配信演劇の可能性
12日の麻細Vol.13 の内容、ならびに上演作品について書きます。
チケットはこちらのnote↓を購入してください!それでは内容について!
稽古を見る
皆さんは本番の舞台を見たことはあっても、演劇の稽古を見ることはほぼないと思います。だからふつうに考えて、稽古といえば「未完成の修練」を繰り返すもの、だと思って当然です。しかし稽古場で繰り広げられるのは、実は本番とは別種の完成品なのです。
役者にはそれぞれ演技の「プラン(計画)」があります。脚本を読み、ある程度の予測をもとにプランを組み立てます。稽古場で他の役者の演技と合わせることで、そのプランは流動的に変化していきます。その変化を捉えるのが、稽古の役割です。つまり、稽古一回一回が、それぞれ一つの完成品なのです。演出家は、その中から一つの答えを選び、調整していくことになります。
稽古を見ることで、演出家と同じ目線で役者たちのプラン、そしてすり合わせの面白さを体感できる。それが今回に限らず麻細のテーマでもあります。
ぜひ、あらゆる可能性を一望してください。
本番を見る
舞台本番では、照明や音響が加わり、役者の演技を際立たせます。今回はOBSというソフトウェアの機能「シーンチェンジ」を利用して、暗転や効果音、BGMなどをリアルタイムで加えていきます。有料の稽古配信では、それらがどのような効果を期待しているのか、といった解説を含めて、麻細の二人が配信演劇について語り尽くします。本番上演は三本、そのうち一本目をご紹介します。
・1本目 一つの場所に複数のカメラがあるパターン
リモートで複数の場所から中継される配信演劇においては、カメラがそこにある状態、つまり演者がカメラを意識する(視点としてのカメラが存在する)状態が多くを占めます。この利点は明確です。演者がカメラの存在を知っている状態であれば、配信を見ている観客が容易に主観視点を得ることができます。また、映画のように自由自在なアングル変更やカットチェンジができない機能上の制約も、そもそもがZOOMであったりといったプラットフォームの問題であれば、観客はその瑕疵を気にする必要がありません。
しかし、カメラがそこに存在し、配信やZOOMなどの役割を担っているということは、カメラアングル、演者の画面内に占める割合などが、固定されてしまいます。つまり逆を言えば、演者がカメラを意識しない状態であれば、カメラはどこにあっても良いことになります。
そこで最近は、一つの場所に複数人が居る状態を別々のカメラで捉えた、映画のような配信演劇が作られるようになりました。一本目はそのコンセプトに従った短編です。銃が出ます、銃声が鳴ります、ご期待ください。
6月12日(金)22時〜
麻草郁と細川博司が話す会Vol.13 『ZOOM演劇をやってみる会』
観劇詳細、チケットはこちらから!
皆様のご来場を心待ちにしております。