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蘭州・白塔山公園、中国風の木造建築にはしゃぐ 1987.8
蘭州の思い出の続きを。
中山橋を渡って黄河の水に触れた後、白塔山公園に登った。
蘭州は黄河を谷にして、東西に細長く広がる街。北側と南側は山地になっている。街の北側に白塔山公園、南側に五泉山公園という、2つの大きな公園がある。
蘭州も西安と同じく、新疆ウイグル自治区への行きと帰りに私は2度滞在。行きに白塔山公園、帰りに五泉山公園に登った。
白塔山公園、てっぺんの海抜は約1,700メートルだが、蘭州の街自体の海抜は約1,600メートルなので、実際には100メートル程度の小山だ。
公園の中ほどには、元代に建てられ、明代に再建された寺院跡があった。お寺の縁起は、チンギス・ハンに謁見するためにチベットから派遣された仏僧が、この地で病死したために建立されたといわれる。
山頂に白い仏塔があり、それゆえ「白塔山」と名付けられた。
上海でも西安でも名所旧跡を観光しなかったので、中国らしい赤・青・緑の彩られた寺院をじっくりと見るのは初めてだった。公園の入り口をくぐり、山頂に向けて上り始めると、公園の随所に大小さまざまな建物、門があった。
中国様式の木造建築を巡って、改めて中国に来たことを実感。夢中でカメラのシャッターを切った。今思うと、清代から続く都市にはたいてい目にする建築物で、とりたてて希少なものではなかったが……。
青山学院大学の学生とはしゃぎながら、お互い写真を撮り合った。今思えば、まだまだ子供だった。
山頂にある白塔近くに茶店があった。日本の喫茶店、カフェのようにコーヒーや紅茶はなくて、緑茶と茶菓子を出す店だ。ちょっとした山登りで汗だくになった中、暑い中国茶を飲み、さらに汗まみれになった。
眼下にはカーキ色の黄河が悠々と流れていた。