お直しの喜び(器・衣服・道具) 6月1日(木)
とにかくそそっかしい体質で、器をすぐに欠けさせてしまう。白い服が好きなのに、シミをしょっちゅう付けてしまう。どれも気に入っているものなのに…と悩んでいた。
器は作家ものが多め。れも気に入っている。衣服は友人が仕立ててくれた。市場籠は15年前に商店街の金物屋で購入、使い勝手がすごくいい。いずれもずっと使い続けたい。
漆継ぎ(うるしつぎ)
そんなとき、救世主が現れた!
友人の、そのまた友人。ご自身の欠けた器をなおしたくて、金継ぎを習得されたとのこと。「金継ぎはどうしても材料が高くつくし、もっと気軽に直して使い続けてほしい」ということで、漆で仕上げる「漆継ぎ」を提案されている。
驚いたのは、欠けたり割れた器が、以前よりもうつくしくなったこと。人の手が入ることで、器がまたあたらしい表情を見せてくれる。
一度直してもらった器は、より大切に扱うようになる…とはいえ、気に入っているものは、自然に使用頻度もあがるので、二度三度と欠けさせてしまうことも…「たびたびすみません!」と平謝りしながら直してもらっている。
衣服のお直し
服は古い友人でもある柘榴洋裁店の祥子さんに仕立ててもらっている。
わたしは背が高くて、がっしり体形なので、市販の服は体に合わないことが多い。だけど仕立ててもらえば心配無用!「丈は長めに」「ゆったりめに」などの細かなリクエストに応えてくれる。
ついでにゴムが苦手なので、ズボンやスカートなどは「紐でしばるタイプ」で仕立ててもらう。
同時に「お直し」もお願いしている。擦り切れたり、破れたりした衣服の修理に加えて「シミのダーニング」も。
市場かご
持ち手の部分がもともとビニールチューブで巻かれていた市場籠。実用性に特化したものなので、見た目は気にしないという質実剛健さはそれはそれでよいけれど、やっぱり見た目がいまいち…と思いながら使っていたら、ビニールの中がカビてしまった。
さてどうするか…
ビニールを外して何かを巻けばよさそう…そうだ、革!
革職人の友人のところに籠を持ち込み、「この持ち手に革を巻いてほしい」と懇願する。仕上がりは驚きの美しさ、革の経年変化も楽しめる。
鍋とやかん
いただきものの大きなやかんと蒸し器。
やかんは湯たんぽ3つを作るのに欠かせぬ大容量。
蒸し器は日々の温めなおしや蒸し物に大活躍!
しかし、酷使し続けたせいか、フタのつまみ(黒いプラスチック製)が割れてしまった…つまみは小さいけれど、これがないとすごく不便。さて困ったどうしよう。
木工作業が得意な知人の顔が思い浮かび、修理の相談をした。
「そういうことならなおしてあげましょう」美術作家でもあるその方は、作品用にストックしてある木材から、椿の木を選び、つまみをつくって付けてくださった。ぴったり!そして以前のものより断然うつくしい!
お直しは、ビフォアーよりアフターの方が、断然うつくしい。
それらは日々の暮らしの中で、より親密な存在になっていくのだと思う。
連載「暮らしのアイデア」でも、お直しについて夫婦で語っていますのでよろしければ!
前編は「器、かご、衣服や道具のお直し」編です
後編は「電化製品の修理」編
コンピューターのことなども。