そんなにお祭りが好きならテキヤにでもなればいい

夏になると近所のメイン通りでは
商店街や地域一丸となった
夏祭りが行われていた

僕も小学生の頃には
獅子舞で街を闊歩する行事に参加したし
時には神輿的なものも担いで街を闊歩したかもしれない

そもそも夏休みと被っていて
文句なしに最高

そんな浮き足立ちきった小学生の僕は
お正月に貰ったお年玉を
お祭りのかたぬきやくじ引きで使い果たしてしまった

その後
どうやら一般的にお年玉は貰った人がどのように使おうが自由ということを知るのだが
少なくともウチはそういう教育ではなかった

基本的に使ってはならないものだった

それゆえお祭りでお年玉を使い果たしてしまった僕にキレた母が言った

そんなにお祭りが好きなら
テキヤにでもなればいい

きっとテキヤという商売の怪しさをわかっていたんだろう
そんなこと今になれば僕にもわかる
まともな業者もあるかもしれないが

数十年前僕の地元に限ったサンプルで言えば
テキヤは非常に怪しげな業だった
殆どの場合パンチパーマのアニキ
もしくは金髪のお姉さんが売り子だった

たしかにこれは
どこの何の資金になるのか…
適切に材料は管理されてるのかとか
まぁいろいろ叩けば埃は出そうではありますが
そういう野暮なことは今日はやめよう

今の世でそんなこといったら職業差別にもなりかねないし
見た目で人を区別するのも良くないとされてます
一応ね

ただ僕が言いたいのは

子供がお年玉を祭りで使い果たしても
エッジの効いたことを言うなよってこと

そういうの後になってなんでそんな言い方したんだろうとか
うちの親って心狭いんかなとか
そういう懐疑心に繋がるから

むしろテキヤは反社のシノギだからダメなんだよってハッキリ言ってくれた方が後学のためかもしれなかった
その場合それ以降に同じテンションで祭りを楽しめたわからないけど

そう思うと息子の楽しむ夏祭りを全否定しないまでも
少し考えてくれと

母なりの優しさだったのかもしれない