素数大富豪の亜種ゲーム「素数大天和」を考えた

こんにちは。Ασαγγηです。

イントロダクション

最近は素数大富豪が暗記ゲーと化してしまい、3枚出しを計算力で叩きつけるプレイスタイルの私は全く勝てなくなってしまいました。

そこで、計算力が本質的に勝敗に影響する「素数大天和」(そすうだいてんほー)という素数大富豪の亜種ゲームを考えたので紹介します。

素数大天和のキャッチフレーズは「実力も運のうち」です。

ルール

素数大天和は1回以上のラウンドからなり、各ラウンドでは0人以上の勝者が決まります。各ラウンド終了時にゲームを続行するか終了するか、終了する場合は誰が優勝者かを決めます(終了条件)。この決め方は固定せず、ゲームの開始時に各プレイヤー間の合意で決めることにします。

所要時間

1ラウンド: 2~3分
決着がつくまでの時間: 30分程度
理論上楽しめる時間: 30年※
※ジョーカー2枚込み、初期手札1948310通り×1ラウンド2分で1日6時間プレイしたものとして計算。初期手札以外にもランダム要素があるため、実際はこれより長いと考えられる。

必要なもの

プレイヤー(2~4人): 理論上1人でも成立する。
トランプ: ジョーカーの枚数は任意とする。
タイマー: 60秒を計測する。素数大富豪アプリの機能などで代用してもよい。
素数判定員: 電子計算機を使用してもよい。20桁の素数判定を行う程度の能力を有する。

ラウンドの流れ

素数判定員は、トランプをシャッフルして各プレイヤーに11枚ずつ全て裏向きでカードを配る。

素数判定員は、60秒のタイマーをセットする。同時にラウンド開始を宣言する。

各プレイヤーは配られた手札を確かめ、タイマーが0になるまでにそれらを並べ替えて素数大富豪ルールでの素数を作ることを試みる。
各プレイヤーは、山札が残っている限り、タイマーが0になる前であれば何枚でも山札を引いてよい。

素数判定員は、タイマーが0になったら、そのことを全プレイヤーに通知する。

全プレイヤーは、タイマーが0になった通知があったタイミングで、同時に、手持ちのカード全てを任意の順序で並べて場に出す。
途中で山札から引いたカードも含めて出さなければならない。
手札に1枚以上のカードを残しておくことはできない。
手持ちのカードにジョーカーが含まれる場合は、素数大富豪のルールに基づきそれぞれのジョーカーを0~13のどれとして使うかを指定する。

素数判定員は、全プレイヤーの出した手札の並びが、それぞれ素数大富豪のルールで素数であるかを判定する。
もし素数であれば、そのプレイヤーは天和を出したと表現し、天和を出すことを動詞で天和すると表現する。

天和したプレイヤーが0人の場合は、そのラウンドでの勝者は存在しない。この状況を流局と呼ぶ。
天和したプレイヤーが1人以上の場合は、天和したプレイヤーの中で最大の素数を出した者を勝者とする。

終了条件

いくつかの考えられる終了条件を列挙します。終了条件はこの中から選んでもよいですし、独自に考えても構いません。

  • 勝利数が単独首位のプレイヤーが出た時点でゲームを終了し、そのプレイヤーを優勝とする。

  • ラウンドごとに勝利数が1位でないプレイヤーをゲームから除外し、1人しか残らなくなったらそのプレイヤーを優勝とする。

  • 一定回数のラウンドを行い、勝利数が最も多いプレイヤーを全員優勝とする。

もちろん、「終電が来たので終わり」といったメタ的な終了条件でも構いません。

亜種

素数大天和のルールを一部変更し、ローカルルールでプレイすることもできます。考えられるルールをいくつか列挙します。

  • 天和した人を全員そのラウンドの勝者とする。

  • 勝利数の代わりにポイントを使用する。各ラウンドでのポイント数は、出した数が素数でなければ0、素数であればその素数の常用対数とする。

先行研究

このゲームには発表時点ですでに先行研究があります。

素数大富豪〜会心の一撃の成功確率〜 - mattyuu, 2016/12/06公開
初期手札のうち詰んでるセットはいくつあるのか - OTTY, 2022/12/14公開

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