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Rambling Noise Vol.63 「メルマガナイトへGo ahead! その49」

デッサンも確かでリアルっちゃリアルなんだけど、ピンポンパン大友克洋の描く人物たちは、押し並べて美男美女ではなく、極めて普通の地味目なアジア人顔。

描写についても、『ショート・ピース』、『ハイウェイスター』、『さよならにっぽん』などの、初期に於ける”市井の人々の日常”を題材とすることが多かった時期は殊更に、劇画的なドラマチックさを廃していたので、ドライな作風がひねり出されていた。

当時劇画といえば、線の太さにメリハリが出るGペンを使うのがフツーだったにもかかわらず、大友克洋が使っていたのは画一的な線を描き出す丸ペンだったりしたのも、これまた独特さを際立たせた。
あと、カドカワの雑誌『バラエティ』に連載されていた『饅頭こわい』も、見開き2頁で毎回他人の作品を解説風にいじり倒してて面白かったなぁ。

というワケで、書棚をひっくり返してみたよ、アサノさん。
いや、そこまでしなくとも。
そうお思いになられても詮無きこと。
アサノさんは、思い立ったがGood dayな人なのだ。寝起き以外。


さて、『饅頭こわい』と。

『サイボーグ009』の009=島村ジョーをカパーッとカエル状に解剖しちゃったり、『巨人の星』の星一徹オヤジを大ヒットの仕掛け人と囃し立てて色々な養成ギプスを作らせたり、『カムイ外伝』では、カムイの忍術である変移抜刀霞斬り(へんいばっとうかすみぎり。かっちょいい〜)や飯綱落し(いづなおとし)の傾向と対策を披露。


『鉄人28号』に至っては、28号と言うからには27号以下の数々の失敗作があったに違いないと、現在鎌倉で印税生活をしていらっしゃる敷島博士にインタビューを敢行し、試行錯誤の思い出を語らせる一方、「29号は28号迄とは違いサイボーグを作りました。なかなかの傑作でとうとう本人も知りませんでしたね」と。

そんな29号は少年型で、確か名前は金田とかなんとか・・・ガオーッ!

ドイヒーな連載だった。


っつうことで、大友克洋はなんともユニークな存在としてアサノさんの目に映えたのだった。
それでも極々初期は、まだちょっと下手っぴな面もあったりしたのであったが、そうこうしている内に、あれよあれよと腕を上げ、さらには長編作なんかも描く様になるに従い、それはやっぱり派手さ、ドラマチックさも加えられていき、いい〜塩梅を醸し出していた。

(続く)

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