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好きなラブソング

 昔から恋愛をテーマにした創作物が好き。
 ラブソング、恋愛小説、ラブコメ、好きすぎて少女漫画を読んでいたこともある。
 恋愛をテーマにしたものは人を想う純粋な気持ちがまっすぐに語られていて、そういったものに触れるだけで荒んだ自分の心が洗われていくような気持ちになる。誰かのことをただ想うというのは、何にも代えがたい尊い事だと思う。

 今日は僕の好きなラブソングの好きなフレーズを4つ紹介します。



①君のくせを知りたい

君のくせを知りたいが ひかれそうで悩むのだ
昨日苛立ち汗かいた その話を聞きたいな

「くせのうた」/星野源

 「好き」という気持ちは、色んな言葉に変換できると思います。
 そんな中でも僕が一番好きなのは「君のくせが知りたい」。
 
 誰かに惹かれた時、そのきっかけはたった一つの些細なことかもしれないけれど、もっと他のことも知りたくなる。
 昨日苛立ったこと、どんなことで苛立って汗をかいたのか、好きなことや嫌いなこと、今までの人生のこと、どんなことでどんな表情でどんな声で笑うのか、過去の恋のことでさえ、僕の知らない君のことを知りたい。
 もっと君の話を聞いて、君と同じ時間を過ごしたい。
 それらは全部、君のことをただ知りたいから。
 
 知りたい、とただ思うこと
 それが恋愛の本質かもしれないと、僕はこの曲を聴いた時に思いました。


②あなたと見る絶望は

あなたと見る絶望は あなた無しの希望など霞むほど輝くから

「カナタハルカ」/RADWIMPS

 誰かを好きになることは、同じ景色をたくさん見たい、ということだと思います。
 でもその景色が全て輝いているとは限りません。
 その中には、もしかしたら世界が終わる瞬間もあるかもしれない。
 でも、そんな絶望的な景色でさえ君と見たいと思う。
 人が誰かを好きになることで強くなることができるのは、こういうことなのかもしれない。

 こんなに真っ直ぐで美しい感情、そして表現方法があるでしょうか。

 映画「すずめの戸締り」を劇場で見た時、映画の良さもさることながらこの歌の歌詞の良さに驚きました。そしてちゃんと映画の内容ともリンクしている。
 RADWIMPSのラブソングは唯一無二の美しさがあって大好きです。

③もう少しで僕は

もう少しで僕は僕を一つは愛せるのに
斜陽にはにかむ貴方が見えた

「斜陽」/ヨルシカ

 誰かを好きになることは、自分のことが嫌いになることでもあるような気がします。誰かと向き合うことで見えてくる自分の弱さや嫌なところが自然と見えてきますからね。
 一人で生きていれば気付かなかった自分のキャパシティの限界とか、抑えきれない情動がたくさんあって、貴方を好きにならなければもう少しで自分のことを好きになれたのに、斜陽にはにかむ貴方が見えてしまった、という恋することで生まれるどうしようもない後悔やそれでも好きだというアンビバレントな感情を綺麗に表現されているなと思います。
 そして好きになったのは、自分のことじゃなくて貴方のことだった、というわけですね。

「斜陽」と言えば太宰治の同名小説が有名ですね。
 この作品はめちゃくちゃ簡単に言うと、戦後の没落貴族の主人公がその価値観を捨てる話、なのですが、その話の中で主人公の女性と小説家の恋の話があります。

 この歌はその2人の関係と、この歌がテーマソングになっている「僕の心のヤバいやつ」というアニメの2人の関係性を上手くフューチャーさせた曲だと僕は解釈しました。(ヨルシカさんの曲は解釈の仕方が色々あって、それも楽しいところだと思うので、これが正解とかではないです)

 ヨルシカの作詞作曲を担当しているn-bunaさんは本当に魅力的な深みのある歌詞を書く人で、こんなふうに美しく日本語を使えたら良いのに、と思います。


④なくしたものを越える強さ

なくしたものを越える強さを 君がくれたから
君がくれたから

「瞳をとじて」/平井堅

 切なすぎます。

 名作映画「世界の中心で愛を叫ぶ」のテーマソングとして有名なこの曲は、その映画の内容をそのまま映し出してような美しく儚い曲になっていて、そこに平井堅さんの力強くも美しく澄んだ声がさらにこの曲の雰囲気を演出しています。

 高校生の時に高校の理科の先生が「瞳は閉じれねえよ!w」ってこの歌を笑いものにしていて、僕はなんだか笑えませんでした。

 この歌は全体を通して映画同様「大切な人を失った人がその事実と向き合う歌」となっていて、その強さと切なさがずっと歌われるのですが、最後の歌詞が上のフレーズなのです。

 なくしたものはすなわち「君」なのですが、そのなくしたものを越える強さも「君」がくれたんです。
 こんなのってあんまりですよ。
 でもそれも君とのたくさんの思い出があるから「瞳をとじて君を描く」、ただそれだけで良いんですね。


 いつか僕も恋とか愛をこんな風な言葉で表現できたらいいなあ。

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