音楽家の周辺に触れたこと 3月27日(月)
わが家で開催している「場をひらく」シリーズ。
第7回目のゲストは音楽家のトウヤマタケオさん。
そもそもなんでそんな会を開いているの?については以前書いたけれど、家が「個人の所有物」としてだけではなく「コミュニティに開かれた場所」であってほしい、という思いがあったから。
ミニライブ付きのお話し会
トウヤマさんとお話ししたときに、「音楽の周辺」について聞いてみたい、と思った。「どうやって音楽家になったのか?」「長きにわたり音楽家であり続けることは難しくないのか?」そんな素朴な疑問が次から次へと沸いてきた。だけど、そんな疑問をぶつける機会はそうそうない。
音楽家の活動は、たいていは演奏が中心で、実はそれ以外の部分(=私たちが聞いてみたいこと)を知る機会はインタビュー記事などを除いてあまりないように思う。それをライブで、直接ご本人から聞けたらすごく面白い、そう思った。
音楽家といっても、その人生が音楽だけでできているわけではないと思う。音楽のことも含め数多くのことが絶えず起こってきたはず。実はその部分にとても興味があった。音楽生活30年。色々なできごとがあったと思う。決断と葛藤、そして時代の流れ。どうやって音楽とともに泳いできたのか、まさにその部分を「ひらかれた場」で話してほしい、と思ったのだった。そして、そのお話を聞いてから演奏を聴いたらどんな風景が見えてくるだろう、とわくわくした。
トウヤマさんはそんな「規格外」のリクエストに軽やかに「いいですよ」とおっしゃってくださったのだった。
小さな会だからこそできること
小さな場所なので、10名ほどのアットホームな会。
参加してくださった方の間でなんとなく会話がはじまったり(高知の人は知らない人にでも普通に声を掛けます・笑)、遠路はるばる他県から来てくださったとわかり「帰りは駅まで車でお送りしますよ」という展開になることも。
ちいさな会だからこそ、最後にゆっくりトウヤマさんとお話しをすることだってできる。
今回お出しした焼き菓子とお茶。今回は我が家のニワトリの産んだ卵を使ったパウンドケーキと手製の野草茶。
その場の記憶を持ち帰る
この日の記憶をとどめ置きたくて、思わずCDを手に取った。
ネットで買うのとまるで手触りが違う。
遠くから、こんなにもちいさな会のために出向いてくださたトウヤマタケオさん、そして場を共にしてくださった皆さん、ありがとうございます。
会が終わって数日後。
車の中でCDを聞きながら山道を走る。春の空気とみどりのざわめき。ピアノの音と、あの日耳にした言葉、トオヤマさんの姿が交差する。「音楽家の周辺」も「その日の記憶」もやはり音楽の一部なのだ、と思う。