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2020年制作活動の振り返り

1.はじめに

今年もあっという間に年末になってしまいました。一年間の制作の振り返りをここ数年できていなかったので、4年ぶりくらいに書いています。今年は想像もしていなかったコロナウイルスの影響で、仕事のほとんどが在宅勤務、休日は外出を控えるようにしていました。幸い今は健康で過ごせていますが、今後どうなるかわからない状況が続くので、どこか気が抜けない毎日を送っています。しかし悪いことばかりではなく、家にいる時間が長かったため、制作はいつもより捗りました。スケジュール通りにゲーム制作を完遂できたり、作業に集中できたことは大きかったです。一方で、春に予定していたゲームマーケットや文学フリマといったイベントが次々と中止になり、昨年目標にしていた「イベントに参加する機会を増やす」ということが実現できなかったのは残念でした。良いことも悪いこともあった一年でしたが、そんな中でいろいろなことに挑戦でき結果的には満足しています。

2.会社でのデザインの仕事

私は会社で雑貨のデザインをしていますが、今年は7つの商品が販売されました。会社の仕事なので詳しくは書けませんが、どんなイラストやデザインでも、当たって砕けろ精神でどんどん案を出してみる、というのが大事だと気付きました。私は高校時代から自分の描く絵にコンプレックスを抱いてきましたが、いざ描いて出してみたら案外採用されたり、それが売れたりするもので、自分で自分に制限をかけていたことに今更ながら後悔しました。昨年の10月から今の会社でデザイナーとして働き始めましたが、もともと大学時代では芸術学、社会人3年目まではゲームプランナーをしていたこともあり、初めての職種・業界で正直戸惑うことばかりでした。しかし、会社以外の時間で勝手に作っていたZINEやボードゲームでデザインの技術を身につけ、今は会社の先輩からの助言や実務を通して、表現できる幅を広げています。

3.個人での活動と仕事

そして、ここからは個人制作の振り返りです。まず1月に完成した『旅するゲームブック:ウィーン』。読者が選択肢を選んで、オーストリア・ウィーンの街を散策し、地図を完成させてゆくというゲームブックです。今年はこの作品から始まり、様々なことに挑戦する機会を得られました。本当に作ってよかったです。5月・6月にオンライン開催されたシブヤ大学の授業では、このゲームブックに関連してウィーンの街をGoogle Arts & Cultureで散策しながらガイドをするという講座を開催させていただきました。そしてその繋がりでお声掛けいただいたJ-WAVE「RADIO DONUTS」でのゲスト配信。数十分という短い時間でしたが、美術大学に入ってからゲームデザイナーになるまでの経緯や、ウィーン旅行の体験談、ゲームブック制作のお話をさせていただきました。実は今年からStand.fmで短い音声配信を毎日続けていたこともあり(今は不定期です)緊張しながらもスラスラと話せていて日頃の成果が出ているような気がしました。J-WAVEのラジオが配信されてから、個人で運営している通販「Bitaby Store」でゲームブックを購入してくださる方がとても増え、一時期はずっと発送作業をしているほどでした。この体験から、まだまだ作品を知られていないだけで「興味を持ってくれる人は必ずいる!」ということに気づけたのはとても大きかったです。昨年まではあまり可動していなかった通販サイトですが、今年は売り上げで再販や仕入れをすることもでき、まだ商品は少ないものの、少しずつ運営スキルを身につけています。

そして今年もっとも制作に時間をかけたのが、2人用推理ゲーム『虚飾で彩られたカラス』のアートワークです。イソップ童話を主題にしたこのゲームでは、プレイヤーが童話の世界の登場人物になって、フリートークをしながら事件の謎に挑むというものです。ゲームデザイナーの新澤大樹さん、ライター兼ゲームディレクターの田中佳祐さんの共同企画で、初めてお二人とゲームを制作させていただきました。内容物の関係で、4つの印刷所に18アイテムの入稿をし、嘆きながら作業したのは良い(?)思い出です。これはまた別の記事で書こうと思います。
新澤さん、田中さんとは来年の1月に発売されるカードゲーム『すべてがちょっとずつ優しい世界』(漫画原作:西島大介さん)でもご一緒させていただいています。私は今まで分業で制作をしていくスタイルではなく、ひとりでシステムからアートワークまでをやってしまうことが多かったのですが、ディレクター、プランナー、デザイナーに分かれてボードゲームを制作できる環境を作ってくれたことに大変感謝しています。お互いの得意なスキルを発揮できるし、完成までのスピードも早い。ひとりでの制作も続けていきますが、年に数回こうして他のデザイナーの方とコラボできればなぁという思いが強くなりました。
11月には「ゲームマーケット2020秋」のイベントも双子のライオン堂書店さんと共同出展させていただきました。こうして今までひとりではできなかったことを、協力しながら進めていく機会をくださったことに感謝する一年でした。

4.おわりに

そして、日常ではなかなか外出する機会が失われてしまった中、数回のイベントやSNS、ラジオ配信を通して新しい方々と出会い、楽しい時間を過ごせたことが何より嬉しかったです。この社会の混乱がいつまで続くかわかりませんが、そんな中でも地道に作品を作り、いつも応援してくださっている皆さんとの交流も大切にしていきたいと思います。長文になってしまいましたが、来年も皆さまにとって良い年でありますように。そして、作品共々、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

5.今年一年のイベントと来年の予定

2020年 1月
・『旅するゲームブック:ウィーン』完成
・「文学フリマ京都」出展
4月
・文芸誌『しししし3』エッセイ掲載
5月
・シブヤ大学講座「第一回おうち美術館」
6月
・シブヤ大学講座「第二回おうち美術館:建築編」
・J-WAVE「RADIO DONUTS」出演
10月
・『ドイツ文化事典』(丸善出版)ヴォルプスヴェーデ解説掲載
11月
・『虚飾で彩られたカラス』(Murder Dual)完成
・「ゲームマーケット2020秋」出展
2021年 1月
・『すべてがちょっとずつ優しい世界』発売
・「文学フリマ京都」出展予定
・『旅するゲームブック:ブレーメン』制作中!



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あさみ
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。いただいたサポートは制作費として使わせていただきます。今後もより良い作品が作れるよう精進していきます!