皐月賞予想・分析
馬場・レース質について
今回の皐月賞は例年と比べると特殊な馬場で最終週で上がりがかかる割に内が使える馬場となっている。皐月賞の外差し傾向はペース以外にも馬場による部分も大きいので今年は内回りらしく内枠のタフな先行馬を狙っていきたい。
個人的には今年の3歳世代は近年で最もハイレベルな世代だと考えている。平均レベルが高い古馬重賞では絶対能力よりも適性が重要なように、ハイレベルのメンバーだからこそ適性面をより重視した予想を行っていきたい。また、今回はサンライズアース、コスモキュランダ等捲りの面子もいるので緩まなければ持続力戦、緩めば捲りが入っての持続力戦となるので瞬発力勝負にはならないと考える。緩みないペースや捲りが入れば外の馬は必然的に脚を使わされることとなるので内枠の馬をより評価したい。
全頭評価
各馬見解と
持続力≒スタミナ
機動力≒コーナリング
登坂力≒パワー
追走力≒基礎スピード
枠・位置取り
の5項目で評価したい
1.サンライズジパング
母父Zoffanyは中山金杯を制したリカンカブールと同じでHalo≒Red Godの多重クロスを内包した機動力、Danzig、Robertoや米血による持続力、パワーに優れた中山向きの血統。本馬は母母父Exit to Nowhereなので名牝Coup de Folieのクロスも生じより機動力を強化した形となる。また、父キズナの影響も大きく筋肉量も多いのでダートもこなせるといった所だろう。Nijinskyも相まり総じて中山向きの力強いストライド走法だが、弱点もありコーナリングが下手という点にある。これは大跳びの馬故の器用さの欠如というより左トモの緩さにあるようで、コーナーで膨れるというよりは踏み遅れるという表現が適切に見える。よってコーナーで加速出来ない分外を回せば膨れる事となる為、内枠が絶対条件となる。今回最内枠を引けた事でインベタで立ち回れば相対的に踏み遅れはするものの膨れる事は無いと個人的には考える。コーナー加速が上手い馬がそこまでいない分、インベタによる相対的な位置アドバンテージは大きくなる。https://www.sanspo.com/race/article/general/20240412-FQNJE35NKFPUXG54KPWDLAEESM/
調教助手のコメントを見ても前々で立ち回る事が考えられるので、内がまだ使える今の馬場なら最も有利なポジションを確保出来るはすだ。ハイペースになったとしてもこの馬のパワーとスタミナを考えればタスティエーラのように前受けでの粘り込みも可能だろう。
持続力:◎
機動力:△
登坂力:◎
追走力:○
枠・位置取り:◎
21
2.メイショウタバル
体幹の筋肉量に対して四肢が素軽いタイプで小倉、京都、阪神等でよく走る馬だと思われる。1部の米血で見られるタイプでアルアインとかもそのタイプかなと思う。パワーよりも素軽さを活かしたスピードの持続力という印象で本質的に中山は向かないものの内が使える状況なら残ってもおかしくは無さそうという印象。スピードの乗った段階で坂を迎えたいので高速馬場ならよりプラスだった。
持続力:▲
機動力:○
登坂力:▲
追走力:○
枠・位置取り:○
18
3.エコロヴァルツ
コスモス賞の内容がかなり強い。機動力ある持続ストライド質という中山向きのタイプではあるが、難しさもあって出していけば掛かるリスクを有しており2枠というのは極端な枠を引いたなという印象。ただ、先行して折り合わせる、最後方から捲りに乗じて位置を上げる、インから差すといった状況により乗り方を変えられる枠とも言えるので、混戦だけに武豊騎手のレース経験からくる老獪さが活きる枠とも言える。
持続力:◎
機動力:▲
登坂力:○
追走力:○
枠・位置取り:▲
20
4.シリウスコルト
ここ2戦展開面で恵まれたものの着差を付けられているので同じ舞台の今回は厳しいのかなといった印象。
持続力:△
機動力:△
登坂力:▲
追走力:▲
枠・位置取り:○
14
5.ミスタージーティー
ドゥラメンテ×サドラーらしいパワー質ストライドで中山は合う。ただ、器用さがあるタイプでは無いので内枠を引けたのはプラス。折り合いの神こと藤岡佑介騎手に乗り替わった事で前走のように掛かる事無くある程度位置を取れれば勝負になる。
持続力:○
機動力:▲
登坂力:◎
追走力:○
枠・位置取り:○
20
6.アレグロブリランテ
スプリングSはキレ負けで本質的に合っていない中2着に粘ったのは強いと言えるが、萩Sの上がりレンジでも負けているのは気になる。極端に上がりがかかればという印象。
持続力:◎
機動力:▲
登坂力:▲
追走力:△
枠・位置取り:▲
16
7.ルカランフィースト
父イスラボニータらしく巡行質の馬。1800ベストで今回の舞台は向かないが能力は高い。
持続力:△
機動力:△
登坂力:○
追走力:○
枠・位置取り:△
14
8.ジャンタルマンタル
1800質巡行馬なのかなという印象。直線向かい風の朝日杯でも脚は使えていたのでパワーはある。若干の距離不安はあるが前々で立ち回れる脚質と枠は評価すべき。
持続力:▲
機動力:○
登坂力:○
追走力:○
枠・位置取り:○
20
9.アーバンシック
脚力はメンバー中1位だと思う。器用さが無いので乗り方、展開次第といった印象。皐月賞の横山武史騎手は怖いがあまり買いたくない。
持続力:◎
機動力:△
登坂力:◎
追走力:▲
枠・位置取り:▲
18
10.レガレイラ
アーバンシックとほぼ同血。牝馬の分アーバンシックよりは機動力はあるのでこちらの方が立ち回りは上手そう。ただ、ホープフルも相対的に位置を上げたという印象でコーナー加速が特別上手いタイプでも無く、ルメール騎手から北村宏司騎手に変わる のはやはり心配。ホープフル基準で斤量が実質的に1キロ軽くなるのは大きい。
持続力:◎
機動力:▲
登坂力:◎
追走力:○
枠・位置取り:▲
20
11.ホウオウプロサンゲ
The Aureole魂という感じで逃げた時と逃げられなかった時でパフォーマンスがまるで違う。アイビーSでレガレイラに先着しているように逃げられればかなり粘り強い。幸い逃げ馬候補がこの馬より内に集まったことで強引にハナを主張することも可能。逃げられればワンチャンある。
持続力:○
機動力:○
登坂力:○
追走力:▲
枠・位置取り:◎
20
12.コスモキュランダ
パワーよりもスピードの持続力という印象で、機動力があるので内過ぎず外過ぎない枠はベスト。コーナーで位置を上げられる強みを活かしてモレイラ騎手が上手く乗って欲しい。
持続力:○
機動力:◎
登坂力:▲
追走力:○
枠・位置取り:○
20
13.ジャスティンミラノ
共同通信杯組の活躍は1800m的な巡行力が皐月賞に繋がるため、今回の共同通信杯はドスローで繋がるかは微妙。能力は高く評価しているもののスローからの瞬発力戦しか経験してこなかったのは割引。ここで好走できるならダービー馬。
持続力:○
機動力:▲
登坂力:○
追走力:▲
枠・位置取り:△
16
14.サンライズアース
スタミナと機動力が強み。基礎スピードに疑問は残るので、捲るにしても道中のペースの緩みやハイペースでの捲り差しが条件となる。逆にこの馬の存在により持続力戦はほぼ確実と言って良い。注文は付くが機動力がある馬が少ない中で自分から動いていけるジョッキーと枠で評価したい。
持続力:◎
機動力:◎
登坂力:◎
追走力:△
枠・位置取り:▲
21
15.シンエンペラー
能力は高いものの諸々に疑問が残る。ホープフルは小回り持続力戦で最も恵まれるインを通った割には勝ち切れなかった点や弥生賞やホープフルを見ると坂での加速があまり効いていない点も気になる。もしかするとメイショウタバルと似たタイプなのかなという印象。そうなると外を回されるこの枠はマイナスとなる。飛ぶならここでは。
持続力:○
機動力:▲
登坂力:▲
追走力:○
枠・位置取り:▲
17
16.ダノンデサイル
サンデークロスが無いせいかエピファネイアっぽくないエピファネイア産駒。その代わりに米血要素が濃いめといった印象。ただ、米血と言ってもA.P.IndyなのでSeattle Slewのクロスが入ってストライド質となっている。京成杯が道中緩んで瞬発力戦となった事を考えても若干皐月賞とは適性がズレるような。枠も不利。
持続力:○
機動力:○
登坂力:▲
追走力:○
枠・位置取り:▲
18
17.ビザンチンドリーム
エピファネイア産駒っぽい。大箱ベスト。ダービー馬候補。
持続力:○
機動力:△
登坂力:○
追走力:○
枠・位置取り:△
16
18.ウォーターリヒト
ドレフォン産駒だが比較的柔らかく、1800mの大箱ベストっぽい印象。枠、脚質含めて足りない。
持続力:▲
機動力:▲
登坂力:▲
追走力:○
枠・位置取り:△
15
評価順
21点:サンライズジパング、サンライズアース
20点:エコロヴァルツ、ミスタージーティー、ジャンタルマンタル、レガレイラ、ホウオウプロサンゲ、コスモキュランダ
18点:メイショウタバル、アーバンシック、ダノンデサイル
17点:シンエンペラー
16点:ジャスティンミラノ、ビザンチンドリーム、アレグロブリランテ
15点:ウォーターリヒト
14点:シリウスコルト、ルカランフィースト
以上のように21点、20点の所に8頭が固まる非常に混戦の模様が分かる。個人的には最高得点を取り作戦が明確で乗り方の注文が付きにくいサンライズジパングを軸として21点、20点の馬で馬券を構成したい。人気薄でも好走できる余地はあるので高配当を狙えるレースだと思われる。
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