海外基準で考えてみる
注意!)私が体験したことはあくまで、その国のごくごく一部でしかありません。世界は広い、ということをどうか、ゆめゆめお忘れなきようお願いいたします。
今から約10年前のこと、短い日数ではあるけどインドに行きました。あの体験がなければ、今の私はいないと言っても過言ではありません。
インドに行くと人生変わるよ、と誰かも言っていました。それはたとえばタージマハルの壮大さであるとか、北と南で全く異なる食事や言語、交通ルールとはなんだったのか目を疑う道路事情、ヒングリッシュ(インド訛りの強い英語のこと)の衝撃など、行った人によりどこに影響受けたかはさまざまでしょうが、今回私はとあるユースホステルのシャワーブースの話をしたいと思います。
そのユースホステルは、私がインドに行って初めての宿泊先でした。
ひと部屋にベッドが6つか7つくらい置いてあって、旅人どうし、わくわくどきどきの共同生活。それはそれでいろいろと苦労はあったものの、今回は割愛いたします。
そこにはお風呂というものがなかったので(そもそもバスタブがないのはそんなに驚くことではなかったですが)、入浴は共同のシャワールームを使う形でした。
汗と土埃にもまみれたことだし、気持ちよく体を清めましょうかね、と洗面一式を持って、寝室を出て廊下を歩き、いざシャワールームへ。
行った、はいいが。
なんか暗い。
これが第一印象でした。
そこは、入ると両側に、3〜5つずつ個室のシャワーブースがある、共同シャワールームだったのですが。
電気が、ついているにはついている。大きなシャワールームの中央に。心許ない光量の照明が。
案の定、個室ブースまでその光はほとんど届かないんです。いやまあ、真っ暗じゃないから支障はないっちゃないのかもしれんけども。
足元が、プールの床みたいな小さい穴の空いたタイルだったんですけど、なんかもう、見るからに水捌けは良くなくて。
埃やら誰かの髪の毛やら、たぶんある、足の感触でなんかわかる、ひええ……と思うも、暗いからよく見えないんですよね。いやこれは、見えないほうが幸せなのかもしれない、知らないほうがいいことも世の中にはある……。
汗かいたし、シャワー浴びないわけにもいかないんで、手探り(これは暗いからというより私の視力が悪いからですが)で蛇口をひねったら、出てきたのは水。
温度調節用のつまみらしきものを、どっちの方向にいくらひねっても、やはり水。
しかも、水量が、ちょろちょろとしか出ない。
これで、どうやってシャンプーやボディソープ(もちろん備え付けなんてないので持参ですよ)を泡立てろというのか。
暑い季節じゃなかったんで、震えながら水浴びをしました。記念すべきインドの初夜の思い出です。
もうかれこれ10年近く経つので、もしかすると私の記憶もだいぶ改竄されているかもしれませんが、あのときの暗くじめっとしたシャワーブースの映像は妙に脳裏に残っていて。
それに比べれば、日本のなんときれいなことよ。
どんなに古い汲み取り式の和式便所でも、掃除は行き届いているし、蜘蛛やナメクジがいるお風呂場でも、熱いお湯は出る。そりゃ最初入った瞬間は、うっ、と思いますけど、インドのあの夜を思い出せば大抵のことは大丈夫。
なお、重ね重ね申し上げますが、
私が体験したことはあくまで、その国のごくごく一部でしかありません。
インドには、日本にない素敵な面もたくさんあります。良かったらぜひ、一度足を運んでみていただきたいです。
私が泊まったホステルも、今ではすっかり衛生的になっているかもしれないですしね。
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