トルファン名産、ワインと干しぶどう 1987.8
新疆ウイグル自治区のオアシス・トルファン、今も30年前も名産品はブドウだ。
2019年の今、「トルファン ブドウ」でGoogle検索をすると、色鮮やかなブドウ棚の風景写真がヒットする。郊外にある葡萄溝(ブドウ峡谷)は、現在、有数の観光地になっているようだ。
私が滞在した1987年夏、確かにトルファンにブドウ畑はあったが、日本の甲府盆地や大阪・南河内の広大なブドウ畑に比べると、今ひとつ物足りない印象だった。
ただ、宿泊したトルファン賓館の中庭には素敵なブドウ棚があった。約1週間の滞在中、毎日、そこで旅の話をしつつ、時間をつぶした。
中庭ではワインを飲むこともできた。だが、日本のワイン(米国産、豪州産等)に比べると、ドロっとした口当たりで、しかもえらく甘かった。私は下戸のため、トルファンワインはグラス半分も飲めなかった。
今なら醸造技術もきっと進歩し、ずっと洗練されたワインを醸造しているに違いない(たぶん)。
一方、バザールではいろんなレーズンも売られていた。色・形・大きさもさまざま。ワインと違って、こちらは素朴な味わいで癖になりそうだった。
なので、ブドウ棚の下、レーズンをかじりながら平温のビールを飲むのが、トルファン賓館に滞在するバックパッカーのくつろぎの時間だった。