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「不倫」問題で苦しむあなたへ〜「愛と正義のバランス」を取り戻そう

「不倫」という言葉がもつ独特の響き。
「人が踏み行うべき道からはずれること」なんて言われると、ドキっとします。

ご承知のとおり、現代の文脈では「配偶者以外と肉体関係をもつこと」という意味合いで使われることが多い言葉ですね。

芸能人や有名人の方の「不倫」はいまだに人気ニュースのようです。(もっと重要なニュースがあるだろう!と思う人が増えてきていると信じたいです)

離婚弁護士である私は仕事柄、「不倫」についてのご相談やお悩みを聞く機会が多いのですが、根源的すぎていまだ答えが見つからないテーマでもあります。

果たして、一定の立場(婚姻関係)にある人が他の人を好きになることは「人が踏み行うべき道からはずれる」ことなのか。

倫理で恋愛や性愛の衝動を抑えることはできるのか。

私個人の(暫定的な)答えとしては、”NO”です。

では、「不倫」の恋は、自由にしてOKとすべきなのでしょうか。

それについても、現時点での私たちの社会通念をベースにすると、"NO"だと思っています。

つまり、人を好きになることを倫理で縛ることは難しいけれど、だからといって現在の結婚制度を前提にした場合、婚外恋愛・不貞行為を野放しにすることもできないだろう、というのが私の基本的な考え方です。

そしてこれは、社会のありようや人間の意識によって変化していく、「ある特定の時代背景において」「今のところ」こうではないか、というたくさんの留保がついた考え方です。今後変わっていく可能性は高いと思っています。

紛争解決の一応のガイドラインとして法律や判例がありますが、残念ながら、こと「不倫」問題について法律で解決できるのはごくごく限定的な範囲です。

愛と嫉妬の問題について、背信行為に対する感情的ダメージについて、家族愛と男女(*日本ではまだ同性婚は認められていないので)の性愛は二者択一なのかということについて、法律は答えをくれません。

不貞行為の現場をおさえて証拠もばっちり!というケースだって、
相手方に慰謝料を支払わせたから解決、とはならないのです。

家族というコミュニティを協力しあって運営していくためには、やはり一定のルールや思いやり、倫理観も必要です。「好きになっちゃったんだから仕方ないもん」だけではすまされない現実もあります。

じゃあ、一体どうすればいいの???

「不倫」問題で悩んでいる方に対する私のアドバイスは

"愛と正義のバランスを取り戻そう"

です。

「不倫」問題とは、愛と正義のバランスが崩れてしまったことによる苦しみなのですね。

正義だけで断罪しても、傷ついた愛は回復しません。

愛を言い訳に、嘘をついて信頼関係を破壊することは正当化されません。

往々にして、人生で「不倫」問題に直面するときは、ご自身が信じてきた「愛と正義」の定義をアップデートするタイミングなのではないでしょうか。

法律は、このうち「正義」の部分を担うツールです。この部分は専門家としてぜひ頼りにしてください。

そして法律だけでは「愛」の問題は解決されません。唯一の正解はなくて、弁護士である私も「愛」のマスターではもちろんないのです。

だからこの部分は一緒に探していきましょう。
苦しさの裏側にある「本当はこう生きたい」という想いの源泉に触れたとき、もう大丈夫。

あなたはどんな「愛と正義」の物語を生きていますか?

(了)

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