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日記 高機能素材展に行ってきた話/プラスチック市場気づき

木曜日、インテックス大阪で開催された高機能素材展に行ってきた。プラスチック、セラミックス、塗料・塗装、金属、接着剤など素材企業の合同展示会で、素材別にブースが集まっている他、特にサステナビリティ面を訴求した素材を横断的に集めたサステナブルマテリアル展も開催されていた。

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展示会に行くのは、開発途中やまだ上市して間もない最先端の素材の肌感を得たり、企業がアピールしたいと考えてるポイントを確認したり、来場者の人だかりで人々の興味がどのあたりにあるのか推し量ったりすることが目的だ。
今回は、個人的興味の度合いが大きいプラスチック関係のブースを中心に回った。

特に興味深かったのは、まず、プラスチックの生分解を促す触媒『生分解性改質マスターバッチ』。ポリエチレンやポリプロピレンなど生分解性のない安価なプラスチックに添加することで、完全な生分解性を付与できるというもの。同じくポリエチレンなどに酸化型生分解性を付与するという従来のやり方よりも高い分解効果があること、バイオプラスチックなどよりも安価であることから、欧州では一部すでに受け入れられているとのことだ。


ブースの中でひときわ人だかりができていたのが、『Rice Resin®️。食料や飼料用として使えないお米をプラスチック原料であるレジンペレットに数割(製品によって割合は様々)混ぜ込んだバイオマスプラスチックだそうだ。驚いたのが、レジ袋やおもちゃ、食器など、すでに色々と展開されていたこと。お米ならでは(?)の素朴で優しい風合いも活かしようがありそう。レジ袋のサンプルを頂いたのだが、カバンに2日ほど放置していたら、開けたときほんのり香ばしかった。

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堀正工業株式会社のバイオプラスチックは、2年前にブースを訪問したときからさらに用途先が多様化し、レベルアップしているように感じた。質感が高度におしゃれ。

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http://www.horimasa.co.jp/product/bioplastics/index.html


それから、数年前と比べて、水溶性プラスチックの展示が増えている気がした。水溶性プラスチック(文字通り、水に溶けるプラスチック)の代表格の一つPVA(ポリビニルアルコール)は、病院の衛生用品や石油工業向けの触媒などとしてすでに汎用的に使われているもの。最近は特に海洋プラスチックごみ問題の盛り上がりを受け、従来のポリ袋などに代わる代替素材として注目を集めている。

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ところで、並行して開催されていたセミナーでとある企業の方がおっしゃっていたことが頭に残っている。

「事業ポートフォリオをサステナビリティに全面的に舵きりしつつも、マーケティングやセールスをする上ではサステナビリティではなくまず素材としての機能面をアピールし、選んでもらう」

それはそうだろうなと思う。生分解性などといったサステナビリティ面だけ訴求しても、機能や価格が従来品に追いついていなければ顧客がついてこないだろうし、何より機能の追及は素材メーカーとしての矜持でもあるだろう。
一方で、いずれ素材の世界でも、再生可能エネルギーの世界で一部例があるように、とりわけサステナビリティの面で秀でていれば優先的に顧客に選ばれるような(顧客側としても、価格面等をある程度差し置いても選ばざるを得ないような)状況になることがあり得るかもしれない。物事には段階がある。どの段階に私たちがいるのか、引き続き注視したい。

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