#4 ペナン〜クアラルンプールの移動には特急電車ビジネスクラスがおすすめ。サービスが非常に充実していて快適だった話(2022 マレーシア旅)
思い立ってマレーシアに旅行。前回はペナン島で2日滞在してジョージタウンの街並みを歩いて感じたことを綴りました。
そして、このあと帰国までの残り2日間は、ペナン島を離れクアラルンプールの都心部で過ごすことに。ランカウイ島で自然を満喫することから始まり、徐々に都会の喧騒に戻っていく旅程を組んだのでした。
今回はペナン島からクアラルンプールまで特急電車で移動したのですが、想像していた以上に良い体験ができたので、本記事で紹介します。
この記事がクアラルンプール〜ペナン間の移動の参考になれば嬉しいです。
クアラルンプール〜ペナン間の移動手段
まずはじめに、クアラルンプール〜ペナン間の移動手段について簡単に紹介させてください。
ペナンからクアラルンプールは距離にして約340km。東京〜名古屋、東京〜仙台を移動する距離感になります。
主な移動手段としては、「飛行機」「電車」「バス」があります。
飛行機
2都市を直接結ぶ、もっともわかりやすいルートです。料金は7,000円前後。LCCのエアアジアであれば日と時間帯によっては4,000円前後で移動することができます。
所要時間はフライト時間の1時間に加えて、クアラルンプール中心部からクアラルンプール国際空港までの移動時間として約45分、ペナン国際空港からペナン中心部(コムタ)まで約45分が必要です。
また空港には最低でも1時間前には到着しておきたいので、合わせると3時間30分ほど見ておいたほうが良いでしょう。
電車
特急電車とフェリーで移動することになります。所要時間は電車とフェリー合わせて約5時間。料金は一般車両は2,500円、ビジネスクラスで5,000円です。
バス
約5時間(渋滞がなかった場合)で都心部間を結んでおり、1,000〜1,500円程度で移動できます。
シートも豪華なものが多いうえ、1日100便以上出ており利用しやすいです。
電車を選んだ理由
コストパフォーマンスを考えると飛行機が、ゆったり安く移動するならバスも良いと思いますが、私が電車を選んだ理由は2つあります。
マレーシアの特急電車に乗ってみて、マレー半島の都市間の景色を眺めたかった
これまで飛行機で移動してきたこともあり、空から景色を眺めるのみでしたが、マレー半島の各都市の雰囲気や、移動中の景色を眺めたいと思った。高速道路よりも電車の方が沿線が見やすいと思った。
日記を書いたり、読書をしたりする時間を確保したかった
飛行機ですと、都心から空港まで移動で約1時間、搭乗手続きに30分、フライトで約1時間、着陸から荷物の受け取って・・・移動自体は速いものの、まとまった時間を確保するのが難しいと感じています。
バスについては、揺れ、振動があります。バスの中で読書をしたりパソコンを開くのは酔う可能性も高いと感じました。また、高速道路で渋滞が発生すると遅延が発生するため、所要時間が読みづらいのが難点です。
もちろん、あとの予定が空いており、バスの車内では寝ると決めていれば、バスという選択も良いでしょう。
以上の理由から、今回は電車に乗るという選択をしました。
ここから先は、ペナン島からクアラルンプールまで行くまでの行路を写真付きで紹介していきます。
ペナン島からフェリーで対岸のバタワース駅へ移動する
ペナン島から電車が発着するバタワース駅へは、フェリーでの移動になります。
フェリーについてですが、ペナン島側は「スウェテンハム ピア クルーズ ターミナル」という港から、マレー半島側は「ペナン セントラル」というターミナルを結んでいます。
乗船時間は約15分。景色を見ているとあっという間に到着していました。
下船後は、ペナン セントラルからバタワース駅へ移動。お互いが隣接しており、徒歩10分ほどの移動で着きます。
道中の順路がややわかりづらい(百貨店やモールの搬入通路なのか?と思える暗いフロアを通る)ので、前の人についていくのが良いです。
飲食や買い物はフェリーターミナル側となる「ペナン セントラル」で済ませることをお勧めします。電車駅側の「バタワース駅」にはキオスクが一軒あるのみです。おやつと飲み物を買い出すくらいしかできなくて、この時はちょっと後悔しました。(後で紹介しますが、ETSの車内サービスがとても良かったので、あまり気にしなくて大丈夫でした)
特急電車で4時間の旅
バタワース駅に到着後、電車に乗車になります。
今回利用する電車と予約方法について少し紹介させてください。
今回乗車する特急電車「KTM ETS」について
今回バタワース駅からクアラルンプール(KL Sentral駅)への移動で使う電車は、マレーシア鉄道(KTM)のETS(Electric Train Service)という、特急電車でマレー半島を長距離運行されるサービスになります。普通や快速といった類の電車はなく、全列車が特急です。
ETSには、運行区間と停車駅の違いで、Silver, Gold, Platinum, Express という4種類の形態があります。東海道新幹線で例えるなら、こだま、ひかり、のぞみ、のぞみ になります。
私は今回 Platinum という列車で、座席はビジネスクラスを利用しました。ビジネスクラスは、日本でいうグリーン車に相当するクラスになります。
きっぷの予約は、マレーシア鉄道(KTM)の公式サイトから行えます。
予約完了後はQRコード付きの予約票が発行されるので、駅の改札で見せることで通ることができました。
特急電車のビジネスクラスはサービスがとても充実していた
今回は静かな環境で読書や日記を書いたり、思いのまま過ごしたかったので、ビジネスクラスを利用しましたが、サービス面がとても充実していました。
シートがフカフカで、前後間隔も十二分にとられていて、とても快適そのもの。窓の下にはコンセントが1個、USB端子も2個。ノートパソコンやスマートフォンの充電もすべてできて、ありがたかったです。
機内食さながら、食事とおやつのサービス
乗車した特急電車はお昼に出発する便だったためか、乗車後しばらくしてお弁当とお水が提供されました。
続いて15時前にはおやつと飲み物の提供がありました。
まさに飛行機で機内食が提供されるのと同じような感覚で、ちょっと驚きでした。
座席に座ったまま、飲み物や軽食をオーダーできる
サービス面で一番印象に残っているのは、各座席に付いているタブレット端末から、飲み物や軽食をオーダーできること。
コーヒーが飲みたくて、オーダーをしてみたら、約15分後に座席まで届けにきてくれました。至れり尽くせり…!
日本でもこんなサービスあったらいいのにな。
景色を眺めたいなら、非常時脱出可能な列へ
乗車してから気付いたことが1つあります。
KTM ETSの特急電車の窓は、基本的にスモークガラスになっているので、あまり景色を楽しむことができなかったのです。
ただし、非常の際に窓ガラスを割って脱出できる部分が車内に2ヶ所あるのですが、その窓ガラスについては通常の透明ガラスになっていました。(諸外国の電車は、非常時に窓ガラスを割って外へ脱出できる仕様になっていることが多い)
もし景色を眺めて楽しみたいなら、この非常脱出可能な列を予約することをお勧めします。
実際に乗ってみて
「非常に快適で満足できるものでした。」の一言に尽きます。
ここまでサービスクウォリティのが高いとは予想しておらず、車両も新しくてきれいで、とても良い移動体験ができました。
食事をして、読書したり景色を眺めたり旅日記をまとめたり。まとまった充実した時間を過ごすことができました。
もしかしたら、飛行機やバスとの競合を意識しているのかもしれません。
飛行機は1時間なのであっという間で機内サービス時間を確保できない。
バスは移動中にサービスを行うことは難しく、高速道路のサービスエリアに立ち寄るくらいしかできない。
KTM ETS(特急電車)のビジネスクラスサービスは、競合が持ち合わせていない部分を突
いた、クウォリティの高いサービスを提供しているのだと感じました。
今回はペナン島→クアラルンプールという行路でしたが、クアラルンプール→ペナン島へ行く際も使えます。
クアラルンプール観光後、「ちょっと足を伸ばしてペナン島へ行ってみたい」「まとまった時間をとって移動したい」と思ったら、特急電車「KTM ETS」の移動もぜひ検討してみてください。
次回は、マレーシアの首都クアラルンプールでの2日間について徒然書いていきたいと思います。