夕闇マジック
夕陽が眩しい。どんな日でも、晴れていれば水平線に日は沈む。
そして夕闇へと誘われる。
藍色マジック。
浜辺を少女が歩いている。心做しか何か事情がありそうだ。
藍色マジックは、ほんの少しだけ少女の表情を浮かび上がらせる。顔が腫れている。そして、血の着いた半袖シャツが見えた。
少女は浜辺の傍に近づいた。
海を眺め、それから、あっいう間に、飛び込んだ。
飛び込んだ先には、渦潮のようなものができていた。
そして、その渦潮の真ん中から美しい人魚が、姿を見せる。
「またやっちゃった」少女は、上目遣い人魚を見る。
「あれほど言ったのに。人間の男に恋するなと!」
「だって好きになってしまったら、歯止めが効かなくなるんだもの。優しさと強さを持つ彼に惚れたら、人間になりたくなった!声を無くしてでもそばに居たかった。今回は上手くいったと思ったのに…」
「何故? 」
「彼は殺し屋だと発覚したの。そして、部屋の奥には殺すために作られた手術台のようなものが見えたつまりは、私もその手術台に乗せよう。」と企んでいた。
「私は、ポケットにいつも睡眠薬を忍ばせていたでしょ、
男の部屋で、お茶が、沸かされた。
男も、お茶に睡眠薬をいれていた。少しだけ口にしてわかった。
男もお茶をいれていた。ちょっとトイレとその場を立つ。隙が出来た。だから男のカップに睡眠薬を入れた。トイレから、帰った男は私が少しだけ眠い目をしているのを楽しそうに見て、自分のお茶を一気に飲んだ。男は、直ぐ眠りにつく。そう強力な、睡眠薬だった。」
そのあと、想像通りである。
「私、しばらく浜辺をうろつくの辞めるわ。陸は妙な感染症が蔓延してる。」
人魚に戻った少女は、海の中へ仲間と消え去った。
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今はまだ修行中の身ですが、いつの日か本にしたいという夢を持っています。まだまだ未熟な文章ですがサポートして頂けたら嬉しいです。