メイドコスプレと黄金の物語 ~季節外れのバレンタインデー
《プロローグ》
スカトロ系掲示板で知り合った、メイド服&黄金フェチの長身イケメンとの初めてのプレイ。緊張にもめげず、わたしはひと塊の黄金をこの腐敗した世界に産み堕とした
しかしそれは思いのほかカチカチで、「硬い黄金特有の強烈な苦みのため」まろやか嗜好のカレのクチには合わなかった(そうだ)
実食プレイを断念して“苦笑い”するカレ。
それから2ヵ月、再びプレイのチャンスを迎えた・・・
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《本編》2020年10月某日...
(あと1時間...トイレの神様お願い!カレに逢うまで持ち堪えて!)
滞在先のホテルの1室。全裸のわたしは女装外出の支度を整えている
朝から幾度と襲う陣痛にも耐えるも、カレにはスタート時間を数時間繰り上げてもらっていた。しかし今度の波はそれまでの比ではない
当然、メイクにも集中できずに悶絶周期を繰り返し時間だけが過ぎていく
今回はどうしてもカレ好みの一品を提供したい一心で、当日早朝にピンクの小粒コーラックⅡを2錠服用した。しかし特に便秘でもない私にとって、それは大量破壊兵器の殺傷力に等しかった
(あぁもう無理!もったいないけど、少しだけ出そう...)
少しだけ楽になるならと、脂汗を浮かべ悶絶しながら2メートル先の便器にゆっくりと慎重に進み始める。そしてそれは一瞬の出来事だった
ぅあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・
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便器に辿り着く手前でひと房の果実が太腿を伝って床面に堕ちた。肛交プレイで使い込んだわたしの肛門括約筋など、まるで自動ドア。皮肉にもそれはカレの大好物の色艶と水分量のバランスの一品だった
でも諦めてはいけない。今ここで1失点で踏みとどまることができれば、無傷の選手たちが活躍してくれる
肛門括約筋をギュッと絞め直すと急いで外出用の女装メイクを再開し、最後に下半身をシャワーで洗い流しアウターを着て、先にチェックインした指定されたホテルに急ぐ
慎重に歩きながらカラダが軽くなっているのが少し気になった
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カギの開放されたドアを開けると、テーブルの上にはメイドコスプレ衣装一式がキレイに並べて用意されていた。きょうはインナー含めて上下計4枚組のアンサンブル。それはカレの期待値の高さを物語っていた
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「ヤバい、かわいい!今度も似合ってますよ、女王様!」
前回同様メイドコスプレ一式を着替え終わると、段取り通りそれまでバスルームで待機していたカレが現れる。精一杯つま先立ちした私は唇を求め抱き合うや、さっそく排泄プレイへと進む
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奇跡は起きなかった
それは、具の少ないお味噌汁。
ピンク色の作業用ゴム手袋は、今回も未使用のまま
2ヵ月ぶりのプレイは実質10分も続かなかった
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『わたし、12月にまた来ようと思って♡』
「あっ...ボク、予定わからないんですよ」
『…そっかぁ・・・』
カレは残り汁を浴びた身体をシャワーで洗い流すと、黙々と部屋の片づけを始める。傍らでわたしはメイド服を脱いでふたたび着替え直す
その後も会話は続かなかった。予定時間を大幅に繰り上げてもらった感謝の気持ちを最後に伝え、部屋を出ようとドアを開けたとき、背中越しにカレの呟くような言葉が聞こえた
「女王様って、イイひとですよね...」
まだ日差しも強い昼下がりの帰り道、その意味を考えてみたがよくわからなかった。でも、少しだけ気分が楽になった気がした
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ホテルに戻り部屋のドアを開けると不思議な光景が広がっていた
そこは手作りチョコに初挑戦したもののハデに失敗したキッチン?
(あぁ~...、わたしってホント、不器用!)
甘酸っぱくてほんのり苦い香りに包まれながら、わたしは床に落ちている固まりかけの生チョコたちの後かたづけを始める
全開にした窓から、乾いた秋の風が吹き込んできた。
【完】
メイドコスプレと黄金の物語
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