レトロモダンの福岡・佐賀を歩く
航空機
12/14(土)
FDA301便(名古屋―福岡)
7:00~ 8:35
12/17(火)
FDA310便(福岡―名古屋)
15:55~17:15
ホテル
12/14(土)
デュークスホテル中州
12/15(日)
ヴィアイン博多口駅前
12/16(月)
ホテルルートイン門司港
レンタカー
ニコニコレンタカー福岡空港店
12/14(土)
9:00~17:00
12/16(月)17日(火)
16日10:00~17日14:00
日程
12月14日
福岡県糸島市・佐賀県唐津市
12月15日 甥の結婚式
12月16日 門司港
12月17日 小倉城
12月14日
福岡県糸島市
佐賀県唐津市
レンタカーは福岡の繁華街を走る。信号が多いのでゆっくり進む。大濠公園の脇を抜けて繁華街が一応終わる。「生の松原」を通り過ぎて糸島市に突入する。糸島の丘の道を走ると海岸線に出る。しばらく走ると桜井二見ヶ浦に着く。三重県伊勢の二見ヶ浦と同様に、海の中の二つの岩が大しめ縄で結ばれている。夫婦岩の手前に純白の鳥居がある。美しい光景だ。海の藍と岩と真っ白な鳥居の組み合わせがとても良い。日本の夕日百選にも選ばれているらしい。
佐賀県にやってきた。延々と続く松並木に入る。虹の松原だ。道路の両脇から数知れない巨大な松の木が枝をのばしている。途中にあった「唐津バーガー」には車やバイクがたくさん停まっていた。長い松のトンネルを通り抜けて唐津城に至る。
唐津城までの階段は足腰に負担がかかる。階段を駆け上がる高校野球部の生徒は何十回もダッシュしている。野球部と何度かあいさつしながら登った先には、海に面した立派な天守閣がある。静かに海や唐津の街を見ることができる。唐津の街は家屋の立ち並ぶ島が橋で繋がっているみたいだ。
城に近い観光物産店(アルピノ)の中にある曳山展示場に入る。秋季例大祭「唐津くんち」の14台の曳山を見る。様々な獅子や龍の曳山がある。義経や信玄・謙信など武将の兜の曳山が並んでいたが、その意味は分からなかった。いずれにしても、各町の若者が、2~4トンの曳山を押し合うのを見てみたいと思う。
博多への帰り道は渋滞の連続だった。福岡県では行く先々で車が列を成した。街中を抜けて空港付近のレンタカー店に到着するのに2時間以上かかった。大都会、福岡。繁華街がずっと続く街だ。人間も多いなあ。
地下鉄で中州へ向かう。中州川端駅は地下の底にあるみたいだ。今政治混乱にあるソウルの地下鉄のことを思い出した。長いエスカレーターと階段。地上に出ると賑やかな街。中州の街は、さすが土曜日で、人も車もいっぱいだ。ラーメン店に人が並び、行き過ぎる人も背後の景色もクリスマスを感じさせる。道を間違えながら、西ではなく東側の川沿いのホテルにたどり着いた。やはり中州は水に囲まれている。多分、海水に囲まれている。ホテルは中州の北西部にあった。静かな場所で、部屋は清潔ですごしやすかった。
ホテルを出て、地下鉄駅南のアーケード商店街を歩く。上川端商店街である。18時を過ぎていたので、閉まった店もあったが、多くの人が行き交い、焼鳥屋や焼肉屋には満員の札が貼ってあり、ラーメン店には行列ができている。
駅の北側の中州をかなり歩いた後、たまたま入店できた餃子の店で酒を飲む。外国人が運ぶ鉄鍋にのった餃子は熱くておいしくて満足だった。中国人の集団が近くの席に押し寄せてきた。彼らの大きな声が店内に響く。アジアの人は声がでかい。日本人は静かに餃子をつまんでビールと冷酒を飲み、語り合っている。韓国語や中国語と若者の奇声が響き渡る、インバウンドの街、中州、NAKASU。
中州の街は輝いていた。イルミネーションの連続で、中心にはクリスマスマーケットがあった。そのステージでは、女の子が山下達郎の「クリスマス・イブ」を歌い、装飾品の店が軒を並べていた。若者ばかりの人込みをかき分けるようにしてホテルへと歩く。
ホテルへの道には屋台が並んでいる。どこも満員で料理を提供する店主を中心に笑顔の花が咲いている。ビニールカーテンの屋台はちょっと入り込めない空間だが、入店許可は出るのかなあ。
12月15日
甥の結婚式
高宮庭園茶寮。
由緒正しい結婚式場だ。
チャペルでの結婚式は生演奏・生歌で、神父は日本語と英語のバイリンガルだった。おまけに長椅子の設置も手伝っていた。披露宴は若者の集いで、昔なら二次会の場がこんな感じだったろう。堅苦しい挨拶などなく、純粋に新郎新婦を祝い、家族やゲストが喜びを分かち合う場であった。結婚式も変わっていくんだと、しみじみ考えた。
I promise to love her in sickness and in health.
結婚式の後の時間を使って大濠公園に行ってみた。地下鉄駅を出ると公園が広がっている。巨大な池の周りが散歩道兼ジョギングコースになっていて、何人ものマラソン人が走り抜けていく。池には白鳥のボートが浮かんでいる。何組かの韓国人カップルや中国人の集団とすれ違う。インバウンドは韓国人が1位だというニュース通りだ。5時になって公園全体がライトアップしたが、空は明るかった。愛知県より少しだけサンセットが遅い場所なのだ。30分ぐらいだが。
ホテルがある博多駅に戻る。中州のようにイルミネーションが駅前を覆っている。広い場所が美しく輝いている。クリスマスなのだ。電飾の雪が電飾のクリスマスツリーに降り注ぐ。サンタクロースやトナカイ、クリスマスプレゼントはどこだ。店にはクリスマスフードが並んでいる。
駅前のホテルはわかりにくい場所にある。阪急百貨店で買った弁当を手に、迷いながらたどり着く。とてもきれいで広い部屋で、テバ地下の食事とコンビニの酒で結婚式の疲れを癒すことができた。このホテルは口コミ通り素晴らしい。
12月16日
門司港
再びレンタカーを借りて門司港に向かう。渋滞もなく、昼過ぎに到着した。ホテルに車を停めて、レトロの街へ歩く。立ち並ぶカレー屋は満員で順番待ちの人も多い。少し待って「伽哩本舗」の店内に入ることができた。一昨日の餃子と同じく、熱くておいしくてお腹いっぱいになった。かんもんPayで代金を支払った。(かんもんPayは使いにくいと思うけど、どうなんだろう。)
レトロな街は明治・大正・昭和の雰囲気を感じる場所であった。レトロなビルはそれぞれ新装して店になっている。中華料理やフレンチなどのレストランや商店に姿を変えていた。跳ね上げ橋があり、その背景には関門橋が架かっている。門司と下関を繋いでいて、海の向こうには下関の街が見える。
ぶらぶらと街を歩き、かんもんPayの残金で買い物をしたりした。最後に、関門海峡ミュージアムで遊んだ。顔写真を登録するといろいろなゲームができる。魚の名前や漢字のゲーム、宮本武蔵や佐々木小次郎になれるゲーム、普通のゲーセンにあるようなゲームなどなど、展示を含めて楽しめる施設だった。旅の思い出としてスマホに気に入った魚や武蔵になった自分の姿を残すこともできた。
サラリーマンや工事関係者に出会うホテルで、ふぐ鍋をつついて酒を飲んだ。内装が新しくなった部屋の窓からライトアップした関門橋が見えた。レトロの街も輝いていることだろう。
12月17日
小倉城
空港に向かう途中に小倉城に立ち寄った。小倉北警察署の向かい側の公園内にある。中学生が殺害されたマクドナルドはここから少し南にある。小倉南警察署は5日間不眠不休で映像解析をして犯人を検挙した。この痛ましい事件は、あの演歌(小倉生まれで 玄海育ち 口も荒いが 気も荒い・・・)みたいに小倉の荒っぽいイメージを膨らませてしまう。ところが、小倉市は新幹線が停車する都会で、城のある公園も美しく整備されていた。松本清張記念館の横を通って天守閣へ向かう。秋の名残りの紅葉も見られる。お城はどっしりと、そこにあった。公園内を歩くと、宮本武蔵と佐々木小次郎が巌流島で戦う姿が見える。
遅いぞ、武蔵。臆したか。
小次郎、敗れたり。
宗像大社に行こうとしたが、ナビの案内が不調で諦めてしまった。仕方がないので、途中でイオンに寄ったりして、のんびり空港のレンタカー店に進む。
空港で軽く食事をして、店を見ながら待ち時間をやり過ごした。フライトは順調で、県営名古屋空港に無事到着。
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結婚式のついでに、福岡県と佐賀県をめぐる旅であった。
糸島と唐津はのんびりした場所だった。夫婦岩をリニューアルする人がいる。曳山を守り続ける人々が生活している。唐津城が、防衛の専門家・石破首相のように、北朝鮮や中国から城下町を守ろうとしている。
中州や大濠公園は韓国人や中国人で溢れていた。外国語が街にこだまする。レストランやコンビニで働く人も外国人ばかりだが、日本語が流暢で日本的な丁寧なサービスをする。ユーラシア大陸に繋がる場所が九州なのだ。巨大なビル街と幹線道路の狭間にソウル的屋台が並ぶ。
門司港のレトロは外観に漂うもので、レトロビルの中身は種々の店であった。これを人はレトロモダンと呼ぶのだ。
関門橋の下で新幹線のぞみが疾走している。ミュージアムはIT技術を駆使している。
過去と現在と未来が詰まった日本的な街を歩いた。刷新された結婚式も含めて、日本の進む道がよく理解できない自分をもどかしく思ってしまう旅となった。
最後までお読みいただき、ありがとうござました。