病院でやってるアルコール手指消毒について解説してみた
春が、もうすぐそばにきてますね。
それに伴って
アルコール消毒のやり方
おざなりになっていませんか?
手洗いはこっちを参照にしてくださいね。
先日、感染管理認定看護師(感染管理のスペシャリスト)からマンツーマンで手指消毒をみてもらう機会があったので、みなさんにもご紹介させてください。
日常生活において臨床と同じレベルを求めるわけではありませんが、望ましいやり方を知っていて損はないと思うのです。
動画がいい人はこちらから。
テキストでも解説していきましょう。
適量=したたるほどの量
アルコール製剤の裏側をみると、だいたいが適量を手に取りと書いてありますが
適量とは、したたるほどの量です。
ちょっと手に取って擦り込むんじゃ
全然足りないんですよ~!!
そのため、液体タイプでもジェルタイプでも1プッシュじゃ足りないんじゃない?というのが、臨床からの冷ややかな意見です。
わたしたちは、最低でも2プッシュはして手に擦り込んでいきます。
台や床がびったびたになると思いますが、それでいいのです。
まずは指から
どうしても、手のひらから擦り付けたくなるんですが、1番キレイにしたいのは先端です。
・指の腹
・爪と指のあいだ
・爪のまわり(ささくれができるあたり)
このあたりを1番清潔にしたい。なのに、このあたりが1番汚染されやすい部分です。
手のひらをくぼませ、そこにアルコールをためるようなかたちで出し、反対側の指をinします。
これが済んだら、手のくぼみに残ったアルコールを反対側の手のくぼみにうつし、同じくinします。
それからやっと、手のひらに擦り込んでいくのです。
手首まで手
手のひらに擦り込んだら、手の甲、指と指のあいだ、親指のまわりと南下していきます。
最後に、手首をぐるぐるとキレイにします。
手首も手の一部です。
特に、冬のあいだは長袖を着ている人が多いと思います。
服の袖についたウィルスや細菌が手首に付着している可能性もあるので、ここもしっかりお願いしたいところです。
1番キレイにしたいのは
手のひらではありません。
なにかに触れるとき
なにかを掴むとき
1番最初に触れるのは、指の腹です。
手術に使うメスや点滴の針もそうですが、先端が1番清潔。床に落とした針を3秒ルールでまた使う、なんてことは有り得ません。
そのため、手首までぐるぐるしたら、もう手のひらや指の腹には触らない、というのが臨床でのルールです。
指の腹に比べたら、手首のほうが不潔であるという認識なのです。
日常生活では、そこまで厳密にしなくてもいいのかもしれませんが、お子さんの歯磨きをするときや傷口のケアをするときには、こっちのほうがベターかなと感じます。
おわりに
街中にアルコール手指消毒剤があふれる世の中になっていますが
流水下での手洗いに勝るものはありません。
やっぱり、手洗いが1番なんです。
アルコール手指消毒は、流水下での手洗いが難しい状況で補助的に行われるものです。
アルコールで消毒してるから平気よ!ではありませんし、手洗いをしっかりしているから100%大丈夫!とも言えません。
あくまでも、感染リスクを下げるための行為です。感染を防ぐためのものではありません。
アルコール消毒と手洗いを使いわけつつ、少しずつ無理のない生活を送っていきましょうね。