「場をひらく」をはじめた理由 3月21日(火)
思いがけず家を建てることになったそのとき、設計士さんから「どんな家のイメージがありますか?」と聞かれ、思わず「ひらかれた場所」という言葉が口から飛び出した。
「ひらかれた場所」をつくりたい
人と人が出会う場所、なにかが生まれる場所、偶然が交差する場所。そんなイメージ。家を建てるにあたってはいろいろな経緯があって、ざっくりと言ってしまうと「ご縁」だった。その意味でも「ひらかれた家」になることはもはや必然だったと思う。(このあたりは『サステイナブルに家を建てる』に書いていますのでご興味のある方はお読みいただけたら!)
わたしたちは、家の所有者というよりも、管理人的な位置づけ。もちろんプライベートな生活空間ではあるけれど、そのときどきでパブリックな場にもなったらいい。
そんな風に構想しながら、設計をすすめて完成した家。当初の思いを実現すべく、引っ越しの2カ月後に「場をひらく」シリーズをスタートした。
第1回ゲスト 広瀬裕子さん(エッセイスト)
記念すべき第一回は、長年の友人でもあるエッセイストの広瀬裕子さん。ちょうど彼女の最新刊『55歳、大人のまんなか』が刊行されたところだったので、新刊記念トークイベントの形をとった。
裕子さんといえば、毎朝の紅茶。日々使っている茶器で、会場のみなさんに紅茶を淹れて、ふるまってくださった。白いカップとソーサー、熱い紅茶から立ち上る湯気。
お話しはざっくばらんにすすんで、普段のシックなイメージから外れるような発言も大胆に飛び出した。それはきっと、その場への信頼があったから。小さな会の醍醐味だと思う。
第2回ゲスト 和田純さん(設計士)
「場をひらく」第2回のゲストはこの家を設計してくれた和田純さん。
家とは、住まいとは。25年間の設計の経験を経てたどりついた「家を建てるときに大切なこと」をあますことなく手渡してくれた。(彼女の住まいへの想いはぜひこちらの動画を!)
子供時代のエピソード、学生時代の体験、そのすべてが今につながっていること。それは設計した建物からは見えないもの。だからこそ、彼女の設計したこの空間で言葉にして伝えてほしかったのだとおもう。
第3回ゲスト いとうあゆみさん(雨風食堂)
第3回のゲストは「食事と本 雨風食堂」の図書担当、いとうあゆみさん。
膨大な読書量を誇る彼女の本に対する熱い思いをスパークさせてほしい!と切望して企画した。ライブならではのビビッドな言葉の応酬に一同のけぞる。
これがきっかけとなって、本の会「雨風BOOK NIGHT」が始まったのがなによりうれしい。舞台に立つべきひとは、やはり立つべきなのだ。
コロナの流行で2年間休止、そしてついに再開!
その後、第6回まで続いた「場をひらく」シリーズは、コロナをめぐる社会の流れの中で、一旦ストップすることになった。
実は、その前にゲストとしてお招きするこになっていたのが、音楽家のトウヤマタケオさん。
https://www.youtube.com/watch?v=CK4-dchbho4&list=PLgkl8ZJVxsn23pdb3P3--hdRe2wvBCNC3&index=6
最初にトウヤマさんの音楽を聴いたのは、高知の蛸蔵でのライブだった。語りかけるような歌声になぐさめに近いピアノの響き。
その後ひょんなご縁で知り合う機会があって。魅力的なお人柄に「どんな風に音楽家になったのかぜひお話を聞きたい」と思い、ほとんど衝動的に「わが家のお話し会に出ていただけますか?」という言葉が口をついて出たのだった。
音楽はその人の人生や経験が詰まっているけれど、それが言語化されることはあまりない。でも、わたしたちはぜひともそこを聞きたい。これまで経てきたことを、言葉としてひらいてほしい。そしてその後トウヤマさんの音楽を聴いたら、いったいどんな世界が見えてくるだろう。
そんなわくわくした気持ちで企画した第7回「場をひらく」。
それが今週末、ようやく3年越しで叶う。お話し会の後はピアノのミニライブ。きっとインスピレーションあふれる会になると思う。
当日は、雄一郎さんが張り切ってお菓子を焼きます。わたしはあたたかい野草茶をお入れしますので、春の午後をご一緒に過ごしていただけたらうれしいです。
会の詳細はこちらからどうぞ!