日本ダービー予想・考察
血統予想は割と主観なんで馬体・走法見れる人はそちら見つつ参考にしてもらえればって感じです。
全頭評価
馬柱から分かること以外をメインで書いてます。分析というより雑感が適切かも。
1.サンライズアース
レイデオロ自体にダービーのイメージが無い。マンハッタンカフェ、ハルーワソングなので京都、菊花賞は合いそう。枠的にそもそも捲りが難しいが、基礎スピードが低いので馬場が高速化した場合でも難しそう。
2.レガレイラ
スワーヴリチャードの強み、牝馬の強みどちらも瞬発力なので、本質的には東京より中山という印象。ただし、枠が枠かつルメちゃまなのでフィアスプライドよろしくヌルッと先行して前受けしそうな雰囲気はあり、そうなったら勝ちまでは疑問も上位に食い込める能力はある。
3.ジューンテイク
キズナ×シンボリクリスエスにSSクロス,Lyphardとかなり柔らかいストライド質の馬といった印象で、加速に難があるので京都向きといったタイプ。京都新聞杯での走りのように一旦スピードに乗ればある程度それを維持する事ができ、ラップにもそれが現れている。Lyphardクロスで柔らかいストライドを持つロジャーバローズにタイプは似ていると言えるが、あの勝利は後方のサートゥルナーリアにマークが集まっていたからこそ起きたもので、今回ジャスティンミラノはある程度前目で運べるタイプであり、前目にも持続力質の馬が割といるので逃げるぐらいの積極的な騎乗が無い限り馬券に食い込むのは難しく思える。岩田望来騎手がどれだけ思い切った騎乗が出来るかが鍵となる。
4.ビザンチンドリーム
皐月賞のnoteでは、エピファネイア産駒っぽい。大箱ベスト。ダービー馬候補。と書いたが極端な枠に入ってしまった印象。
エピファネイアがAureoleなので馬群×、ということで先行orほぼ最後方(or馬群に包まれて掛かる、詰まる)となるはず。皐月賞大出遅れもあり、陣営の対策も考えられるのでどちらの作戦に出てもおかしくはない。ダービーにおいて最後方からは無謀で、エピファネイア産駒に先行での追走負荷がかかるのも良くは無い。ただ、本馬の特殊性が良い方向性に働く可能性はある。
エピファネイア産駒はRoberto直系らしく大きく振り上げるような前脚の使い方をする馬が多いが、本馬は若干掻き込む動作が見える。恐らく、母母父のフレンチデピュティの影響のようで、クロフネ等高速巡行への適性が強い血統であるために、先行策を取った場合でも脚をある程度使えるかもしれない。きさらぎ賞のように緩みが少ないラップの中で脚が使えたという事も納得がいく。
ポジション、枠的にギャンブル性は高いが能力は高い。
5.ダノンデサイル
と皐月賞で書いてなんか似たタイプいたよなぁと思っていたが、父は違うが恐らくドウデュースがそう。Seattle Slew,Secretariatのボルキロを米血で動かしてるというイメージが正に共通する。勿論ドウデュースの方がスケール感は大きいが、基本的に適性は似ていると思われる。ドウデュースはレコードのダービーでは勝利したが、ジャパンCでは4着に敗れる等、本質的には東京2400は合ってないが高速馬場であれば巡行力とストライドを活かして上位に食い込めるといった印象。本馬もそのイメージなので高速馬場というのが上位に入る為の絶対条件という感じ。
中山、阪神の内回りではかなり強いと思う。今回エピファネイア産駒が2頭出走しているが、どちらも典型的な産駒とは異なっていて面白いなと思いました。
6.コスモキュランダ
と皐月賞で書いたがそのまんま。アルアイン、シャフリヤールのタイプ。レコード皐月賞は適性ドンピシャといった感じ。東京2400は本質的に合っているか微妙だが高速馬場ならある程度やれると思う。
7.ミスタージーティー
ドゥラメンテ×サドラーだから流石に重い。皐月賞は内枠から割と頑張ってたけど…
能力はあるのでパワーのいる馬場で会いましょう。
と思ってたんだけど意外と固い?母方のIrish RiverとRaise a NativeがBold Reasonとキンカメの固さを刺激してしまってるのかなという感じ。
8.アーバンシック
東京向きだと思ってたが首高の走法だしダノンベルーガにしか見えなくなってしまった。皐月、京成杯のラストの伸びも案外で百日草特別も大外一気だし同じく使える脚が短い疑惑はある。脚力自体はあり、能力も高いので馬券内に来れる可能性が無いことは無いと思うが厚くは買いたくない。どっかでルージュバック含め首高め走法の成因を研究したい。
9.ダノンエアズロック
モーリス界の異端児。基本的にモーリス産駒はグラスワンダー直系らしく主に後肢の硬さに問題を抱えており(以下略)
その問題を解決したのが曾祖母のMiss Priority
でSir Gaylord 4×5, Princequillo 5×5, Princely Giftといったナスキロの柔らかさを強調するようなクロスが多く、硬さを出すような血統的要素も少ない為、柔らかいストライドを引き継ぐ牝系としてモシーン、プリモシーンといった活躍馬を出している。(My Babuの5×5も内包されるBadruddin=Mah Mahalによって多少影響ありそう。柔らかいのに馬格あるの偉すぎ)しかしながらナスキロの主張が強すぎる故に、プリモシーンも活躍したのが中山1600,新潟1600,レコード東京1600と如何にも柔らかさと惰性で走っているという印象もあり、この血の特性を活かしきれている馬が今までいなかったとも言える。
そこに種牡馬としての主張が強いモーリスを付けた事で、お互いの弱点(硬い:非力)がお互いの強み(パワー:柔らかさ)によって打ち消されるという何ともご都合主義的とも言える魔合体をした産駒が本馬だと思っている。
モーリス産駒で当然距離不安は言われるだろうが硬さを克服した本馬は今まで(多分)いなかったタイプであり、緩急にも対応可能の操作性もあるので、道中の走法面での力みについてモレイラ騎手が騎乗で回避出来れば今回の2400mも十分こなせるはずだ。
新馬の持続力、アイビーSの瞬発力と見せた能力はやはり世代トップクラスで、プリンシパルSもダービーを見据えた仕上げながら完勝。
当然の本命。
10.サンライズジパング
母父Zoffanyは中山金杯を制したリカンカブールと同じでHalo≒Red Godの多重クロスを内包した機動力、Danzig、Robertoや米血による持続力、パワーに優れた血統。本馬は母母父Exit to Nowhereなので名牝Coup de Folieのクロスも生じより機動力と瞬発力を強化した形となる。また、父キズナの影響も大きく筋肉量も多いのでダートもこなせるといった所だろう。Storm Cat≒ロイヤルアカデミーⅡ+Secretariatも相まり力強いストライド走法だが、弱点もありコーナリングが下手という点にある。これは大跳びの馬故の器用さの欠如というより左トモの緩さにあるようで、コーナーで膨れるというよりは踏み遅れるという表現が適切に見える。その点では新馬以来となる左回りは歓迎したい。
この馬はダートでの実績や重馬場の若駒Sでの走りで良馬場よりも道悪の方が良いと思われがちだが、若駒S での鞍上の追い出しの早さに対して全く反応出来ていなかった点や厩舎コメントから荒れた馬場や湿った馬場よりも良馬場の方が得意だと考えられる。そう考えればダノンエアズロックに負けた新馬戦も、雨馬場でノメった事で持続質ラップを上手く追走出来ずに直線でも脚を使えなかった事での負けと解釈でき、内馬場が明確に悪かった皐月賞や渋った馬場の若駒Sと、適性の向く芝が良い馬場で走れたのはホープフルSだけであった。
そのホープフルSもショウナンラプンタがコーナーで外に膨れた事で受けた不利に加えて、直線でもレガレイラとシンエンペラーがヨレた事によって進路が塞がる不利があり、不完全燃焼な内容であった。つまり、本馬は1度も芝レースにおいて持てる能力の全てを発揮した事は無い。レガレイラと併せてから進路が塞がるまでの伸び方、Coup de Folieのクロス等の血統的要素、父は違うものの上がり33.6でドウデュースをクビ差まで追い込んだ兄グランシエロの末脚等、この馬が東京において速い上がりを使える可能性も、馬柱から受ける印象とは異なり全くもってゼロではない。
比較的スタートも早く、中枠の偶数枠とポジション的にも恵まれそうで、フォーエバーヤングとの0.3秒差の実績、そしてこの人気。不確定要素が多い故に確信は持てないが絶対に買わなくてはならない1頭だと言える。
11.シュガークン
特に言うことなく能力足りないと思ってます。来たらごめん。分析足りないかも。
12.シックスペンス
ピッチ。東京替わりはマイナスだろうし扱いに困る。
13.シンエンペラー
スタミナ自体はあるので2400はやれると思う。TS自体は並だが持続できるのでロンスパの展開がベストのはず。ただ、登坂能力は並なので能力含め上位争いには若干足りていない疑惑はある。扱いが難しい。
14.ゴンバデカーブース
Secretariat,Seatle Slewはどちらもボルキロなので、ブリモルはStorm Cat 2×2 (暴論)。
サンデー含まない米血かつAureoleなので個人的に嫌いです。母父ディープかつ母方にNureyev,Lyphradなので距離自体はこなせなくは無いとは思うが、本質的には1800mの馬。高速馬場がある程度の前提となってくる。
馬群×なので内枠引いて欲しいと思ってたが、外枠を引かれてしまった。この枠ならある程度外目を立ち回れるはずで簡単に切れなくなってしまった。ローテ含め色々極端な馬で個人的な好き嫌いが入ってるので個人で判断してもらいたいです。
15.ジャスティンミラノ
キレるキズナ産駒といった感じ。ただ、根本がキズナなのでディープやエピのように柔らかさでキレるといった印象とは異なりDarshaan,Machiavellianのパワーとギアチェンジでキレるというような印象。総じて東京2400向きの馬には見えないが折り合いがつき、ストライドもしっかり伸びるのでやはりここでも能力は最上位。Storm Cat的な持続力がメインにあるので高速馬場になって欲しい。もしそこまで馬場が早くならなかった場合は勝ちを取りこぼしそう。
17.ショウナンラプンタ
青葉賞組なんでそこまで評価していないがもうちょい考えたい。
18.エコロヴァルツ
と皐月賞で書いたが、今回もまた極端な枠に入った。Aureole持ちなので揉まれないのは良いが枠が枠だけにある程度出していく必要性と掛かるリスクがあって難しい。癖がなくストライドが持続するタイプなので東京も合う。
最低人気ではあるが紐では買いたい。
馬場,展開等考察
土曜日の馬場は未勝利戦、葉山特別のタイムを例年と比べても遅く、比較的パワーがありストライドの大きい馬が好走しやすい馬場で、オークス週から大きく傾向は変化していなかった。土曜日時点ではレコードが出た22年と同程度のタイムの出方であり、22年は比較的高い含水率からスタートし気温の上昇と共に馬場が高速化していった為のレコード馬場であったが、今回はそうはならないと考えている。というのも、今開催の馬場の遅さの要因は洋芝の生育が良すぎることにあると考えている。何故そうなっているのかは分からないが、気温が例年に比べて高く、散水を頻繁に実施しているのが芝の成長に繋がっているのかもしれない。
先週今週と2週に渡って芝刈りを実施しており、それでいてこの時計の出方であるのだから洋芝が良く発育した馬場というのが妥当な解釈だろう。
それを受けて今年のダービーにおいては、21.22年ダービーのレコードで台頭した米血的なスピードを持つタイプではなく、洋芝的なパワーとストライドに秀でた馬を重視していきたい。
また、展開的には5Fロングスパート戦or3F瞬発力戦を想定。瞬発力戦においてもある程度のパワーは必要と見る。TSもあまり高くなりにくい馬場なので、基本的に前目でそれらのラップを受けられる馬を狙う。
予想・印
◎9.ダノンエアズロック
〇15.ジャスティンミラノ
▲10.サンライズジパング
△13.シンエンペラー
△8.アーバンシック
△18.エコロヴァルツ
△2.レガレイラ
△4.ビザンチンドリーム
こうなった。△は上から評価高い順番。
◎ダノンエアズロックは全頭評価で述べた通り、瞬発力、持続力に優れる為どの展開でも対応可能なはず。前壁、ポジ取り失敗にならない限り勝ち負けには加わってくると見る。
〇ジャスティンミラノはキズナの基礎スピードが活きる馬場がベストではあるとは思うが、パワー、瞬発力、ストライドの長さ、先行力どれもあり、そもそも完成度が高いので絶対に軽視出来ない。
▲サンライズジパングはこの馬もスタートが早くある程度の前目で受けられるはず、良馬場かつパワーのいる馬場は歓迎で完全にベストと言える条件。
△シンエンペラーはある程度パワーのいる馬場なので持続力勝負になれば上位にくい込んでくるのではと思う。ただ、絶対能力に疑問は着くので3着、上位評価が取りこぼしての2着までが限界だろう。
△アーバンシックは脚力はあるのでどの展開でもある程度は差し込んでくるだろうが皐月賞も京成杯も最後差し切れるような脚色では無かったので上位争いには加われないと見る。3着まで。
△エコロヴァルツは枠以外は馬場といい完璧な条件だと思われる。出して掛かるリスクはあるが、洋芝での圧勝があるようにストライドと持続力はある為、完璧に運べれば2着まである。ただ、克服すべき点はあるのでこの評価。
△レガレイラは要る?って感じだがルメールかつ内枠なのでかなり厳しいが瞬発力戦においてある程度前受けした場合に3着と言ったところか。
△ビザンチンドリームは能力あるが枠、脚質的に克服すべき点が多いのでやはり△の中では安定性の面で劣るという事で1番低い評価となる。
回顧・反省
無-〇-△-無-△の決着。
◎ダノンエアズロックは返し馬からテンションが高く、この馬場で位置を取らなかった時点で好走は難しかった。直線でも伸びきれなかったのは恐らく距離適性だと思われる。パワーがある分道中力む所があるのかなといった印象。要検証。
▲サンライズジパングはスタートは出たが両隣の二の足が早かった分挟まれる形に、下げざるを得なかったが騎手は折って前に付けようとはしていたのでベストは尽くしてくれていたと思う。直線でも反応悪く一旦取り残されたが最後は伸びてきた。上がり33.5が使えることは想定していた通り。ホープフルでもレガレイラが外から来て併せの形になってからが1番伸びていたので、直線での反応の悪さはその形を作れなかった点にもあるのかもしれない。馬場もあり先行出来なかった時点で今回は厳しかった。今後改善、意識すべき課題も分かったと思うので頑張って欲しい。両隣の馬がスタート早い場合挟まれる可能性を考慮するべきか。
〇は思った通りの競馬。馬場的に取りこぼしがある事まで想定できたのは良かった。
△シンエンペラーは馬場を読んで比較的高く評価できたのは良かった。適性含め評価は適切だったと思う。
△アーバンシックは脚質の分今回は厳しいだろうなと思っていたが、周囲の評価に流されて消しきれなかったのを反省したい。直感的で来ないと思った馬は大体来ないので思い切って消せる力を身につけたい。
△エコロヴァルツはやって欲しいことは全てやってくれた。捲りが入った分厳しくはあっただろうが現状は力負けだろう。ストライドと機動力を行かせる中山2200とかがあっていそうなイメージはある。
△レガレイラは5F戦の中を瞬発力で5着に持ってこれるのはやはり能力の高さを再確認した。しかしながら3着に来るにはルメールがポジショニングに成功した時と評価した通りで、小さいが確実に存在する可能性を如何に馬券に反映させるかは難しい所で思い切って切る必要性含め今後も考えていきたい。
△ビザンチンドリームは克服すべき課題が多くあると述べたがやはり難しかったようだ。
勝ったダノンデサイルに印を打つことが出来なかったのは、自身の先入観が大きい。
この馬がピッチとストライドのバランスや血統的特徴においてドウデュースに似ているというのは先述の通りだが、ドウデュースのイメージに引っ張られて2頭の相違点にまで意識が及ばなかった。2頭の相違点はピッチ反応性と気性にある。ドウデュースが基本的に後方からの競馬となるのはピッチ反応性が高い故にスタートから出していくと気性も合わさって消耗が激しいためで、後方から徐々にギアを上げていく乗り方が必要となってくる。逆に、ダノンデサイルはある程度出していっても掛かることなく先行できる。しかしながら、反応性が良い訳では無いので馬群が詰まったり急激な瞬発力勝負となった場合に弱いとも言える。
ドウデュースが本質的に東京2400に合ってないのはどちらかと言えば後方からの脚質にあり、ハイペースかつロングスパートとなった22年ダービーでは後方からの脚質でも、ラップ的には一般的なレースで先行した場合と似たラップ構成となった為の好走であった。逆にジャパンCではロングスパート性能を位置によって活かせなかった為に負けたと言える。もし、ドウデュースの制御性が高くジャパンCでより前の位置、例えば単独2番手で競馬をする事が出来れば着順を上げていたはずだ。
そう考えればダノンデサイルのダービー好走は必然であった。内枠から前の位置を取る事ができ、ピッチとストライドのバランスの取れた走法故に最も得意なロングスパート勝負の展開となればジャスティンミラノを抑えての勝利は納得がいく。
先行できピッチとストライドのバランス故に対応出来る展開も割と広いとなれば、割とどの競馬場でも走れそうで、伏兵の勝利故に世間的な評価はそこまで高くないかもしれないが個人的にはこの馬の事を高く評価したいと思っている。
あと、本命だった京都2歳で直線へぐったの許してないからな。ステラヴェローチェでも頑張って欲しい。
サンライズアースは菊花賞合うかも?と書いた通りで京都で見たい。
馬場に関しては現地で確認もしたが明らかに芝丈が長く、立てた仮説は当たっていたと思われる。展開にしても5Fロングスパート戦で読めていた。
2000m以上のレースでは展開面はどうせ読めないと思って放棄していたが、馬場が明確で位置の重要性がある時には、脚質の思い込みを思い込みを無くす為にもある程度の展開予想は必要なのかもしれない。
◎▲を買った事に後悔は無いが、ダノンデサイルを先入観によって評価出来なかった。この一点は今回のダービーで反省すべきものだった。
駄文にお付き合い頂きありがとうございました。何か参考になったという事があれば幸いです。