちで寝て次の日を迎えるが結局できない。そこで俺はこんな日々から脱却する為の起死回生の一手を打つことに決めた。ただ、そんな決意をしたのは勉強時間0だった日の20時頃だった。仮に今から自習室に行っても1時間だけしか出来ないが、真の目的は明日への布石だと自分を言い聞かせて自習室に行くことを決意した。俺は家を出て自転車に跨り自習室に続く坂道を上っていった。だが不運なことに、その途中で俺に神の涙が降り注いだ。神は随分と悲しいようで泣き止む様子がない。俺の本心としては自習室進軍にもともと乗り気ではなかったこともあり「今日はいいや」というまさに敗北主義的な気持ちで家に戻った。にも関わらず家に着いたと同時に世界が静かになった。この状況に失笑してしまったが神に試されているような気がした俺は髪を掻き毟りながら声にならないかすれた声を発した後に、ハンドルを切り返し自転車に飛び乗って自習室に繋がる道へとペダルを踏みこんだ。次の日、布石の効果も空しく俺は夕方になっても家でパソコンの前にいた。昨日の決意と進軍を無駄にしたくないと思いつつ、こんな時間から勉強をやっても意味がないという最低な論理で自分を正当化していた。そんな俺でも良心は残っていたのか18時前だが家を出た。少し遠回りとなるが昨日とは違い住宅街の方から自習室に向かった。しばらく経ち、3つある信号のうち最後の1つを待っていたとき雨が降ってきた。昨日の悲劇が再起されるが流石に家より自習室の方が近い位置にいたので気にせずに進軍した。だがどんどん勢いが増す雨により自習室につく頃には、雨が肌着まで浸透し髪はぺちゃんこになり濡れ鼠となっていた。こんな状態で自習室に入るのもどうかと思ったがそれ以外の選択肢が無いので、堂々と入室し椅子に座った。そして窓の外を見たら雨は止んでいた。俺の頑張りが惨めに思えて失笑しかできなかった。昨日も今日も通り雨に邪魔された。10分前でも10分後でも降られずに済んだのに何故あの瞬間なんだというこの世の不条理に腹を立てると同時に、朝から自習室に行ってれば済んだ話だろという正論で打ちのめされた。俺みたいな荒唐無稽な人間は好き勝手生きているからこそ、自分を超越する想定外が許せないのだ。