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千年前の月

先日のニュースで、藤原道長が約千年前に詠んだとされる句、

この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば

「小右記」藤原実資の日記

道長が見た月と同じ月が今、約20年ぶりに見られるとのことでした。
計算上は、少し欠けている月が見えたはずという事らしいですが、
本当は満月だったのか、欠けていたのか。

通常は五七五七七で作られるのが句の常識だと言われるのですが、
数えてみるとこの句は、五八五七七で作られています。
字余りの句であるにもかかわらず、違和感のない独特の貴族的な風流を感じさせます。
常識にとらわれない道長の姿を表しているのかもしれません。

人間も月も完璧よりは少し欠けていたり、飛び出していた方が本来の姿のような気がしました。

十六夜(いざよい)の少し欠けた満月を満喫できたらと思います。

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