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桜の街で、描く。
その街に初めて訪れたのは、桜満開の川沿いに屋台が立ち並び缶ビール片手に花見をしながら歩いた、数年前の春でした。
桜並木の遊歩道が実家の目の前にあり、街の名前も桜に由来しそうな場所で暮らしてきた学生時代。
地元ではなくとも、どこか懐かしい温かさを感じたその街に惹かれるように、人生の転機を迎えたタイミングで生活をその場へ移しました。
お寺から続く商店街には昔ながらのお店が元気に営まれており、美味しいお豆腐やさんやお惣菜やさん、八百屋などなど、日々の食卓が賑やかに。
また、そのお寺でのおみくじは、大吉を引っ越してから連続で引くほど相性も良い。
そして、お気に入りのお店もできました。
川沿いの桜の木、散歩する人たちを眺めながら過ごす時間や時に生演奏など、色々詰まったCafe&Bar Musicaさん。
味噌煮込みハンバーグが絶品で、一枚のちゃぶ台を囲むと生まれる会話。チャブダイカフェさん。
日替わりで出店の変わる面白い場所のアキナイガーデンさんでは、アトリエスペースとして利用もさせていただきました。
川沿いの子ども本 &クーベルチップさんで行われたワークショップでのイラストレーターさんとの出会いもありました。
現在、文学部出身の高校来の友人と共作中の絵本。完成させることが出来たら、ひっそりと棚に並べていただいたりしたいなぁ、なんて夢を言葉にしておこう。
この街で暮らしていると、絵を描きたい景色や人の笑った顔や場面が浮かんで、
重ねてきた経験や出会いが繋がりながらライフワークになってきているような気がします。
街の持つ力、偶然の折り重ね、個性豊かな営みがゆるやかな川の流れのようにつながる街。
遊びに来てくれる友人達も、家族も気に入ってくれ、
次の桜の季節も楽しみです。