【第12回】極めよ、ローカル1800道 | 7/21(日) 小倉11R 中京記念


馬場・展開考察

土曜日の流れを見る限り、金曜日の雨の影響でタフ馬場、中速馬場であった所が段々と高速馬場へとシフトしてきているといった印象。
メインのテレQ杯は完全に中速馬場でのバテ差し決着といった感じであったが、最終レースは2F目に10.4が刻まれラストも減速幅が大きく無い流れと、馬場の変化が感じられた。
日曜日もこの流れが継続するのであれば、メインレースまでにはおそらくある程度の高速馬場へとシフトしているはず。
馬場自体の重さから差し決着が多く見られた土曜日とは変わってイン前が強くなると考えられる。
ただ、昼以降ゲリラ豪雨のリスクも存在するので注意深く馬場推移を見守っていきたい。
風は2mとほぼ考慮しなくて良い水準。

基礎スピードが高い逃げ先行馬が集まった事で序盤から締まった流れになる事が予想される。
テンの速さからしてテーオーシリウスが逃げる事になると思われるが、どの馬が逃げても基本的には緩みの無い流れになる事は間違いなさそう。
逃げ先行馬の基礎スピードからすると馬群はおそらく縦長~通常の範囲に収まる。そうなった場合前述した馬場要因から、4コーナー中団より前で競馬をした馬にしか上位争いは不可能となる。

よって上位争いに必要となるのは
・追走力:前半から速い流れに対応でき、ある程度の位置を取れる能力
・基礎スピード:道中の追走で消耗しない能力
・コース適性:持続力,コーナリング性能,スタミナ。コーナーにおいて位置を押し上げる能力及び脚を最後まで持続させる能力,1800mを走る為のスタミナ。

追記:午前中に雨が降った影響で馬場の速さは並みに。タフさで前が潰れる程では無いが、全区間で内馬場が荒れているので外目追走の馬が多少有利。

全頭評価

1.テーオーシリウス

追走力:◎
基礎スピード:〇
コース適性:〇
テン早く、基礎スピードも高い。2000mという距離では大逃げのイメージがあるが、追走力の高い馬が多いローカル1800馬としては平凡な馬なので、買うかどうかは馬場次第。恵まれれば馬券内はあり。

2.アルナシーム

追走力:◎
基礎スピード:◎
コース適性:◎
基礎スピードはかなり高い。スタミナ面ではケフェウスSでの敗戦が気になったが1600m通過が1:32.5でラスト2Fが12.4-12.3と前が残る訳がないラップ構成なので参考外でいいだろう。
テンもかなり早く好枠から楽に位置が取れそう。
都大路Sは物理的に届かないので仕方ない。
小倉大賞典の敗因は以下
セルバーグが離した逃げを打ったことに加え、ホウオウアマゾンの落馬によって番手のフェーングロッテンの直後に空馬が続いた事で馬群の間が更に空くことなった。実質的には逃げたセルバーグに3番手以降の馬群が離れて追走する大逃げの形。この隊形と馬場の早さ故に台頭したのは基礎スピードの高さに加えて高い瞬発力を有する1着エピファニーと2着ロングランであった。それ以外の馬は元々ローカル開催の重賞だけに瞬発力を欠く馬が多く5着以下は僅差の競馬となった。

モーリス産駒全般に言えるがストライドは伸びるためトップスピード及び基礎スピード自体は高いものの、後脚の硬さがあるため急激なギアチェンジ戦となると、直ぐにはストライドを伸ばせないことによる踏み遅れか、急激に伸ばしたことによるオーバーヒートのような現象で脚が持続しないかといった事が起こるので総じて他馬に対して末脚で負ける事が多い。今回のレース質に近いのが2022天皇賞秋のジャックドールであり、こちらもイクイノックスやダノンベルーガといったギアチェンジに優れた馬に負けているのが分かるはずだ。トップスピード自体は高い為末脚があるように思われるが、それを使うためには城崎特別や瀬戸内特別のように早い流れの中で先行し脚を持続させることが必要となる。今回アルナシームはエピファニーの1列前で競馬をしていたが後方集団がギアチェンジ戦となった事で、前述の弱点が露呈しエピファニーやロングラン対して末脚で劣ることとなってしまった。もし空馬がおらずフェーングロッテンの真後ろか横を追走する事が出来ていたら、走破タイムとこの馬の基礎スピードからして勝っていたのはアルナシームだと確信している。
今回好枠から先行してコーナーで早めに先頭に取り付くことができれば、この馬の強みが最大限活きる形となって小倉大賞典のメンツには逆転できる。

3.セルバーグ

追走力:◎
基礎スピード:◎
コース適性:▲
基礎スピードはかなり早いが超高速マイルに対応出来るほどではない。高速マイルでは能力の限界が見える中で多少荒れた馬場でも持ち前のスピードを活かしての小倉大賞典の逃げは見事な戦略であったように思う。中京記念も荒れた馬場の中ただ一頭最後までスピードを持続させて逃げ切ったように、馬場状態によらないスピードこそがこの馬の強みなのかもしれない。
しかし今回は馬場が回復して高速馬場へとシフトする中での競馬であるので、馬場状態を問わない基礎スピードの持続という強みを今回は活かせないのでは。

4.ワールドリバイバル

追走力:◎
基礎スピード:〇?
コース適性:◎
小倉日経OPの内容が良く、前半から速い流れの経験がありタフな展開を粘った能力は評価したい。基礎スピードには若干疑問は残るもののコース適性は高い。
前走は条件的に割と合っていたはずなのに負けすぎており、敗因が分からないので今回も走るかは不明。
好走のポテンシャルはあるので紐で抑えるべきか。

5.カテドラル

追走力:△
基礎スピード:◎
コース適性:◎
基礎スピードはマイルの持ち時計1:32.0が示すようにかなり高い。これに加えて高いコーナリングセンスを持ち合わせているからこそ小倉1800重賞で3回の連帯を果たしているのだろう。ストライドが大きくは伸びないが回転数のある走法が正にこの舞台に適している。
問題は位置取りにあり、基礎スピードが高いので道中の消耗自体は少ないが馬群が縦長となると物理的に届かない。好走条件としてはインでのコーナリングを活かして4コーナー時点である程度馬群に取り付けられている事が必要となりそう。後方から直線一気となるとTSが他馬に対して優越する条件、つまり超ハイペースor雨によるタフ馬場が必要。

6.エピファニー

追走力:▲
基礎スピード:〇
コース適性:〇
基礎スピードはまぁまぁ高い。しかしながらSSクロス持ちのエピファネイア産駒らしく瞬発力戦に強い印象で、前半から早い流れの中最後まで脚を持続させる能力という面ではやはり疑問が残る。また、その弱点が露呈したのが東風S,メイS,関越Sだと解釈できる。
小倉大賞典に関してはセルバーグが離した逃げを打ったことに加え、ホウオウアマゾンの落馬によって番手のフェーングロッテンの直後に空馬が続いた事で馬群の間が更に空くことなった。実質的には逃げたセルバーグに3番手以降の馬群が離れて追走する大逃げの形。この隊形と馬場の早さ故に台頭したのは基礎スピードの高さに加えて高い瞬発力を有する1着エピファニーと2着ロングランであった。それ以外の馬は元々ローカル開催の重賞だけに瞬発力を欠く馬が多く5着以下は僅差の競馬となった。
今回、馬群が縦長になるのであれば、後方待機では瞬発力を発揮しても届かず、前付けでは脚が溜まらず負けるといった事が十分に考えられる。小倉大賞典がおあつらえ向きの内容だったからこそ今回は嫌いたい。

7.エルトンバローズ

追走力:◎
基礎スピード:◎
コース適性:▲?
近走負けているが後肢の付き方と爪の形的に雨馬場が苦手なだけなのであまり気にしなくて良い。前半から速い流れへの対応力、高い基礎スピードを持ち今回求められるものはしっかりと持っている。ただどちらかと言えばパワータイプなので小倉がベストなタイプかと言うと微妙。
斤量は見込まれたので能力でどれだけ相手関係的に通用するかといった所。位置取りミスらなければ大崩れも無さそう。

8.タガノパッション

追走力:〇~▲
基礎スピード:〇
コース適性:〇
前半から速い流れは愛知杯で経験済み。基礎スピードもおそらくここでも大丈夫。
テンはそれなりなので位置取り自体は後ろになりがちだが、コーナリング性能が高いので位置の押し上げが可能なのでそこまで悪くは無い。キンカメらしく立ち肩で直線に坂があるコースでは伸び負けるので、コーナリング性能を活かせて直線坂の無い小倉コースはベスト。
相手が強く負ける時は普通に負けるので、斤量の恩恵を受けて実力がどこまで通用するかといった感じ。

9.ボーデン

追走力:△
基礎スピード:◎
コース適性:◎
基礎スピードも高く、ハービンジャー産駒のセン馬で柔らかさもあるので小倉の下り坂条件はかなり合う。前走のパフォーマンスはかなり高く、能力的には全然ここでも通用できるものを持っている。
出脚が無いのが明確な弱点だが、内を上手く立ち回ったりする等乗り方でカバーして欲しい。

10.ソレイユヴィータ

追走力:△
基礎スピード:△
コース適性:▲
斤量は恵まれているが流石に厳しい。前走もうちょい頑張れていれば考えたかも。

11.アナゴサン

追走力:◎
基礎スピード:◎
コース適性:〇~▲
高い基礎スピードと追走力があり今回の舞台は合いそう。前半から早いペースへの対応力は高く、その点において明確に他馬に対しての強みがある。
懸念点があるとすれば近走は1600m以下を使っているので、久々の1800m以上の上級条件において通用するかという点にありそう。絶対能力的にも物凄く高いという訳ではないというのも考慮しなければならない。

12.セオ

追走力:◎
基礎スピード:◎
コース適性:◎
高い先行力。高い基礎スピード。Never Bend,Lyphard,Sir Ivor, Princely Giftなので高速条件、下り坂も得意。と普通に考えれば特に減点材料が存在しない。
減点材料が存在するとすれば夏が苦手という説で、唯一大崩れしたレースであるラジオNIKKEI賞では開催した福島が33度と高い気温を記録しており、それにより負けたと考えられる。陣営も暑さについてコメントしており、当日の馬体重、パドックには注目したい。

13.ニホンピロキーフ

追走力:▲
基礎スピード:〇
コース適性:◎
正直なんでこんな人気してるのか分からないが、多分マイラーズCの3着が評価されてのものなのだろう。
基礎スピードも高く比較的安定しているので軸向きに見えるのも分かる。
しかしながら今回の舞台では無視出来ない弱点が存在する。それは1800m以上での好走が全てスローペースのもので、前半から早くなった元町S,鳴尾記念では普通に負けているという点にある。マイルでも馬場適性の分マイラーズCでは好走したものの、1勝クラスでは明らかに能力で劣るアイオブザストームに先着を許しており、前半からペースが早くなる展開においてはやはり適性に疑問が残る。今回強力な先行馬が集まり前半からペースが早くなることは必至、故にこの弱点は無視出来ない。

14.ロングラン

追走力:△
基礎スピード:〇
コース適性:▲
基礎スピードは水準レベル。中距離馬なのでスタミナはある。位置取りは近走出遅れがちなので取れないと思った方が良い。どちらかと言えば機動力よりも瞬発力に優れたタイプなので基本的にコーナーで位置を上げられないと考えた方が良い。三木特別の走りが出来れば通用するが近走の位置取りと出遅れ癖から期待しない方が良いだろう。
小倉大賞典に関してはセルバーグが離した逃げを打ったことに加え、ホウオウアマゾンの落馬によって番手のフェーングロッテンの直後に空馬が続いた事で馬群の間が更に空くことなった。実質的には逃げたセルバーグに3番手以降の馬群が離れて追走する大逃げの形。この隊形と馬場の早さ故に台頭したのは基礎スピードの高さに加えて高い瞬発力を有する1着エピファニーと2着ロングランであった。それ以外の馬は元々ローカル開催の重賞だけに瞬発力を欠く馬が多く5着以下は僅差の競馬となった。
今回は前半から早くなり前有利の馬場の中で位置を取れないので、馬群が凝縮する中で活きる瞬発力型の強みがあまり活かせなさそうというのが印象。
カテドラル同様後方から直線一気となるとTSが他馬に対して優越する条件、つまり超ハイペースor雨によるタフ馬場が必要。

◎7.エルトンバローズ
〇2.アルナシーム
▲11.アナゴサン
△9.ボーデン
抑え2.4.5.8

馬体重減で消してますがパドックによっては12.セオを買ってください
内馬場の荒れと馬体重の増減を考慮して、7.エルトンバローズが本命に。斤量が重いので勝ち切れるかは疑問という事で馬連をメイン券種で考えたい。アルナシームは内馬場の荒れがキツく、パワーがあるのでこなせる範囲ではありそうだが頭での馬券が厳しくなった印象。9.ボーデンが2連続馬体重減で怪しい感じなので若干評価下げ。外目追走が可能な11.アナゴサンを3番手評価に。

追記:結局セオは買ったし、アルナシームから買いました


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