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旅日記を綴る2

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10月

 ありがたいことに1st Album “見知らぬ日は旅“があっという間に1,000回再生を達成し、沢山の感想を頂いた。
「記憶を、思い出をめくるようなアルバム」

皆、過去を振り返った言葉を紡いでいた。

 私は途端にある言葉が頭に浮かぶ。
「旅日記か」

 今考え直すと、思考回路はこうだったのだろう。

「人生とは旅のようなもの。
誰かと(或いは何かと)出会い、別れる。
きっと何かを得てはどれかを失う。
焦れど道は続き、時は戻さずとも今手に何かが残る。
その中で、目指すものは何か。
きっと無数の美しさとデカルト的な自己中心世界こそが人生。
そしてきっと、旅日記とは俗に芸術だ(言葉も含む)」

こうしてライブタイトルは決まった。
『旅日記』。
(そしてすぐ奈良瀬さんにフライヤー制作を頼んだ)

11月

 自分が知りうる至高の表現者と作品を作ってみたかった。以前、甚く感動した小説が頭をよぎる。
タイトルは「藤の花の影を追う」
それは美しい文章と言葉遣い。それは文学的というよりも人間の思考回路に沿った生々しくも面白い構成。
作者はヤマさん。

突如送られてきたものだったが、世に出すべきだと声に出した。

 そんなヤマさんならば、私の無象を言葉に変えてくれると信じ頼み込んだ。快諾ではあったが、制作の際中々伝わらない部分もあった。(注:私の伝え方が良くなかった)
なので音楽を使ってコミュニケーションをとってみた。すると面白いほどに話が進んだ。

 度々感じるが、音楽がまた言語を超えた。

 会場は以前話にあがっていた「アッシュカフェ」。そこでの開催が私の切実な願いであった。
室内のアンティーク品の数々と、独特なレイアウトが『秘密の』を語るには最高の場所。
店内の雰囲気もあり、差し込む光が朝日のよう。
天井が高く、空間を埋める惑星のような照明。

 だがそこで問題はただ一つ。
会場をライブとして借りれるかどうか、だ。
さて、それは次のページで綴ろう。

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