うまく伝えたい記事。
仕事場で避難訓練があった日。
うわー
やだよー
ダッシュで逃げ帰る私。
これは数ヶ月前の
お話し。
少し涼しくなった帰り道
私が乗るバス停に
一人の女の子がベンチを無視し
地面にヤンキー座りをしていた。
私は遠くから異様さに気づいていた。
引き寄せの法則でもあるのか…
最近真っすぐ帰れない…
あっっ…
避難訓練ずるしたからだ〜フッ。
特に女の子に気にもせず
風呂介助で疲れきっていた御身を
座りたい座りたいと
私はベンチに座り
Bluetoothをカバンから
取り出していた
……………………。
地べたにお尻をつけて
座る女の子が
いきなり片側二車線の
道路の中央に躊躇なく飛び出した。
え………………?
うーそーでーしょー!
多分声に出ていた私の気持ち。
まだ信号は赤
遠くから信号が変わる為
停車してた
運転の人たちも
は??まじで?
そう思ったはず。
そう思わなかった奴は
修行でもしてくれ。
どう見ても
その子を引き戻すのは
私しかいなかった………
避難訓練をずるした私しか……
私は
「あー、ドラマみたいだ…
行くっきゃないっしょ…」
と本当に思いながら
道路のど真ん中に走った。
そろそろ信号が
一気に青になる
その女の子の手を掴んで
「あぶないよ。戻ろう。」
と促す。
なかなか動かず
ぐずるその女の子を
強めに抱えこんでバス停に戻った。
バス停に戻し
とにかく
日焼けを気にしてる私ゆえに
片耳だけ
青緑のイヤホンを入れている
何気に私より大きいその子を
日陰のベンチに座わらせた。
「危ないじゃん。飴食べる?」
私のその言葉に
その子は
高速な言葉で
私と言う
吐く場所を見つけ
止まらない嘔吐のように
話しだした。
「死のうと思って道路に飛び出したわけじゃないの!!!!!!」
大きめな声で
泣きながら伝えてきた。
知ってる。
貴方は私の存在を確認してから
道路に飛び出したことを。
知ってる。
本当に死にたいと思っているなら、その行動は甘いからだ。
死にたい
そう思っていた我が子と己を
一番知っているのは私だから。
ふと見ると
ヘルプマークをつけていた。
目を見て話せば
その女の子が
何かの疾患を抱えているのは
すぐに理解できた。
決して支離滅裂ではない説明。
どう考えても支離滅裂な行動。
その女の子は
中古のi-phoneを
リサイクルショップで
昨日購入した。
だけど、使い物にならなかった
不良品だと訴える。
AppleIDも連携しなくて
何もできない。
付属品もレシートもある。
確かに綺麗な箱に入っている
型落ちのi-phoneを
私に見せてくれた。
鞄の中も整理されている
水筒も持っている
手作りのお守りのマイメロちゃんが
鞄に入っている
私は一瞬で見える物を確認した。
仕事の帰りだった私
まだ、スイッチがONのままだった。
彼女は怒りを私にリピートする。
何度聞いても
同じ事を私に説明し、
なんのズレもなかった。
彼女の気持ちは伝わった。
その怒りは分かるよ。
MeTooだよ
しかし…
私も家でヒヨコを待たせている。
次の動きにうつりたい……
私は彼女の情報が欲しくて
シャッフルしだす。
「片耳にイヤホン入れてるけど、
もう一つの携帯で
何聞いてるの???」
私は彼女が所持している
もうひとつの
携帯がずっと気になっていた。
その子は実際は
音楽も聞いていなかった。
そして
液晶がボロボロに割れている
もうひとつの携帯を取り出し
父親から朝きた
彼女を傷つけるだけの
存在価値を消すだけの
私も何処で見たことある
まさに虐待でしかない
攻撃のLINEを見せてくれた。
「ひどいね。随分言われてるね。」
私は遠い気持ちになった。
そして
又、彼女はi-phoneの返金をしてもらわないとお金がないの!と
リピートが始まった。
どうやら、この感じが
何度もあるみたいで
お店からは出禁をくらってるらしい…
彼女が行きたい
リサイクルショップは
私も場所を知っていた。
どーにも遠く
この路線で
どうやって行くつもりだったか
説明を聞いた時には
圧倒された。
遠回りだが
完璧だった。
彼女が呟く
「警察に来てもらおうかな…」
私はその言葉を
待っていた。
私からは言わないでいた。
友達みたいに話していた。
私ではもちろん保護はできない。
だからって彼女を
置いてバスに乗って帰れない。
「じゃあ、警察に電話するね。」
と
私は彼女に伝え
生まれて初めて110をした。
「事件ですか?事故ですか?」
おおおおお本当に言うんだー
とか思いながら
「女の子を保護してあげてください」
私が警察との話に集中すると
彼女はふらふらと動きだす。
あぶねーなー(泣)
待って待ってと私は服をつかむ。
女の子が私に言う
「ちょっとタバコ吸う」
たたたたたたたたたたたばこ??
なぬ?!!!
紙たばこを吸い出す。
嫌がる事なく私に
見たことのない身分証明書を
渡してくれた。
警察官に
彼女の身なり全てを聞かれ答える。
名前、住所、年齢、誕生日。
全然女の子ではなかった!
大人の女性であった。
見た目が幼く見えていたので
タバコを吸っても可。
これは、何故か安心した。
そして
二人で20分位
一番近い警察署から来る
警察官を待っていた。
「世話人が私のお金を全て管理してるし私の仕事じゃないから知らないわよ!って言われるし!警察官送ってくれるかな?!!出禁になってもいいから返金してほしいの!!泣」
その子の住所を見た
驚く私。
「遠っっ!ここから、ここまで来たの?すごいじゃーん!よく頑張ったねー暑かったでしょー。ん?最近誕生日だったんだね、おめでとーう♪」
この住所じゃわからない…
施設に入ってればいいな…
あんな父親の元に
帰らなければいけないのかな……
そして、
そこの施設が優しい施設ならいいな…
と
最近、子供達の施設で働いてる人の
話しをよく聞いて辛く思っていた…
高齢者施設は山のようにある。
でも
精神疾患や知的障害の施設は
とても少ない。
人手なんて高齢者施設より少ない。
その子供達の親も
それぞれすぎて
現場で働いてる人の
この話しを聞くと
尊厳とは何か
あぶれているとはなんだ?
国レベルの話しだよ。ほんと。
私の人生の束の間の時間
彼女の怒りや必死な行動
青が好きなの?
そのチェックのスカート
めちゃくちゃ可愛いね。
他愛もない話こそ私には宝物だ。
それでも私も
切り替えるしか無い。
手作りのマイメロのお守りは
誰かからの愛でありますように。
警察官にも
一寸たりともズレの無い話しを
リピートしているのが聞こえる。
私も警察官に個人情報を
全て聞かれた
面倒くさそうに
彼女の話しを聞いてる
警察官に歩みよった
「彼女の言動は、一貫しています。」
録音でもしといた方が良かったのか?
支離滅裂じゃない
完璧に今やりたい事に向かって
行動していた彼女に天晴だ。
彼女はまだ警察官と話している。
私は、これで失礼します。
と
もう一人の警官に挨拶して
何本か遅れてバスに乗った。
その時
彼女はバスに乗り込む私に気づき
「ありがとうお客さーーん!」
と
私に大きく手を振った。
「またねー。気を付けるんだよー」
私も大きく手を振った。
その後の事は知らない。
ただ、
その日から2週間
同じ時間帯にパトカーが
パトロールをしている事に
私は気がついた。
ゆうちゃんの携帯どうなったかな…
(※もちろん仮名です)
Photo by☆uenomanga
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