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羊肉の串焼き、ウイグルの「カワップ」 1987.8

新疆ウイグル自治区のオアシスの町・トルファンで、初めてウイグル料理を食べた。前述のラグマンと共に、毎日食べ続けたのが羊肉の串焼き「シシカバブ」(ウイグル語では「カワップ」)だった。

もっぱらバザールの屋台で焼かれていて、軒先のベンチに座って焼きたてを食らう。

シシカバブはトルコから中央アジア、インドまで、ユーラシア大陸全体で、広く食べられている肉料理。とはいえ、地域によって肉の大きさ、焼き加減、串の長さ、そして食べ方まで微妙に違っていた。

トルファンで食べたカワップ、20センチ程度の竹串に、比較的細くスライスした羊肉をクネクネと刺したもの。真ん中に白い脂身を挟んでいて、これがおいしさのポイントらしい。焼き鳥と同じく、竹串に刺したまま食べる。

一方、翌年に訪れたパキスタンのシシカバブは、鉄の串にサイコロステーキのような羊肉を刺し、焼き上げた後、串から肉を落として、チャパティ(パン)で挟んで食べた。

新疆ウイグル自治区の中でも微妙に違っていて、東のカシュガル、クチャは串が長く。西のトルファン、ウルムチは短かった。

カワップは焼き上がり間近に唐辛子の粉をまぶす。何本を食べると、この粉が唇についてヒリヒリと痛んだ。痛いけど、おいしくて、もう一本もう一本と、思わずオーダーし続けてしまう中毒性があった。

小ぶりなので、10本くらいは軽く食べることができた。1本2角くらい(約8円)。なので、20本食べても160円くらい。ただ、夕食には物足りないので、私にはおやつ、ファストフードだった。

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