ばれんたいんの思い出

ふと思い出してアプリを起動したのは、今日がバレンタインだったから。
もちろん、彼氏にチョコをあげたり、友達と交換したり、片思いの先輩に思い切ってプレゼントしたりと、いろいろな思い出はあります。
でも、今鮮明に思い出すのは小学4年のバレンタインデー。
学校へお菓子を持って行くのは禁止されていたのですが、暗黙の了解のようなところがあって、先生もうるさくはありませんでした。
わたしを含め、女子たちは先輩や先生にチョコを渡そうと張り切っていました。
3時間目が終わった休み時間、担任の女の先生にわたしたちは呼び出されました。
「クラスメイトなのに、○○君がチョコをもらえないことを何とも思わないの?」
その責める口調に、わたしたちは困惑しました。確かにその男子は人気があるとは言えませんでした。でも、意地悪でチョコをあげないとかそういう気持ちは微塵もなかったのです。
わたしたちは、先生が用意した三十円くらいのチョコを、言われるがままにその子に渡しました。
先生は、わたしたちに思いやりの気持ちがないと責めました。明らかに反省を促しました。
今になって、本当に彼を傷つけたのはどちらだったろうと思うのです。
女子たちから、同じチョコをいくつか渡されて、気がつかない年齢ではないはずです。
モてる子とそうでない子がいるのは仕方のないこと、1番彼を差別的な目で見ていたのは担任ではなかったのか?
もやもやしたその気持ちを当時は誰にも言えませんでした。
卒業後一度も彼には会っていませんが、本当のバレンタインが彼に訪れているといいなあと願います。

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